司法が及ばない国外で恣行した康宗憲の国家行跡

19総選挙(411)の結果は、国社会法治常識がどこまでされるのかを見せてくれた。親北・従北勢力主軸である野党議席61%(87140)も増やしたに、労党の後裔ら掌握している統合進歩党比例投票10.3%を獲得したの撃的だ。の“大衆民主主義”というものがどれほど危ういものなのかが分かる。にも拘らず、仮初にも与党であるセヌリ党は自分たちが勝利したとしている。労所得に慣れている日和見主義集が演じる喜劇だ。

共産主義や安保問題に基礎的な常識のある国人には挙後露出した統合進歩党事態は事新しいものでない。会主義革命連邦制統一のための従北左翼ら戦略戦術徹底している統合進歩党公認は、らの戦略戦術戦士たち国会に送り込むという原則で行なわれた。「戦略公認」こそそういう原則徹底考慮された結果だ。つまりまでの「闘争実績」が「検証」された戦士たち公認するのだ。

在日韓国人として統進党比例代表に「戦略公認」された康宗憲も、まさにそういう闘争実績検証されめられて公認されたケースではないだろうか? 康宗憲行跡簡略に見てみよう。

添付画像
北勢力は、康宗憲民主化活動家であるかのように包装する。たしてそうだろうか? 康宗憲は、1975された(自分を含む)在日同胞留学生スパイ団事件が捏造されたものだとソウル高裁再審請求(20119)した。ところで民族21”(20121月号、*右写真)などえる康宗憲主張は、彼自身こそ操作をしているとしか考えられない矛盾点が見られる。当事者の主張を検証してみる。

は鄭昌鉉(*民族21の代表)とのインタビュで、自分はで「1960年代後半独裁・民主化運動になり、特に、1970全泰壱焼身事件’が発生して、青年たちとそのみを分かち合うべきだとの心情になって決心」したし、「民主化民族平和統一熱望しただけ」で、(医学の勉強にも精一杯だったはずの学生)民主的でかつ人間的るための良心的医者になろうと」ソウル医大の会医学研究会’というサクルにっただけ、「理念書籍をんだこともなく]高校先輩の金英一(*対南工作員と指目された人物)ったのも「居住してきた大阪地域は、総連・民団の区別なしに同胞する組織理念に縛られず共に付き合って、総連系ったのも自然なこと」と主張した。

は、政治関係のない青年がある日「保安司」に連行されたと主張するが、学動機を「全泰壱焼身事件」など政治的関心からしたとつじつまのわないことを言っている。さらに、決心する国情勢は、北韓の特殊部隊の青瓦台奇襲(1.21事態1968)をはじめ、金日成が南のゲリラ戦場化

添付画像
みて準戦時状態になり、顕忠門爆破事件(1970)文世光事件(1974年、*左写真)など大統領暗殺企図続き日本通じての迂回浸透本格化した時代だ。これをどうして裁民主化運動への関心として説明できるのか?

朴正煕大統領狙い損って陸英修女史殺害した文世光も、まさに「総連・民団の区別なしに共に付き合っている大阪地域」の出身だ。国法廷対南工作の上部線と指目された康宗憲高校先輩の金英一(医師、はなぶさ診療所院長)は、別のスパイ事件上部線(対南工作員)指目された総連・呉清達掌握した大阪経済法科大学教授になり、主導した“国際高麗学会”などに参加した総連だ。

康宗憲再審請求の時、朝総連である金英一の「公証答弁書」と自分19738月北海道旅行の時った日本人のアリバイ証言提出したそうだが、これこそいくらでもに「操作」できる「紙切れ」ではないか?

<*注:過去事委員会も康苛酷けた可能性は認めたが、った操作されたという康の主張は受れなかった。康宗憲は現在法的には「スパイ為前科者」であり、転向したという拠はない。>

ところが、いざ康宗憲国家犯罪(国家保安法違反)は、再審請求した「在日同胞留学生スパイ団事件」よりは、釈放後日本った深刻だ。つまり学生スパイ団事件は、日本に戻った行跡べると比較もできないくらいだ。こういうことからも本末を掏りかえる卑劣共産党式手法ることができる。

ソウル・オリンピックの後、主思派(主体思想派)の従北勢力までを包容しようとした盧泰愚によって釈放されて日本に戻った康宗憲は、そのまま「汎民連(国統一汎民族連合)核心幹部(海外本部共同

添付画像
事務局次長)として利敵行公開的展開する。汎民連は、が東欧の社会主義圏が崩壊し、以前対南工作完全にぶつかって彼らが危機直面するやこれを打開するために「階級革命」をしばらく隠して「わが民族同士という民族共助戦術に転換した、平壌側による統一戦線体」看板利敵団体だ。したがって総連韓統連など「国家団体」が総動員された。(* 以後、金大中訪問後の統一戦線の看板び「汎民連」から「6.15民族共同委員に移る)

康宗憲はまさにこの国家勢力包括する「汎民連」の海外本部共同事務局次長という核心的職責する。「汎民連」海外本部の共同事務局のもう一人次長は、各種スパイ事件常連のように登場する総連政治局出身の対南工作員・朴勇だ。

添付画像
康宗憲は、19908月平壌で開催された「汎民族大会」をはじめ、壌や国など開催される「汎民連共同議長団会議」など参加し、そのにも国家団体および利敵団体の幹部として北韓を訪問する。康宗憲19958には「民族統一大祝典参加するため総連と一緒に万景峰92北朝を訪問したという。康の当時行跡は、警察安全企画部発表(1995.12 )した。

康宗憲は、韓統連汎民連核心幹部として、19967日本で「南朝鮮政治情勢と統一運動現況展望」という時局講演をはじめ、自らった国問題研究所のホムペジをじて、「文民というのファシズム」という題名安全企画部法改正国家保安法廃止など金泳三非難(1996.12)し、黄長燁亡命しても国政府謀略論主張するなど、徹底的立場活動した。もちろん、北韓と金日成・金正日独裁に対して一度も批判していない。条件的対北米支援主張し、日本教団体などの対北食糧支援運動にも関与した。

添付画像
「汎民連」関西協議会主催の「朝鮮半島情勢危機構造解剖する」というセミナ(19977)するな、ど総連汎民連(実上は朝総連)主管の行事核心的主導的加担してきたし、いわゆる「8次汎民族大会」(19978)は、金日成のミイラがある「繻山記念宮殿などを参拝し、「8.15汎民族大特別決議文したと報道された。(*右は朝総連福岡支部で講演する康宗憲)

司法が及ばない国外でこのような反逆した韓統連汎民連総連などは、国で左翼政登場し、法院の確定判決までを引っ繰り返す革命的超法的機構である「過去事委員会」と「真実和解委員会によって国家保安法無力化されると、と「民主化勢力」に化ける。

添付画像
盧武鉉時、高泳耈などが推進してきた郭東儀など国家団体の「韓統連代表団」訪韓(200310)をはじめ、青瓦台や駐日大使の使嗾による団・総連の5.17連邦制事態(20065月、左写真)などは、反共民主主義忠誠を尽くしてきた在日同胞社精神的恐慌状態にした

国社会が「法治」に「政治」が位置することを当然視する風土になりながら、在日同胞は、康宗憲が言ったり、次第に「総連・民団の区別なしに、同胞する組織理念に縛られず共に付き合って、総連系ったのも自然なこと」になりつつある。

添付画像
偵察総局が「特別行動という対南テロを宣言(423)するや、総連組織駐日韓国公館らに押し掛けて国へのテロ支持する示威(*右写真)を展開する状況で、その総連と一緒に指令路線に従って大韓民国にしてきた康宗憲のような国会議員になったらどうなるだろう? 康宗憲今「汎民連」継承した「6.15日本地域委員会代表委員の一人だ。「6.15日本地域委員会」には康宗憲にも徐勝、李哲、崔哲教など在日同胞スパイ出身たち韓統連幹部挙参加し、郭東儀議長康宗憲汎民連海外本部共同事務局の盟友だった朴勇常任副議長(事務局長兼任)だ。

添付画像
まで韓統連汎民連6.15日本地域委員会、そして康宗憲活躍えてきた従北媒体らつが民革党「京畿東部連合」の李石基関係する「民衆」である興味深い。何れにせよ、金泳三-金大中-盧武鉉権と続いてきた歴史を逆様にする工作が、スパイや国家団体の核心ら国会議員るようにした。李明博とハンナラ(ヌリ党)は、この途方もない自分たちが国家正常化を放棄した歴史的罪をどう酬いるつもりなのか。(2012.05.09)

2012/05/14 09:19 2012/05/14 09:19

                         佐藤勝巳・洪熒対談(2012424)


  失敗の原因

 佐藤 周知のように金正恩体制は大陸間弾道ミサイル発射に失敗しましたが、失敗の原因は何かを検討してみたいと思います。

 

添付画像

  考えられる原因は、①技術的、あるいは物理的欠陥やミス、②内部のサボタージュ、③外からの妨害の三つが考えられます。しかし、発射体の回収も不可能だし、政治的要因も加わって原因究明は非常に難しいと思います。

 

佐藤 内外のメディアは失敗の原因を一様に①とほぼ断定していますが。そう断定できる科学的根拠は全く提示していません。今の段階で直接的な物証がない以上、私は②と③の可能性も検討して見る価値があると思っています。

まず、北の外務省が食糧支援と核ミサイルの実験一時停止をバターとした米朝合意が公表されました。その半月後、北の軍はミサイル発射を公表します。当然のこととして、アメリカは反発し、合意を主導した北側の中心勢力の面子は丸つぶれです。

もし、面子を潰された側が、強硬路線の軍部のため自分たちだけでなくやがて「祖国」が滅びると憤慨したら軍部への報復としてミサイル発射の失敗を企てても可笑しくありません。つまり仮に平壌の上層部で「話し合いか、武力」かという路線争いの結果、打ち上げを意図的に失敗させるサボタージュという仮説が成り立ちます。


 外部の発射妨害の可能性

 

