金国憲(予備役陸軍少将)

 文在寅大統領が終戦宣言を検討しているという。南北が共に生きようが別途に生きようが、互いに干渉せず生きれば良いと言った。当然の話だ。これは1992年2月19日発効された南北基本合意書に詳細に規定している。徐薫国情院長や趙明均統一部長官などが対北実務者として勤務してきたからこういう話が出たはずだ。

添付画像
 南北基本合意書の第1条は“南と北は互いに相手の体制を認め尊重する。第2条、南と北は相手の内部問題に干渉しない。第3条、南と北は相手に対する誹謗中傷をしない。第4条、南と北は相手を破壊転覆する一切の行為をしない。第5条、南と北は現在の停戦状態を南北間の強固な平和状態に転換させるため共同で努力し、平和状態が実現するまで現在の軍事停戦協定を遵守する”と規定している。このすべては盧泰愚政府の『南北間の和解と不可侵および交流協力に関する合意書』と『韓半島の非核化に関する共同宣言』に詳しく書かれている。

 問題は、北側が今まで基本合意書を無視し挑発を続けてきたことだ。天安艦爆沈と延坪島砲撃は挑発を超えた攻撃だ。北側は2013年、偵察総局長の金英哲が停戦協定は白紙化されたと宣言した。協定は双方が結ぶもので、一方が白紙化すると言って白紙化されない。停戦協定の修正は双方の司令官の合意が必要で、他の協定に代替されるまで効力を有するとなっている。南北の終戦宣言が国際協定である停戦協定を代替できるかは深層検討を要する。

 国際法上の戦争状態は、事実上の敵対行為、あるいは宣戦布告で始まり、平和条約の締結をもって終了するのが一般的だ。したがって1953年7月27日、停戦協定が締結されたが、平和に関する合意がなされていないため、南北はまだ戦争状態と言える。平和条約が結ばれるには一定の時間と条件が必要だ。1991年に発効された韓半島非核化宣言が履行されねばならない。それまで停戦宣言は過渡的な措置と言える。

 ちなみに、日本とロシアは第二次世界大戦が終わって73年が経つ今日まで平和条約を結んでいない。北方領土問題が解決していないためだ。

 南北は、世界で類を見ない長期間の停戦協定状態よりは、平和条約の以前に終戦宣言をするのが良いかも知れない。だが、その前に、北側に南北基本合意書の実現を強いねばならない。南北首脳会談では核問題の解決なしには南北問題の解決はないということを明確にせねばならない。

 南北間ではすでに合意されている協定を実践するのが先決だ。新しいものが要らない。

2018年3月26日

2018/03/30 22:17 2018/03/30 22:17
この記事にはトラックバックの転送ができません。
YOUR COMMENT IS THE CRITICAL SUCCESS FACTOR FOR THE QUALITY OF BLOG POST