 そうです。サボタージュの可能性をあたまから排除することは科学的な姿勢と言えません。現に、金正日が20044月中国訪問から帰途に竜川駅で爆発事故があった。この爆発を北側は金正日暗殺未遂と捉えています。金正恩後継体制の構築のため毎日血の粛清が行なわれているのに、やられる方が反発、反撃しないのがおかしいです。

もう一つは③の可能性に対してです。例えば、イランのウラン濃縮施設の遠心分離器を破壊したことで有名になったスタックスネットというコンピュータウィルスがありますね。そもそも平壌側や中国はサイバー戦争でとても攻撃的であることが知られています。つまり、外からの攻撃もでき得るということです。その時北の内部者の協力が得られればそれは②になるわけですが、本当は北の核ミサイル能力を阻止したいなら、そういう方法を使えばいい。

少なくとも、地球軌道のアメリカの衛星まで狙える筈の中国は、本気になれば発射台に何日も立てられていた北の弾道弾を無力化できた筈です。もちろん、今のところ、以上の可能性すべてが確認し難いことですが、確認出来ないからと言って、可能性を排除して良いのか、ということです。

 佐藤 このたびの弾道ミサイルの
実験が成功すれば、韓国と日本は、自衛のために北と同じように核ミサイルを保持、確実な抑止力で安保を確保せざるを得なくなります。当然、そういう声が広がります。アメリカも中国もその声を抑えることはできません。そうするとアジア情勢は大きく変わります。北のミサイル発射を失敗させることで、誰が利益を手にするのか。北の大陸間弾道ミサイル発射を失敗させる国際要因は十分存在します。

 

 崔龍海の台頭

 佐藤 ここで問題になるのは金正恩です。彼は、「米朝合意
(229)」にも軍の弾道弾実験にもサインしたはずです。今回の「ロケット発射は人工衛星の打ち上げだから、米朝合意の違反に当たらない」と本当にそう思ってサインをしたのか、です。いったい背景にどんな政治力が働いて矛盾することにサインをしたのか、クエスチョンです。

添付画像
大陸間弾道弾実験失敗の流れの中で、社会主義青年同盟出身の崔龍海が、政治局員候補から、いきなり政治局常務委員に2階級特進しました。そしてさらに「人民軍総政治局長」に就任しました。過去に政治局常務委員と総政治局長を兼務したのは呉振宇と趙明録です。もちろん、呉も趙も軍人でした。総政治局長とは軍内の労働党のトップで、軍の最高権力者です。「次帥」の肩書きは付けたものの非軍人の崔龍海の総政治局長起用は破格というより、宮廷内の「異変」と見るべきでしょう。

大陸間ミサイル発射失敗の原因追及がなされることは当然ですが、その処理と総政治局長は無縁ではない筈です。誰がパージされ、誰が登用されるかで、権力闘争の推移が明らかになってくると思います。崔龍海は張成沢と近いといわれていますが、今度は崔龍海の方が、張成沢よりはるかに「偉く」なりました。ミサイル発射失敗が、路線対立と絡んでどういう展開を見せるのか、注目すべき動きです。

 

添付画像
 平壌の権力核心部でどういう事情があるにせよ、大陸間弾道ミサイル発射失敗で、3代世襲と「強盛大国」への祝砲が弔砲となりつつあります。核ミサイル獲得は金氏王朝の悲願です。それなのに、ミサイルの失敗でこれほど軍が恥をさらしたことはありません。核実験が準備されているとの報道も流れていますが、止めろという必要はありません。資源をどんどん使わせ、国力を消耗させればよいのです。何れにせよ、415日の「金日成広場」での大パレードは軍事力の誇示ですが、金正恩体制がいかに戦略的判断や客観的状況把握能力が欠けているのかの見本でもありました。

 軍内部で何が起きているのか

 

佐藤 われわれは、北の暴圧体制を劣化させ内部崩壊に誘導するという戦略目標を持つべきです。北経済の専門家の話では、北のコメなどの諸物価は、「通貨改革」を行った約2年前に比較して200倍に跳ね上がっているとのことです。北のウオンは日々紙くずに近づき、経済は中国元に益々深く組み込まれていっています。

 

 平壌側は、金氏王朝の3代目の即位と「強盛大国」の祝祭期間にしたかった4月が、ミサイル発射失敗で暗鬱な雰囲気に変わり、各地で不穏な動きすら見られ出した。この内部矛盾をそらすために、朝鮮人民軍最高司令部「特別作戦行動グループ」が「特別行動」をすぐ開始すると言ってソウル攻撃を宣言しました。首都への攻撃宣言は事実上の「宣戦布告」に他なりません。

添付画像
北は、以前から何か行き詰まると「停戦協定」破棄を言い出してきましたが、金正恩後継が決まってから、特に偵察総局が主導してこの頻度が増しています。趙明録前総政治局長が死亡したのは2010年11月です。その後このポストは空席でした。そしてこのたび崔龍海が就任したのです。この事実は、北韓軍の内部が深刻な状況であることを自ら告白しています。北側が南を侮っていますが、今回は本当にソウルを攻撃したらその結果は自滅です。

いま韓半島では南北のどちらが先に、致命的なミスを犯すかで決着がつけられそうな状況とも言えます。 

2012/04/27 11:58 2012/04/27 11:58

 

「金日成誕生100年記念の大分列式」をテレビで見た。植民地からスターリン主義の王朝国家に戻った北の現実に憤怒した。あの悪の体制を支えている歴史の反動勢力に憤怒した。

添付画像
「金日成広場」は「金氏王朝」の独裁において、そして「劇場国家」の北においてなくてはならない最も重要な舞台であり小道具だ。平壌の支配層はこの舞台で金正恩が王朝の始祖・金日成の孫であることを演出した。ところが、その企図は「金氏王朝」がそもそもスターリン主義が移植された植民地だったことを思い知らせた。分列式に登場した「人民軍」や民間の
添付画像
すべての部隊は、スターリンの旧ソ連軍を連想させた。つまり、人間がなぜあの不自然な歩き方をするのか不思議に思われるあのロシア式の独特な行進を披露したのだ。北側は何事でも「主体」を強調し、年号まで「主体」を使っているが、軍の制式動作から野蛮的金氏王朝の暴圧体制の根源が元々スターリン主義であることが改めてよく分かった。

分列式の始終金正恩の行動は印象的だった。金正恩は、少しもじっとしていなかった。彼の右側に立っている将軍たちにしきりにあれこれ聞いていた。北の最高軍事大学出身であり、ほぼ毎日軍部隊を視察し、夢の中でも戦争ばかり見ていると宣伝される「軍事の天才」金正恩は、動物園や水族館に行った子供が親にあれこれ聞くような光景、軍事には白紙のようにさえ見えた。ただ、金正恩が軍事が好きなのは確かのようだ。金正恩はすぐ左の金永南(最高人民会議常任委員長、*名目上の国家元首)の存在は完全に無視した。目もくれなかった。

金正恩の叔母の金敬姫大将は軍服でなく濃い藍色のチマチョゴリで行事に臨んだ。何か特別なわけがあったのか。因みに、北には「将軍」が1700人ほどいると言われる。これは人口の割合から例えれば、日本に現役の将官が9千人以上いることになり、中国なら10万人くらいの現役の将軍がいるという計算になる。なるほど将軍の数では天下一の強盛大国だ。

添付画像
金正恩と取巻きらの判断基準は本当に独特だ。北は人民が飢餓状況の中でも軍事力を強化してきたことを隠さなかった。パレードの目玉で本物かどうかと疑われたICBM(大陸間弾道ミサイル)を運んだ特殊車両が中国製であることまで堂々と披露し自慢した。北は果たしてあのように軍事力を誇示していいのか。恐らく、北側は国際社会に食糧の援助を要請しながら、同盟の中国にはもちろん、敵のアメリカにまで食糧支援を乞いながらも、軍事力を誇示すると韓国や国際社会への恫喝効果があると思うらしい。

添付画像
金正恩の取巻きらの考え方やこれからのやり方が予測できる材料がここ3ヶ月で色々出ている。それは新王の即位に伴う「王朝」の神格化の努力だけを見ても分かる。金正日の銅像が本格的に登場し始めた。先王たちの銅像をあちこちに並んで建て始めることは実は物理的にも簡単なことでない。現に金日成の銅像は息子の金正日銅像のために作り直される羽目に陥った。生きている間は仲が良くなかった父子がミイラになってから同じ宮殿の中で展示され、騎馬銅像などで人民に仲睦まじい光景をたくさん作る。だが、子供でもない限り誰がそれを信じるだろうか。

歴史的なこの「大分列式」に参加した部隊がどれほど訓練と練習をやったのかは推測できる。だが、動員された平壌市民たちの犠牲が可哀相だ。もっとも、金日成広場を覆う人間カーペットになるようなこういう動員や苦労は、平壌に住むための特別税金であり義務なのだ。専門家たちはこの4月に金氏王朝の権威のために北が費やしたお金は、北の年間予算の半分に相当すると言うが、北の住民の涙と絶望や諦めの費用はどう計算すればいいだろう。

世界は金日成広場でのパレードを果たしてどう見ただろうか。特に、アメリカと中国はあのパレードを見て何を感じただろうか。中国は、そもそも鄧小平時代に核とミサイルを北韓や第三世界に拡散させた。国連安保理の常任理事国である中国は今も国連の対北制裁措置を無力化させている。中国共産党は、失敗国家であるこの凶暴な同盟国を将来にも中国の安全を護る戦略的緩衝地帯として期待利用できると思っているのだろうか。

アメリカは核弾頭を搭載した北のICBMがアメリカ本土に届くかどうかに神経を尖らせ、その最悪の事態さえ回避できれば良いと思っているのだろうか。アメリカは同盟国の韓国には射程300キロ以上の弾道ミサイルの研究すら厳しく禁止している。アメリカは敵の脅威を行動で止められない反面、逆に同盟国の軍事力を制限することで、敵である北や北の同盟国を助けているわけだ。

何れにせよ、乏しい国で貴重な資源と人間を消耗する野蛮的破壊行為、金日成広場でのああいう分列式は二度と行なわれてはならない。(2012年4月16日)

2012/04/26 16:11 2012/04/26 16:11

対談(佐藤勝巳・洪熒、2012330)

 

なぜ騒ぐのか

佐藤 北が4月中旬に死んだ金日成の生誕100年を記念して「人工衛星」を打ち上げると発表(316)したことを、メディアを始め、ソウルでの核安保首脳会議(32627)など国際社会でも連日取り上げて騒いでいます。なぜあんなに騒ぐ必要があるのか分かりません。ミサイル実験をやりたければ、やらせればよいだけです。やめろと言っても、止めるような集団でないことは過去の例が示しています。

 

添付画像
 おっしゃる通りで、北側の長距離弾道ミサイル実験が初めてでもないし、アメリカの面子は丸潰れですが、でも過剰反応です。放っておいて、実際に打ち上げたら、国連安保理が決議した制裁措置を改めて徹底適用する。特に韓・日は、対応措置、つまり核ミサイルへの「自主的防御態勢」を堂々と強化すればよいのです。日本や韓国、国際社会が騒げば騒ぐほど、北側は国威が宣揚されたと受け取りますから、調子に乗るだけです。

北側に実験をさせることで、彼らの大陸間弾道弾の正体がわかります。長距離ミサイル発射には、貴重な外貨をはじめ巨額のカネ(700億円と推定)がかかります。その経済的負担は体制の体力消耗につながりますから、中止せよなどという必要が全くないのに、何を騒ぐのか理解できません。ましてや、平壌側は今回の弾道ミサイルの発射は「金正日の遺産」でもあり、特に「太陽節」(金日成誕生日)に合わせての「強盛大国」の象徴ですので、止められないのです。

 

自分を護る意志の欠如が脅威だ

佐藤 敵の攻撃能力が向上しているのなら、われわれもそれに十分対応できる手段を整備すればよいのです。鹿児島県の種子島で発射している日本の宇宙ロケットは、地球の裏側まで届く弾道ミサイルと同じものです。日本は戦略ミサイルのハードウェアの面では北朝鮮など全く怖れる必要はありません。

添付画像
問題なのは北の核弾頭です。北側はミサイルの弾頭に搭載する核爆弾を軽量化するため関連技術確保に血眼になっています。日本は自主防衛体制の確立に必要な能力を十分持っていながら、非核三原則で自らを縛っています。自国の安保を同盟国のアメリカの核に依存しながら、他方では、アメリカは沖縄から出て行けという。アメリカから見たら、気は確かかということになります。

私から見れば、自主防衛と言う国家の根本的努力を放棄し続けている政府や国家が、あなどられるのは当然のことです。北に拉致や核などで制裁を科しているの日本を尻目に、今回アメリカはその北に補助食糧の援助すると言っています。普天間基地の移設問題の日本の背信行為に比較したら、問題にもならないというのがアメリカの本音でしょう。個人でも国家でも、自己のなすべきことをなさないで他人に依存すれば、発言権などあろうはずがありません。日本にとっての危機は、北の核ミサイルよりも、自分の身は自分で護るという自覚の欠如の方がはるかに深刻だと思います。

 

卑怯な態度が正恩を増長させる

 国際社会が当面している核ミサイルをめぐるもう一つの頭痛の種はイランですが、イランと北はまさに「血盟関係」です。そちらでは、イスラエルがイランの核武装を阻止するための軍事行動をこれ以上待てないと闡明しています。イスラエルは、イランが原爆を完成させる前に爆撃しなければ自分たちがやられる、という透徹した安保意識を持っています。日本や韓国は、自国の安全をアメリカや国際社会の善意に依存しています。イスラエルと敵対的な反イスラエル諸国との関係と、韓・日と北韓・中国の関係は、本質的に同じです。今度北が発表した弾道弾の飛行コースは、韓国の済州島すれすれ、沖縄(の基地)を狙える経路を飛んで、2段目のロケットがフリッピンの東側太平洋に落下すると言われています。要するに、韓国、日本、米軍を恫喝しているわけです。平壌側はイランと連動して行動していると言っても過言でありません。

添付画像
それだけでなく、金正恩は連日軍部隊を訪問しながら、平壌側は大胆にもソウル(青瓦台など)を攻撃する、と好戦的な言辞を弄していますが、選挙(4月の総選挙と12月の大統領選挙)での票集めで頭が一杯の韓国の政治家たちは見てみぬ振りをしています。まさにこの卑怯さが金正恩の無謀を増長させているのです。

 

佐藤 もう少しミサイルの方向を西に動かすと上海、広東までも射程圏に入っていますよ、と言う中国への示威も暗黙に行なっているわけです。中国から食糧支援を得るためのミサイル実験なのか、とすら思いました。あのコースは日・韓を恫喝と中国を揺さぶる、絶妙なコースと言えます。

さて、メディアでも広く指摘されていることですが、北のミサイル打ち上げは、食糧支援とミサイル実験の停止など229日の米・朝合意を事実上否定しアメリカ側を嘲弄するもので、端的に言って北権力上層部に路線対立があるのではないかとの分析や見方が流れています。平壌からは、昨年南北対話に関係した党中央の関係者30人ほどが、昨年夏、銃殺された。今年に入ってからは軍の幹部が喪中に酒を飲んだとして、大砲で粛清されたとの話も伝わってきています。米朝関係なども含めて洪さんはどう見ていますか。

 

命をかけた主導権争い

 金正日存命中の昨年の61日、北の「国防委員会」が、南北が秘密裏に首脳会談開催問題で接触(201159)したことを突然暴露した事件は記憶に新しいことです。昨年は李明博政権、今度はオバマ政権と相手は変わりましたが、ほぼ同じことが繰り返されたわけです。北の党官僚達が昔からの「対話」という遣り方で食糧を騙し取ろうとすると、その直後に軍が強硬なことを言って潰しにかかる。これは一体何を意味するのかです。食糧確保という課題を中心に軍と党官僚の主導権争い、命をかけた闘争が展開されている、と見ていいではないかと思います。

添付画像
つまり、平壌では、血の粛清や新しい権力秩序形成の過程で有利な、あるいはより安全な立場を確保するために、必死の生存闘争をやらざるを得ないということです。命がかかっているのですから、北今までの前例やルールなどは尊重されないと思わねばならない。この前、呉克烈夫婦など北の大幹部たちが舞台の上で、金正恩に向けて歌を歌う(38)場面がテレビで放映された前代未聞の事件も、新しい権力秩序の再編過程が如何に凄絶なものかを知ることが出来るのではないでしょうか。

 

権力の行方、冷静な見極めが必要

佐藤 アメリカとの合意(229)には金正恩の承認が要ります。金正恩は軍の長距離弾道弾実験発表(316)にもサインしていることは間違いありません。金正日は、軍と党官僚を競わせて食糧などをたかってこさせたが、30歳にも満たない若造の正恩も、忠誠心を利用した政治を始めた、と見ることが出来るのかどうか。また、金正日は、「軍が言うことを聞かなくて困る」と金正男にこぼしていたと言う話(東京新聞五味洋治編集委員)もあり、権力の行方は流動的です。慌てずに冷静に見極める必要があると思います。

 

 アメリカ国務省があれほどコケにされても直ぐ合意破棄を宣言できないのは(国防省は破棄を口にしだしましたが)、再選を目指すオバマ大統領が平壌や北京側に足元を見られていまったためだと思います。恐らく、アメリカの国務省などは、またも悪い癖が出て平壌のペースで物事が運ばれるのを許す可能性大です。つまり労働党代表者会(4月中旬)など北の新しい権力秩序構築の余裕を与えた後、また「6者協議」にすがる、ということになります。

結論的に、また周辺国らが中国当局の戦略に進んで利用される構図が繰り返されています。もう北の核の問題はアメリカに任せることは出来ないと思います。

 

醜悪な関係

佐藤 1994年のジュネーブ合意以来、アメリカの北に対する態度に関心を持ち続けてきましたが、アメリカ政府にとって、今回の24万トンの栄養補助食品など、アメリカの国家予算から見れば問題にもならない金額です。多分、倉庫の保管料が嵩んでいるから、貰う人がいるならただで上げてもよい。それでウラン製造を一時ストップさせたと宣伝できるのなら安いものだ、ということです。これは、今は見当たらなくなったが、身体障害者の大道芸人に投げ銭を与える哀れみの感覚に近いものだと思います。

北の幹部たちは投げ銭を与えられているとの自覚もなく、「外交の勝利」と勘違いしている。「自主」や「主体」が聞いて呆れる、他人事ながらたまらない醜悪な関係です。

 

 かつて日本も2000年に50万トンのコメを北に出しましたが、あの時も外国米が倉庫に余って倉敷料に困っていた、という事情がありましたね。外交の基本的スタンスが、ユスリタカリと言うことになれば、当然のことですが、余剰農産物の処分場ということになります。

 

国民を飢餓に、狂気の祭りお騒ぎ

添付画像
 ところが、今まで「悪い行動に補償は無い」と言ってきたアメリカが、核弾頭を搭載する大陸間弾道弾を開発する不良国家に食料を人道支援するとは言語道断です。北は4月の「太陽節」に1万に近い外賓を招待するなど、約20億ドルを注ぎ込んでいると言われています。人工衛星(大陸間弾道弾)の打ち上げのためにも8億ドル以上を費やしたと見られます。北側がこの4月に「強盛大国」を誇示するために費やすカネは昨年の国家予算の半分に近い規模であり、このおカネを全部食糧購入に充てると年間不足する穀物を5(*470万トン以上)から10年分(とうもろこし)買えるはずです。なのに、平壌の独裁体制は平気で弾道ミサイル開発に血道をあげている。それに対して周辺国は、牽制すらしていません。

 

佐藤 中国の台頭とそれによるアメリカの力の相対的衰退という情勢の変化の中で、北は、中国の尻馬に乗って核ミサイルの開発に出ているわけです。その中国も、秋の指導部交代を目前にして経済が低迷する中で、太子堂派(親が党権力者)と共産主義青年同盟派の対立が顕在化して来ました。東アジアに限定しても、流動化がより一層進んでいます。この情勢の中で自らの運命を自らが決める以外ない、という客観情勢が生まれてきています。

 

相互抑止の確立

洪 野蛮な勢力の暴走を抑えられない文明は真の文明と言えません。文明が文明たるためには野蛮を押えられる力を持たねばなりません。今は、北の金氏王朝の暴圧体制の強化を、軍事大国化している中国が幇助しているのが問題です。ここ暫く、東アジアで、特に韓半島で進んだ海洋文明が中国の威勢に押され勝ちにも見えますが、相手が強くなるならことらも強くなるように努力したら済むことです。

中国は去る20年間は急成長を遂げましたが、その勢いが長く続くという保証はなく、間もなく急成長が挫折する可能性が出ています。第2次世界大戦後、スターリンの赤軍が建てた「スターリン主義」衛星国家の中で今まで滅びずに残っているのは「金氏朝鮮」だけですが、金氏朝鮮も中国の共産独裁も共に歴史の反動です。

文明の発展の方向は、結局個人の自由と安全の拡大です。中国もこの流れに逆らえません。旧ソ連が示したように、核ミサイルに頼って生き残るのは不可能です。遠からず、中国も同じ道をたどるでしょう。中国は自らが「金氏王朝」を支えたことで文明社会に立ち向かったことを後悔するようになります。日・韓にはこういう確信が必要だと思います。

 

佐藤 その確信の具体的中身は、過去の米・朝交渉、その後の6者協議を見れば分かるように、中・朝に騙されて、北に核を保有させたことです。わが国および韓国の安全保障は、相互抑止しかないのです。もしも日韓が、防衛の基本を相互抑止に切り替えれば、北の独裁政権はミサイル実験などという能天気なことは出来ないはずです。アメリカ政府も、韓国を攻撃し、日本人を拉致している北の独裁政権に、勝手に食糧援助など出来るはずがありません。また、中国共産党も黄海や東シナ海、南シナ海で、あんな横暴な態度はとれないはずです。われわれは遅きに失していますが、核の保有を決断する時期が来ていると思います。


2012/04/02 13:11 2012/04/02 13:11

‐第52回定期中央大会の結果を見て‐

3年毎に開催される民団の定期大会(223)が終わった。中央の新しい指導部(*写真)も決まった。民団中央のホームページは(民団の)再躍進への結束を誓う第7次宣言と新綱領が採択されたと伝えている。

添付画像
それで、新しい宣言と綱領、そして2011年の総括と2012年の重点方針などを読んでみた。一言で呆れた。いくら任意団体とは言え、在日韓国人社会を代表し、本国政府から巨額の支援金をもらう組織だから最小限の秩序や体制は整っているはずだと思っていたからである。

まず、2011年の総括だが、「二大運動」に対する総括は言訳ばかりで、中央本部の役割や実績と認められるものは見られなかった。「三大事業」と「各種事業」の中身も詳しく探って見ると空虚なものだ。2012年の課題(重点方針)も同じである。ビジョンも各論もまったく見られない。

中央委員や代議員たちはよくもこんな整合性のないものを審議、承認し採択したものだ。まず、二日間の会議で議案らに対してまともな審議が一度でもなされたのかが疑わしい。民団中央の前任指導部は、如何にも仕事をしてきたかのように誤魔化しているが、総括や新しい宣言と綱領は明らかに密室の中で何人かが適当に作ったものとしか思えない。

もし、健全な常識を持っている人が宣言・綱領、規約・規定改正や総括作業などに一人でも加わっていたら、到底見逃せない重大な矛盾に気付いたはずだ。規約や宣言によれば、民団は日本国籍取得者や新規定住者などを幅広く結集すると宣言している。しかし、今回採択された規約と宣言は、明らかに団員を差別し矛盾する目標を打ち出している。

分かりやすく説明しよう。民団の第7次宣言と2012年度重点方針は、「地方参政権運動」と「在外国民選挙参与運動」を謳っている。ところが、日本国籍取得者はそもそも日本の国政参政権を持っており、永住権のない新規定住者はそもそも地方参政権の対象でない。反面、在外国民選挙参与問題では日本国籍者は基本的に対象になれず、新規定住者の場合は永住権が与えられる前には本国での選挙権の行使が可能だ。結局、地方参政権運動と在外国民選挙参与運動とは、永住権を持つ民団員だけを想定した運動であることが分かる。因みに、民団中央が今まで「日本国籍取得者」と「新規定住者」の現状、あるいは規模に対して把握、発表したという話を聞いたことがない。

つまり、一見尤もらしい言葉を並べても、少数の組織プロのための組織になってしまった民団中央は、健全な常識が通じない組織だ。言いたいことは多いが次の機会にすることにして、取り敢えず三点を指摘したい。新綱領の第一は、「我々は大韓民国の国是具現を期する」とし、「国是」が「大韓民国憲法の前文」とあるが、どうして憲法前文が国是なのか、そして前文をどう具現するというのか。綱領の5番目は、「我々は、日本地域社会の発展を期する」と謳っているが、日本社会と日本地域社会を区別する理由と基準は何か。宣言の七項は、永住外国人への地方参政権付与を促しているが、民団が永住外国人全体を代弁する団体なのか、あるいは代弁できると思うのか。

中央委員と代議員たちが、催眠や集団的知能低下にでも陥っていない限り、なぜ、こういうことに対して問題提起をしなかったのか本当に不思議だ。ところが、韓国大使館にも訊きたい。本国政府に対して重大な問題と負担を提起している民団に対して事前に適切な指導はしたのか。

2012/03/05 05:09 2012/03/05 05:09

民団中央の前代未聞の迷走、暴走。

 

民団中央本部は215日、「在日韓国商工会議所に対する直轄措置通報」という緊急文書(韓民中生発第51-094)を全国の地方本部団長、中央傘下団体長および地方韓商会長宛に送った。

添付画像
文書の要旨は、民団の傘下団体である在日韓国商工会議所(「韓商連」)が法人格取得を口実に民団の傘下団体から離脱する動きを組織違背行為と看做して、直轄措置を決定(213日付け)したということだ。同時に、民団中央本部の林三鎬副団長を直轄会長に、生活局の李鐘太副局長を事務局長代行に任命し、「韓商連」が予定していた216日の臨時総会は中止するということだった。

民団中央本部とその傘下団体の一つである在日韓国商工会議所(「韓商連」)の葛藤は、昨年の年末に「韓商連」が社団法人格を取得したことで緊張が高まっていた。「韓商連」側は、社団法人は任意団体(民団)の傘下団体になれないという法律的解釈に基づいて、民団との関係を傘下団体から関連団体(協力団体)へ移行したいと要請してきたが、民団中央は「韓商連」の動きを民団組織を破壊する行為であり許せないという立場だ。

民団中央本部は215日の午前、三機関長が参加した会議でこの問題を提起して、「中央常任委員会が傘下団体の直轄措置を決定することは民団規約違反である」と監察機関が指摘したが、鄭進執行部はこれを無視して「韓商連」の直轄措置を決定し、林三鎬副団長が直ぐ「韓商連」事務室へ行って印章などをすべて押さえたという(黄迎満議長は鄭進執行部に同調)

当然、「韓商連」側は反発して、民団中央監察委員会に民団中央本部の鄭進団長を規約違反で処分を申し出た(216)。理由として、直轄措置の手続きそのものが規約違反である点、「韓商連」は駐日韓国大使館の勧告(214)によって214日にすでに「韓商連」の臨時総会の開催を延期した点、そして民団中央本部の文書に書かれている「韓商連」直轄措置を決定したとした213日の中央常任委員会会議は存在しないという点などを挙げている。

上記の「韓商連」の主張は概ねその通りである。実際、駐日韓国大使館は214日に、民団中央本部と「韓商連」に両者が新しい民団中央が構成されるまで現状態を変更せず、新しい執行部が出帆した後対話でこの問題を解決するよう促す公文を送った。つまり、「韓商連」が大使館の公文に従ったのに対して、民団中央本部は駐日韓国大使館の勧告を無視し、規約に違反して強硬措置に出たのだ。

民団中央と「韓商連」の間の葛藤は、結局5年間無事安逸ばかりを求めてきた鄭進執行部の組織指導活動放置がもたらした結果だ。鄭進執行部は訳の分からない生活者団体を標榜して朝総連など反国家団体との闘争を放棄しただけでなく、民団組織の内的充実のための何の措置も取らなかった。鄭進執行部の前代未聞の迷走、暴走は、ビジョンと目標を持たないリーダーたちが組織をどのように駄目にするかの典型と言えよう。

2012/02/20 13:46 2012/02/20 13:46

対談(洪熒・佐藤勝巳、2012118)

 

 NHKの報道姿勢に異議あり

佐藤 金正日が死亡して誰がどんな発言をするのか関心をもってきましたが、中国、韓国、日本の首脳たちは、口を揃えて「韓半島の平和と安定」(20111226日胡錦濤・野田佳彦会談)を言っています。

 

日本は、「不測の事態に備えて、情報収集する」、「6者協議の再開」、「あらゆる可能性を視野に入れて拉致問題に対処するが、現状においては制裁の強化はあっても緩和はない」(松原仁拉致担当大臣)旨の認識を示しています。しかし外務省や民主党の一部には、制裁緩和の意見は根強く存在しています。

 

 特に、NHKは、田中均(元外務省審議官)、小此木政夫(慶応大学教授)、李鐘元(立教大学教授)氏など6者協議賛成論者を機会あるたびに番組に出演させ、正しくない情報を流布しています。このNHKの番組は、NHK自身が、6者協議の歴史も現実も正しく認識していない、無知から来る偏向報道だと思います。

 

 李明博大統領も新年の国政演説(12)で、「韓半島の平和と安定を維持するのに最善を尽します」、「最も緊要な目標は韓半島の平和と安定です」、「対話を通じて相互不信を解消し相生共栄の道へ進まねばなりません」、「われわれは6者協議の合意を通じて北韓の安保憂慮を解消し経済を回生するのに必要な支援を提供する準備を整えています」と現実から逃避する話をしました。

これまで北が、核を放棄しない、核保有国として認めろ、と粘ってきた経緯は説明の要らない事実です。繰り返しこの対談で指摘してきたことですが、そもそも「6者協議」は、北核の廃棄を追求する目的で始めた筈です。だが、その協議の最中に、金正日は2006年と2009年の2回も核実験を強行しました。この事実は韓国、日本、米国などの恥ずべき外交であり、安全保障面での大失態です。それなのに今また、「6者協議」を再開しなければならない、というのは何故なのかということです。

 

6者協議」で何を話すのか

 佐藤 ピョンヤンは「話し合いも戦争」と位置づけ、時間を稼ぎながらミサイルに搭載可能な核爆弾の縮小化を図ってきました。核武装こそ金氏王朝を護る唯一の活路という切迫した認識で 6者協議に臨んできている北に対して、韓国、日本、アメリカに必要なのは、北の独裁体制を本当に除去するという“決意”です。その決意をもって「中・朝の連帯」に臨まなければならない。ところが、それがないだけではなく、結果として中・朝に騙されてしまった。北に2回も核実験をさせた挙句、北の独裁者が死亡したら、またもや6者協議しましょうというのですから、気は確かかといわざるを得ません。

北は核を放棄するはずがないという認識は関係者の誰もが持っています。北が、「核武装は金正日の遺産だ」と宣言した以上、野田政権は「日本も核保有の準備に入る」と通告するために6者協議を再開する、というなら賛成ですが、そんなことは毛頭考えていないでしょう。だったら6者協議を再開して何を話し合うのかを国民に説明する義務があります。改めて説明を求めます。

かつて金日成は「われわれは核武装する意思も能力もない」とウソを吐きました。このウソと言うより「謀略」を、岩波書店の雑誌「世界」や「朝日新聞」、和田春樹東大教授ら「進歩的文化人」、社会党などが擁護してきたことをわれわれは忘れていません。騙される方が愚かなのですが、外務省は「6者協議」でなぜ失敗したのかを総括して、国民に対して説明する責任があります。

NHKが報道しなければならないのは、「北の悪辣さ」と「中国の策略」についてです。そしてそれに踊られた外務省の無能を批判することが公共放送の責務のはずなのに、逆のことをやっています。金正日が拉致を認めているのに10年が経過しても解決できないでいます。こんな状況に対しても誰も責任を取っていません。そして外務省はまたもや6者協議を口にして憚らない。これでは国のため戦わず給料ばかりを取っているということです。国の安全、国民の生命財産を守る意志のない外務官僚は、職を辞すべきです。

 

6者協議」は金正日を助け中国に利用されてきた

添付画像
 未だ6者協議を云々している人達は、これまでの自分の誤った主張や分析を正当化するため、客観的情勢を無視し、日本の世論を平壌や北京が望む方向へ誘導する無責任な主張を続けています。自分の主張が客観的に何を意味しているのか、分かろうとしていない不誠実な人達です。

過去の6者協議に即して言うなら、共産党一党独裁の中国をまともな普通国家と期待したアメリカや関係国の外交官たちが、金正日に重油などを支援し、野蛮的金氏王朝の延命を助けて来たのです。金正日が核ミサイルを保有することに決定的に手を貸してきたことは否定できません。リビアやシリアなどの独裁者を支持するのと同じ、歴史に対する反動、平和に対する反逆勢力です。

 

佐藤 なぜこんな馬鹿馬鹿しいことが繰り返されてきたかといえば、北の独裁政権にモノを与えれば、改革開放に誘導できる、「軟着陸」は可能である、と考えた人たちがいたからです。そんな間違ったことを言ってきた代表的人物が、韓国の金大中と盧武鉉、両大統領でした。それに加えてアメリカと日本の政府(小泉政権まで)でした。

 

野蛮と独裁に怯える韓国と日本

しかし、金正日政権は、改革開放どころか、核兵器を手にしてしまった。軟着陸論者たちの主張や分析が完全に誤りであったことは誰の目にも明らかになっています。それなのに李明博政権は、新年になって、無条件対話を北の独裁政権に提案しました。金大中や盧武鉉とどこが違うのでしょうか。要するに、独裁との闘争が恐いから南北対話とか、6者協議を云々しているだけです。この点に関しては、日本政府もオバマ政権も大差ありません。自分たちの臆病を隠すために独裁政権の延命に手を貸す、という無責任きわまりない話です。

 

 その無責任な対応による最大の犠牲者は、独裁政権下の北の住民たちです。最小限の基本的人権までも独裁集団に奪われた北の住民たちは、搾取収奪の末、餓死に追いやられ、政治犯強制収容所の中で殺戮され続けています。

この事実を、「6者協議」を云々している当局者も、「専門家」も見てみない振りをし、金正日が死ぬと今度は、「集団指導」などありえない空理空論のデマを振りまいて、国民をミスリードしています。彼らこそ卑劣で非人間的だと言いたい。なぜなら、金氏王朝との6者協議を続けることは、これから「金正恩体制」の確立や権力闘争の過程で行なわれる筈のおびただしい粛清と虐殺に韓・日・米も結果的に手を貸すことになりかねないからです。

 

エゴとの戦い

佐藤 このような非人間的な者が一部政治家、一部「専門家」だけなら救われるのですが、現実はそうではないと思います。今回の大震災で色々な救援活動が展開されていることは評価されることですが、どこか足が地に着いていない、危うさがあるという不安を消すことが出来ません。

例えば、瓦礫処理についてです。政府が被災地の瓦礫を調べて放射能汚染の心配がない、と言っているのに、瓦礫を引き受けているのは全国で、東京都だけです。汚染された土砂を引き受ける自治体は皆無であるのに、世の中では“絆”が喧伝されています。しかし、その中身を一皮剥けば、協力とは「自分に被害が及ばない範囲」という“エゴ”が露呈したことでした。それは沖縄の基地問題にも表れています。沖縄県民の犠牲で日本国民が身の安全を図っている、というエゴを沖縄県民が感じないわけがありません。エゴイズムとの戦いなしでは何も解決しないのです。韓国もアメリカも事情は似たりよったりです。

このエゴの拡大したのが6者協議だと私は思っています。ですから、核軍縮を話し合っている最中に、独裁政権に2度も核実験されても、誰も責任は取りませんし、取れという声も上がりません。逆に6者協議や日朝交渉をやれという声が多いということは、無責任な国民が支配的ということです。

わが身に被害が及ぶと分かったら、基地も瓦礫も引き受けない人間が圧倒的に多いということです。エゴイズムからは相互不信は生まれても、信頼関係は生まれようがありません。こんな日本にどうしてなったのかが、実は最大の問題なのですが、論旨が拡散するのでここでは触れません。

 

 北側の戦略は、最初から核ミサイルを持つことで韓国を人質にとって金氏王朝の安泰を図ることでした。韓・日・米は、北側の肩を持つ中国の姿勢がはっきり分かった段階でターゲットを中国に変えるべきでした。中国当局の理不尽な姿勢の根源には、言うまでもなく個人の自由と安全の拡大という普遍的価値への抵抗があります。

日・米・韓は、北に核の破棄を強いると同時に、自国の覇権追求のため核を持った野蛮的暴圧体制を利用している共産主義の中国を抑えなければなりません。自由世界の大勢の人々は独裁や野蛮を恐れます。独裁と野蛮の犠牲者になっている人々を見棄てる人は、やがて彼自身も独裁と野蛮の犠牲者になります。

だから、われわれは独裁政権や中国の覇権主義との戦いを放棄することは出来ません。
2012/01/24 23:11 2012/01/24 23:11

洪熒(20111210)

 

添付画像
(*北韓人権週間行事の国際セミナー(2011.12.10、都市センターホテル)で韓国からの参加した張哲賢氏の報告へのコメントとして用意したものです。)

今、金正日体制をどう捉えるべきかの問題で貴重な証言を聞きました。張哲賢さんは多くの脱北者たち、いや北韓住民の殆どが知り得ない秘密をわれわれに教えてくれました。張氏の発表()の中で金正日の対日基本姿勢や対日工作、特に心理戦(政治戦争)に触れた部分と関連して私の所感を4点ほど申し上げます。

 

以前ソウルで張さんに会ったとき聞いた話を思い出します。張哲賢さんは北を脱出して韓国に来たら、自分が生きてきた北韓とは全く違うもう一つの北韓があることに驚いたと話しました。つまり、世の中には二つの北韓が存在するということです。

韓国(自由世界)の北韓や「北韓学」の専門家たち‐主に「北韓学」教授たちですが、彼らが作り上げた架空の北韓、つまり観念論の中の「偽者の北韓」が存在し、しかも自由世界の多数の人が脱北者たちが言う北韓より、「悪魔が支配する生き地獄」を社会主義と美化した「北韓学者」たちが作り出した「偽者の北韓」の方を信じることに愕然とし、憤怒しているという話でした。

張さんだけでありません。多くの脱北者が嘆くことは北から来た自分たちの話を信じてくれないということでした。

 

小泉総理の平壌訪問は9年前のことですし、金正日の当時の目論見は失敗しましたが、今後金正日体制はもちろん、金正日のような野蛮な独裁者を対する時に非常に有用な情報だと思います。今の張さんの短い発表を通じて、われわれは「北韓学者」類のいわゆる専門家などは到底分からない、分析できない平壌の事情(秘密)が分かります。金正日体制の体質や行動基準、行動マニュアルなどを垣間見ることができた気がします。

 

私がまず注目したのは、金正日は「外交も工作である」と言いますが、対日主導権、いわば「対日政策」の立案や推進が外務省から対南工作機関(統一戦線部)に移管されたという点です。これは平壌側が対米交渉では外務省が前面に出していることとは明確に対比される点です。

米国は平壌に対して工作機関の排除を要求して貫徹しました。反面、韓国と日本は「実権を持っている労働党」を好み相手にして、アメリカの姿勢とは明確に違う。戦略的観点から、協商のルール作りという面で北側の言い分を呑んでいいのかということです。と言うのは、金正日が指定する北側の窓口はまさに工作機関だからです。

 

特に、看過できないのは、日本政府を圧迫する目的で、メディアを動員した対日宣伝扇動を強調したこと、統一戦線部が朝総連と対南・対日心理戦基地を動員した対日心理戦を展開したという件が私には引っ掛かります。これは日本国内の内応(裏切り)勢力の存在を前提としているからです。金正日が「朝総連の地位と権威」を強化するために、日本側に朝総連メンバーの(北への)自由往来解決を求めたのは、朝総連こそまさに日本内の最大の工作拠点・基地であるからです。この朝総連に対して民主党政権は朝総連高校への授業料無償化を進めているから、ただ呆気にとられるだけです。

 

金正日とその家来たちが、(金正日の拉致を認めた表明後)日本側の強力な追及を予想していなかったと言われますが、それは独裁()側が自由民主主義の強さへの理解が足りなかったという側面も確かにありますが、実は、東西冷戦時代から、金正日は「日本の世論」も朝総連や社会党から自民党左派まであらゆる親北勢力を動員して北側が望む方向に日本の世論を引張ることができたという自信や慢心から間違った判断になったではないか、とも考えられます。

 

そして、金正日体制では基本的に党の中に内外の諸般の情勢を総合的に分析し、戦略や対策を真剣に練る組織とシステムが存在していることを忘れてはならないと思う。これは善し悪し(よしあし)は別にして、必死に敵に勝とうとする、敵を騙そうとする部分が存在するということです。北側の機関や人間はなぜ必死になるのか。野蛮的な金正日体制の下では金正日の方針を貫けず失敗すれば問責程度で終わらないからです。

普通は常識や論理が中心の方と必死の方がぶつかると当面は必死の方が必死じゃない方を圧倒するのが当然です。極言しますと、サラリーマンと自爆も辞さない戦士の対決に喩えられるでしょうか。南・北関係や日・朝関係では、必死の方が「間違った価値やシステム」で動いていたことが幸いだっただけです。つまり平壌の一種の「NSC」が韓・日のNSC(*そもそも日本にはNSCは存在しませんが)より必死の姿勢では勝っていたと言えよう。

 

北側は核武装を通じて戦略的目標を達成しようとしています。いや、アメリカと自由世界に敵対する国々へ核やミサイルを拡散させています。

反面、日本は世界的規模の対テロ戦争への協力を表明しながら、一方では「戦後処理」という「形式論理」的課題のため、地球上で最も危険な不良国家、文明社会で代表的な失敗国家、「ならず者国家」を持続させ、この「ならず者国家」と国交正常化の機会を窺う矛盾した態度を取っています。金正日は、日・朝首脳会談は前払いを条件にせよと言ったというのに、今年も日本の総理が平壌訪問を密かに検討したという報道がありました。日本の政治家の中ではこの危険極まりない「金氏王朝」との国交正常化を主張する人々が少なくありません。

 

今年、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンなどのアラブ社会の独裁体制が崩壊しました。日本(日本社会)はこういう国々の「民主化」を歓迎しました。アラブの春は、独裁体制との「対話」でなく、多くの尊い命、多くの犠牲を払って勝ち取ったものです。

テロとの戦いとは、観念論でない現実の中ではカダフィやウサーマ・ビン・ラディンを殺すことです。金正日ほど悪辣・危険でもない(?)独裁者の退場は歓迎しながら、オウム真理教のテログループには死刑を宣告しながら、金正日体制の世襲は認めるのは矛盾ではないかと言いたいです。金正日に虐殺された数多くの犠牲者たちは復讐を望んでいるのに、金正日を自由世界が支援すべきだと思いますか。金正日への最大の復讐は、奴隷の状況におかれている北の住民に食糧ではなく自由を与えることです。

 

張さんが今日ここで多くのことを話す余裕はありませんでしたが、張さんは韓国に来て金正日の悪魔性を告発する本を書きました。初めての本は「私の娘を100ウォンで売ります」という詩集です。北の90年代の大飢饉、いや金正日による虐殺の時の惨状を書いたものです。日本語にも翻訳されました。その他に叙事詩の「金正日の最後の女」という金正日のもっとも隠密な私生活に関する告発と、今年は「詩を抱いて江を渡った」という自身の脱出記を出しました。この脱出記は日本語版が間もなく出ます。張さんの言いたかったことがたくさん出ています。()

2011/12/12 14:06 2011/12/12 14:06

佐藤勝巳 洪熒(2011117)

 

佐藤 不幸なことでが、ソウル市長選挙(1026日投票)は、われわれの対談「韓国―自由と民主主義が危ない」(107)で、洪さんが予測した通り、「純血左派」朴元淳候補が当選しました。この選挙を通じ、洪さんの目に新しく何が見えてきましたか。

 

「純血左派とは何か」

添付画像
洪 親北左翼がソウル市長になったことは、盧武鉉が大統領に当選した時と同じほどの衝撃です。選挙の前は、朴元淳なる人物がどんな思想の持ち主で、「左派市民運動」の中でどういう位置を占めてきた人物なのか、そして、韓国の政治がどれほど危険なレベルに達しているのかなどが、さほど実感されず観念的に言われ勝ちでしたが、今回の選挙を通じて革命的「政変」の形ではっきりなりました。

まず、「純血左派」のことですが、一言で言えば、左翼運動においての純血主義です。つまり、彼らの言葉によれば、社会問題への意識を持ち始める若い時期から、「当局」に弾圧されながら闘争してきた「前歴」(*逮捕・投獄)を持っているのかどうかのことだそうです。もっと平たく言えば、自由民主主義や資本主義体制に敵対し、「外勢」であるアメリカを韓国から追い出し、南北の連邦制を実現するため体を張って闘争してきたのが「純潔左派」、要するに、金正日独裁を支え追従する勢力です。

この勢力は、決定的な契機が来るまでは各政党や社会団体、宗教など、既存のあらゆる権威を「宿主」として生き抜いて来ました。この「純血左派」がいよいよ彼らが長い間食い尽くした「宿主」から出て、新しい権力主体になると宣言しているような局面です。

 

佐藤 日本に例えて言うなら、政府機関、政党、労働組合、メディア、大学や研究機関など、あらゆる公共団体と組織に潜り込んで、政策、世論工作に関与してきた、日本共産党、旧社会党左派向坂グループが社会党を牛耳った手法と同質のものですね。

 

年間100億ウォン以上の集金力

添付画像
 朴元淳は、弁護士の肩書きを持ちながら「悪法は守らなくてもいい」という信念で「市民運動」をやってきました。彼はいわゆる「ソーシャル・デザイナー」(*言い換えれば革命家)を自任し、国家保安法撤廃、反米や共産主義の容認などを主張してきました。2008年のアメリカ産牛肉輸入反対の「狂牛病ロウソク暴動」を助長、支援した張本人の一人です。それで、左派の世界では大統領候補と囁かれるほどでしたが、一般の生活人には「市民運動に熱心な弁護士」程度に知られていませんでした。その人物がいきなりソウル市長に立候補したのだから、多くの有権者が、彼の本性をほとんど分からないまま投票に行ったわけです。

そして、今回分かったのは、彼が作った「参与連帯」、「美しい財団」、「希望製作所」などを運営するため、年間100億ウォン(7億円以上)前後の寄附金を集めてきた事実です。こんな巨額を何処から集めたのか、です。もちろん、財閥など企業からです。どうように集められたのか。彼自身が語っていることですが、お金をくれない企業は社会的に悪い企業にしてしまう戦略、つまり、企業の弱みを握り、これを暴露糾弾し、時にはデモを掛ける。そのようにして資金(寄付金)を集めたと言っています。

彼は外国企業からも「寄附」を受けています。日本との関係ではトヨタ自動車やトヨタ財団からも62千万ウォンをもらったことが確認されました。南・北の左翼勢力は今までトヨタ財団の資金をもらった右派学者を「親日派」と攻撃してきたし、朴元淳自身がはあの「親日人名辞典」を作った「歴史問題研究所」の理事長を務めたこともあるのに、です。こういう破廉恥な偽善からも彼の職業革命家としての本性が分かります。

寄付金の募金や使い道は当局に報告するようになっていますが、彼の財団は法律に違反して報告もしていません。当局には報告されていませんが、あの「狂牛病ロウソク暴動」に50億ウィンを支援したと伝えられています。

 

典型的なユスリ、タカリ

佐藤 絵に描いたようなユスリ・タカリではないですか。北が落ちぶれる前は、金大中氏が日本に亡命しようとした1970年頃は、日本は景気が好調で、北や総聯が資金を潤沢に持っていましたから、手先らに日本経由で資金援助ができました。今は、金正日自身がカネに窮していますから、手先は現地で活動資金を調達しなければならなくなりました。それにしても仮にも弁護士の肩書きを持つ人間ですから、早晩、弁護士法違反などに問われることになるでしょうね。

 

「政変」と呼ばれる所以

洪 朴元淳のソウル市長当選を、思想は別にしても革命的「政変」と見られる理由は、二つの側面から説明できます。まずは、前述のように「純血左派」が民主党などの「宿主」から出て堂々と権力奪取に乗り出したという点です。つまり、既存の政党体制(ハンナラ党や民主党)が致命的な打撃を受けて崩壊し始めたということです。もう一つは、権力奪取の手法が、卑劣な嘘と煽動ではあるが、「ジャスミン革命」を可能にした、新しい情報媒体と大衆運動を結合して推進している点です。

要するに、従来の議会民主主義制度の前提でもある伝統的な政党政治を、ネットワークとムーブメント(運動)で一瞬にして崩す衝撃力・破壊力こそが「政変」であり「革命」と呼ばれる所以です。わずか2ヶ月前(ソウル市の住民投票)は投票ボイコットを煽動した左翼勢力が、朴元淳への投票は手段方法を問わず督励した。法律と選挙制度を選択的、恣意的に利用する狡猾さや悪魔性はボルシェビキ的革命家そのものです。

 

佐藤 ハンナラ党、民主党などは、自分達が「純血左翼」に今まで「宿主」として利用されて来たということに気がついているでしょうか。

 

洪 気がついている者は少ないと思います。気付いても認めたくないでしょう。今回のソウル市長選挙の結果を、議会民主主義を覆す「政変」と捉えているのは愛国勢力の内でも多くないと思います。

この「政変」は突然の出来事でありません。従北左翼は、盧武鉉政権が締結した韓米FTA(自由貿易協定)の国会での批准同意を4年間も物理的に阻止するなど国会の機能を麻痺させておいて、一方、街での暴力デモや大衆煽動、そしてネットでの世論操作などで国民の目に政府や国会、政治家の無能ぶりを徹底に印象付け、権力の奪取に出たのです。

私は、李明博氏が大統領候補になる前から、金泳三こそ「左翼の宿主」で、金泳三政権(19932~982)からは朝鮮労働党の影響下にある勢力が本格的に権力中枢に根を下ろしたと「現代コリア」誌などに書いてきました。

 

佐藤 金泳三を左翼の「宿主」と呼んだのは洪さんが最初だったと記憶していますが、金泳三、金大中、盧武鉉、李明博と「純血左派」と全く戦わないどころか支援する政権が続き、ついにソウル市長を彼らに握られ、それすら気がついていない韓国の政治状況は、日本の深刻さと質が違うように思います。

 

敵にカンパしてきた大統領

添付画像
 そもそも李明博政権やハンナラ党は保守でも右派でもない、と繰り返し言ってきました。今回、「純血左派」の全面浮上で李明博大統領の致命的問題がより鮮明になりました。朴元淳は、「参与連帯」「美しい店」「美しい団体」「希望製作所」などを作りましたが、李明博大統領は、ソウル市長当時4年間の給料2億ウオンを全額「美しい財団」に寄付しました。李大統領は今も従北左翼を周りに多く置いています。恐ろしい話です。

李大統領は、金日成が最も可愛がった尹伊桑(音楽家、ドイツ国籍の北工作員)を記念する財団の代表発起人で、同じく金日成が可愛がった黄皙暎(小説家)をはじめ歴とした左派を大統領直属の「社会統合委員会」などに多数布陣させている。この人事に代表されるように法治は放棄、左派との妥協が「純血左派」の全面登場を招いたと言っても言い過ぎではありません。

 

佐藤 「美しい店」とはなんですか。

 要するに寄附やリサイクルショップです。

 

佐藤 日本から北朝鮮に沢山の古い自転車や自動車が廃棄物とて送られていました。北の軍が、再生して高い値段で、中国やロシアに売って、利益を手にしていましたが、朴元淳などの「美しい店」がやっている活動内容や狙いはどういうものですか。

 

洪 全国に130以上の店舗を持ち、リサイクル運動や貧困層への支援、寄附などを標榜し社会各層を網羅する巨大組織です。健全な市民運動の形を取っていますが、社会変革運動のためのインフラにするというのが隠れた狙いです。教会などからモノをただで集め、販売して資金を集めており、多くのボランティアが参加してします。

 

佐藤 3年前の「狂牛病ロウソクデモ」も企画・指揮したと知られる「参与連帯」は権力を監視すると言い、大企業への監視、告発を集中的に行なってきたと聞きましたが、日本ならさしずめ「総会屋」と言えるものですね。この組織が、企業の弱点を調べ、先ほど話のあった恫喝をして「美しい財団」が資金を集めるということのようです。トヨタ自動車やトヨタ財団がカンパしたのは、背後に何があったのでしょう。不思議であり、大問題と思います。菅直人前首相も過激派崩れの「市民の党」などに巨額のカンパをしていますが、あのカネは菅直人の個人の金ではなく、国民の税金です。あのカネの行方を断固究明しなければならないと思います。

 

希望製作所の日本支部「日本希望製作所」

洪 「日本希望製作所」というNPO法人をご存知ですか。ソウル市長になった朴元淳が作った韓国の「希望製作所」の日本支部です。2007年に設立されました。理事長は町づくりプランナーとして有名な林泰義氏、事務局長は韓国の慶熙大学に留学した桔川純子氏です。「日本希望製作所」の事務所は民主党の菅直人グループの大河原雅子参院議員の事務所の中にあります。菅直人前首相は平壌に亡命中の「よど号」拉致グループと関係のある「市民の党」の酒井剛との繋がりが指摘されましたが、「日本希望製作所」事務局長の桔川純子氏は、関係者の間では、日本内の親北人脈との深い関係が言われています。

 

佐藤 昔、日本は北にとって韓国を赤化統一するための工作基地でした。ところが最近は、韓国の「純血左派」が、日本の「左翼崩れ」や「贖罪派」などを組織し、指導している構図ですな。この流れからすると菅直人氏の朝鮮学校授業料支援審査再開指示、正体不明の大口カンパなどは、どうしても気になります。北の対日工作が韓国経由で始まった極めて注目すべき動きではないでしょうか。

 

「野田佳彦お前もか」

佐藤 いまひとつ理解し難いことは野田内閣の李明博政権との「通貨スワップ」です。1019日、野田首相は突然韓国を訪問、日・韓が外貨支払いに窮したときは、お互いに助け合う「通貨スワップ」を約束しました。中身は、日・韓は700億ドル(53000億円)応援しあうというものです。

日本政府は対外債務の支払いができないことはありません。また、日本の銀行は韓国の銀行に殆ど貸し付けていませんから、仮に、韓国が債務不履行に陥っても、直接には損もしません。韓国の銀行の借入先の半分はヨーロッパの銀行からです。ヨーロッパの銀行は、金融不安に見舞われ一斉に自己資本強化のため韓国、中国から資金引き上げを行っています。従って韓国金融界はドルを必要としています。李明博政権が韓・米通貨スワップを推進し、中国とも韓・中通貨スワップを拡大(1026)した背景にはヨーロッパの金融不安が韓国を直撃しているからです。李明博政権は外貨不足でドルの緊急確保対策が必要だったのが分かります。

問題なのは、李明博大統領は、果たして日本との良い関係を望んでいるのかが疑問です。北の手先「美しい財団」に 2億ウオンも寄付し、今だに反省せず親北・反日勢力を周りに置き、金大中、盧武鉉も口にしなかった「慰安婦」問題の外交交渉を言ってきました。反日左翼の典型な言動ではないのか。野田内閣は、どうして李明博の反日言動には何も言わず、救いの手を差し延べなければならないのか、です。野田氏は人間関係の初歩的な作り方も知らない。これではなめられるに決まっています。

添付画像
EUの通貨不安は、中国も直撃、中国経済のバブルは崩壊を始めました。再三われわれの対談でも言及してきましたが、中国が崩れたら金正日政権はひとたまりもありません。朝起きてみたら韓半島の風景が一変していたということは益々現実味を帯びてきています。

 

洪 李明博大統領はもはや植物政権化してリーダーシップなど期待できません。韓・日の通貨スワップは、任期のある政権の次元でなく、アジアの自由民主主義大国としての両国のこれからの世界戦略上必要であり望ましいことです。

左翼が今回首都権力を手に入れましたが、当選が免罪符ではありません。学歴詐称から贅沢な私生活、恫喝まがいの方法の資金集めや不透明な使い道など、朴元淳市長はこれから色々な欠格事項や違法行為が法廷で明らかになります。国民多数が朴の偽善と危険性、反逆的思想や言動が分かるようになれば、左翼は大きな逆風になります。一寸先は分かりません。

 

戦いはこれからだ

佐藤 北指導部は朴元淳のソウル市長当選を支援し喜んでいますが、むしろ墓穴を掘ったのかも知れません。自由と民主主義社会の言論、世論、批判というものを個人独裁社会の平壌では理解できません。日朝交渉の中で金正日が拉致を認めるという「誤り」を犯したのは日本の世論の力に対する無知からでした。

煽動や謀略でソウル市長になった朴元淳氏は、これから本格的に検証されるでしょう。日本の民主党の例でも分かるように、政権の座についたことで、ボロが万人の目に明らかになりました。今、総選挙をやったら民主党は悲惨な結果となるでしょう。「純血左派」が市長に当選したことが、彼らにプラスになるとは限らないと思います。愛国勢力の戦いいかんということではないでしょうか。

 

洪 韓国は、「左派の宿主政権」(金泳三)5年、「左翼政権」(金大中・盧武鉉)10年、そして「中道と左翼の連帯政権」(李明博)38ヶ月を経、韓国の地で健全な常識と法治が破壊されました。

韓国の愛国保守勢力は国家の正常化はもちろん、自由統一で北を解放するため戦う覚悟ですが、問題は、法治を放棄した李明博の無定見と卑怯さのために余計な犠牲を払うようになることです。法治が崩れると政変や動乱が来ます。法治(自由民主主義)を回復させなかったがために、血を流さざるを得なくなったら、その罪と責任は李明博大統領とハンナラ党指導部が負うべきものです。了

 

2011/11/08 18:38 2011/11/08 18:38

                                        洪熒 佐藤勝巳(20111004)

 

 

佐藤 今、世界は恐慌に突入するのではないかと戦々恐々としています。韓国の財政状況も危機に見舞われていますが、税金を使う学校給食の無償化などといっておられる情勢ではないと思いますが、1026 日投票のソウル市長選挙は、左翼候補とハンナラ党の候補とどちらが有利な戦いを進めていますか。

 

ソウル市長選挙

添付画像
 左翼の統合候補が決まりました(103)。李明博政権が出帆した直後、狂牛病騒動などといって蝋燭暴力デモの馬鹿騒ぎをした、左派市民団体の始祖的存在である朴元淳弁護士(*右写真)です。彼は大学時代から反体制の運動家で、革命を夢見てきた左翼のイデオログーであり、国家保安法撤廃論者です。折り紙付きのプロの革命家です。

添付画像
他方、ハンナラ党・保守陣営の市長候補も判事出身の羅卿瑗議員(*左写真)に決まりました。ハンナラ党に対抗して「在野保守勢力」が独自の候補を出しましたが、ハプニングに終わりました。「在野保守」が急遽立てたのは李石淵弁護士でした。李石淵弁護士も元々は左派の市民運動家出身ですが、盧武鉉政権が首都をソウルから移転しようとした時、憲法所願を通じて憲法裁判所から違憲判決を引出し首都移転を阻止したことで有名になった人です。

現李明博政権発足後、法制処長(*次官級ポスト)2年間務めました。だが、彼の法制処長としての職務遂行はすごく平凡な印象でした。と言うのも、金大中・盧武鉉政権下で憲法に違反した法律を沢山作りましたが、彼は法制処長としてそれを改正・撤廃する作業をほとんどしなかったからです。李明博大統領が左翼反逆勢力との闘争をやらなかったためにそうだったかは知りませんが反憲法的法律の整備はほとんど行なわれませんでした。「在野保守」は未熟にもこういう人をまともに検証もせず推薦したのですが、彼は自分の支持率や当選の可能性が低いということで929日にあっさり候補を辞退して「在野保守」に恥をかかせました。このハプニングで「在野保守」勢力は一層の挫折感を味わいました。

 

佐藤 それは困りますね。

 

 非常に困りますが、「在野保守」は普段から組織化されていなかったため即応能力の不足が露になったのです。私に言わせれば、今回もどうせ最初から「次悪」の選択でした。李明博大統領の政治的スタンスとよく似ています。

そもそも、日本ではコリア問題関係者に「今のハンナラ党は保守でない」といくら説明してもなかなか理解してもらえません。たぶん「韓半島冷戦」の実状や韓国社会の内戦的状況への理解が足りないためではないかと私は思っています。

 

ハンナラ党は保守ではない

佐藤 李明博政権は、盧武鉉、金大中と違い北の核廃棄と援助をバーターにし、この政策を維持し、援助はしませんでした。この点は金、盧左翼政権と明白に異なるという評価が私を始め日本人関係者にあります。いまひとつ、李明博・ハンナラ党は「社会統合」とかを云々しながら、韓国内の北の手先などと戦わないため、本質的には金大中、盧武鉉政権に通じているという側面が日本人には見え難い、ということではないでしょうか。左翼と戦わないからソウル市議会を彼らに絶対多数派を許したのです。ドミノ現象が起きたら大変なことになります。したがって李明博・ハンナラ党は保守ではない、というのがジャーリストの趙甲済氏、洪熒さんのような韓国保守派の政治的立場だと思います。

李明博政権は、核問題では米、日と共同歩調を取り、内政では北に指導されている左翼とは戦わないいわゆる「中道政治」の弱点が、日本人コリア関係者にはよく見えていないし、韓国人にもよく分かっていないから、左翼の出鱈目な宣伝煽動に躍らせられて、左傾化が進んでいると言うことではないでしょうか。

先のソウル市の住民投票では、ハンナラ党は投票をボイコットした野党や左派と戦わなかったと言うことですが、市長選挙では選挙運動をやっているのでしょうか。

 

亡国のハンナラ党

添付画像
 左翼は一生懸命ですが、ハンナラ党は未だ組織的な選挙体制すら整っていません。羅卿瑗候補が個人的に奮闘しているような状況です。特に、ハンナラ党の中で大衆的知名度が一番高く最有力大統領候補である朴槿恵議員(*右写真)は、首都ソウルの市長選挙で自分の党の候補が勝利することには関心も無いように行動しています。当然、今のところ左翼候補が優勢です。

 

佐藤 ハンナラ党はなぜ動かないのですか。

 

 ハンナラ党は街に出て活動しません。それでは屋内で青年や若者たちを対象になにかかしているかといえば、ここでも本当に何もしていません。仮にも政党と言う以上次の世代作りが必要です。世界中の政党は青年や婦人部育成に力を注いでいます。ハンナラ党は全く何もしていません。左翼は全教祖(教員組合)、その他の労働組合などを通じ、学生や組合員を訓練、洗脳しています。街頭にも出て宣伝活動を積極的に行っています。政権を取ってから3年半間ハンナラ党がやったこととは、李明博につくのか、朴瑾恵につくのかという党内抗争に明け暮れしてきただけです。

 

佐藤 自民党が民主党(小沢一郎氏)に敗北したのはハンナラ党と似たところがあるからだと思いますが、それにしても韓国は分断国家ですからね。ハンナラ党はなぜそんなに劣化したのでしょうか。

 

豊かさに敗れた日本と似ている

 分かりません。ドルやユーロの信用不安、北韓の危険な動向などに対して危機感は愚か関心すら持っていないように見えます。教育の現場を左翼に握られているのに、韓国は自由民主主義の国だから政府が国民を民主主義者に育てている筈だから、自分達を支持すると思っています。未来へのビジョンどころか、恐ろしいほど現状を誤って捉えている認知症の政党です。総体的な機能不全、要するに、今のハンナラ党は政党としての寿命が尽きたと私は見ています。救いようがありません。

 

佐藤 お話を伺っていますと韓国と日本は同じなのかどうか分かりませんが、1970年代日本の経済が高度成長に入ると、国民から怒りが消えてゆきました。多くの国民の目は個人の幸せのみに傾斜、労働運動、反体制運動、学生運動は急速に衰えていきました。そして無気力で身動きできない集団と化した「豊かさに敗れた」のが現在の日本姿です。ハンナラ党の現状は70年代の日本の左翼運動と似ていますね。しかし、韓国が深刻なのは日本と違って、北の独裁ファッショ政権が虎視眈々と韓国併呑を狙っていることです。ハンナラ党が駄目なのは、金正日政権と戦い、韓国内の金正日の手先と断固として戦わなければ韓国が北のファッショ体制に組み込まれるという生存本能が決定的に欠如していることです。韓国の左翼は、北の別働隊ということが分かっていない、危険極まりないです。

 

 だから私はハンナラ党こそが主敵だと言ってきました。このままハンナラ党が選挙で負けるだけなら自業自得ですから仕方ありませんが、しかしハンナラ党は金正日と戦わず、その上なんでもかんでも無償(福祉)などと大衆を扇動している左翼とも戦わず、「われわれは石頭の右翼とは違う」と、左翼に媚びることで国を滅ぼしにかかっています。左翼と何も変わらない、国の長期的安全保障の観点から見ると大韓民国の敵なのです。

 

6者協議」再開は難しい

佐藤 また、中国の自分の「国益」から6者協議をやろうという動きが顕在化していますが、この2人の対談で何度も指摘してきたことですが、金正日政権が核を放棄することはありえません。アメリカは散々騙されてきましたから、共和党ブッシュ政権よりも民主党のオバマ政権の方が、金正日に対して厳しい態度に終始しています。

昨今の国際的最大の関心事は、EUの通貨不安に端を発し、経済恐慌に突入するのかどうか、世界のリーダーたちがそれの回避に奔走していることです。6者のメンバー中国、ロシア、アメリカ、韓国、日本の財政赤字を合計すれば天文学的数字になります。詐欺師相手の6者協議など考えている暇がないのが現実です。仮に、当面何らかの措置で経済恐慌を回避できたにしても、アメリカ、ヨーロッパの経済の停滞は中国、インド、ブラジルなどの新興輸出国への影響は避け難く、中国の不動産バブルが弾けたら大混乱が起きます。大情況からいうなら、6者協議の再開は客観的に困難というのが私の見方です。

 

通過儀礼の南北接触

添付画像
 北側と韓国内「従北勢力」らから執拗に攻撃されてきた玄仁澤統一部長官が退任した2日後、北京で2回目の南北接触(921)がありました。報道では双方の間に正式の会談用のテーブルもなかったそうです。丸い小さなテーブルが置かれた懇談会のようなものであったと言われています。つまり、南・北の接触は米・朝接触のための要式行為、通過儀礼でした。

北側は核開発施設や核弾頭の放棄に繋がる会談などは韓国とやる気は全くなく、金氏王朝の独裁体制の維持を保証する「6者協議」再開への環境整備という儀式と捉えていることがよく分かります。先ほど仰った通り外交史において世紀的詐欺劇と言える「6者協議」は、再開される形が取れるだけでも国連安保理の対北制裁決議が心理的に無力化されますから、中国と平壌側には大いにありがたいものです。

最近、北側がキッシンジャー氏の平壌訪問を要請したという報道がありました。狙いはまずは金氏王朝の権力世襲を認めてもらうことだと思います。独裁者たちが国際的に名の知られた指導者や策略家たちの虚栄心を刺激、利用する手法は歴史の中でよく見られます。

問題は韓国、李明博大統領です。セールスや工事の受注などが得意な彼は、ロシア産天然ガス確保という「実用的」名目でロシアを入れて南北関係の突破口を開きたいという思惑があるのではないかと見られています。仮にも、一国の最高権力者が目前の「実用的」利益を国家安保より優先させるくらいの没概念の持ち主ならその国の安保は本当に危ういと言うしかありません。

 

佐藤 6者が開催されなかったら、来年「強盛大国」を云々している金正日政権はどうなるのかです。確かに日本も韓国も国内政治は大変なのですが、金正日政権も容易ではありません。問題は中国の動向です。昨年末から始まった改革を求める「アラブの春」がいつ中国に波及するか今回のEUの信用不安が中国の土地バブルにどんな影響を与えるのか。中国が揺れだしたら、金正日政権及び韓国の左派もひとたまりもありません。東アジアも水面下では何が起こるか分からない緊迫した情勢にあると見ています。

日本政府や民主党政権は、果たしてこれからの状況にどれほど対応できるだろうか。気を揉んでいますが、最近、日本人拉致に関係した「朝鮮労働党」工作機関の幹部を国際手配した警察庁がせめて日本のプライドを護っているような気がします。

2011/10/05 16:51 2011/10/05 16:51