李栄薫(李承晩学堂校長)
 
 今日、この国は政治、経済、社会のすべての方面で危機です。いつ可視化するか分からない潜在的な危機状況です。1998年の外貨支払い不能の国家不渡り事態のときすべての国家経済が深刻な危機を経験しました。そのときのような破局が近いうちにまた襲ってくるのではないかという危機感が韓国人の皆を憂鬱にしています。

 韓国経済は活気を失って久しいです。企業の投資が萎縮しています。零細自営業の没落が深刻です。青年たちの失業はもっと深刻な状況です。政府は、このすべての結果を十分に予測できる悪性の、分配志向の、規制一辺倒の政策を固執しています。

 政治はもっと暗鬱です。われわれ自由市民は2年前、大統領の弾劾という途方もない政治的変事を経験しました。その変事を振り返ると今も精神が昏迷してきます。大統領がどういう大きな過ちを犯したのか、果たして賄賂を受けたのかが明確でなかっただけでなく、仮にそうだったとしても、それが弾劾の事由になれるのかも納得できません。弾劾に成功した勢力は、彼らが政治的に勝利したと信じています。それで十分で、正当だと叫んでいます。弾劾が判決された日、国民の半分は祝杯をあげましたが、残りの半分は弾劾に対して悲痛の涙を流しました。国民の心はずたずたになりました。これは今後、何年も続く途方もない政治的葛藤とそれに伴う破局を予見しています。

 新しい執権勢力は、北韓の3代世襲王政に対して宥和政策を取ることで北韓の核脅威を解消し、さらに民族の統一を成就できると信じています。「わが民族同士」というスローガンが理念と体制の違いから発生する葛藤と対立を封鎖できるものと楽観しています。それは迷信であり幻想です。

 彼らは大韓民国の建国に抵抗するか、批判した政治勢力の系譜を受け継ぐ者たちです。彼らは1980年代までも暴力的な民衆・民族革命を追求した勢力です。彼らは、韓国が先進経済の隊列に進入し、社会主義の国際体制が失敗するや、彼らの革命路線を平和統一というスローガンで偽装し、彼らの政治的影響力を伸ばしました。ついに執権に成功した彼らは、長年の彼らの夢を実現するため急いでいます。その結果、わが国の将来にどのような災いが待っているのか、私たちは恐ろしい気持ちです。

 私は長い歴史の観点から、この国の昨今の危機的状況を眺望します。それは決して見慣れないことでも、新しい現象でもありません。以前からずっと存在したもので、ついにわれわれが恐れるほど可視化しただけです。危機の根本的な原因は、外でもなく、自由と独立の精神、その理念の欠如です。自由は何ですか。大多数の韓国人はそれについて学んだことも、考えたことも、実践したこともないのが自由です。自由と独立は、他人の干渉と圧力を受けない状態を意味しません。自分が言いたいのを発表し、自分が書きたい通り出版し、自分が集まったい通り集会し、自分が信じたいことを信仰するといって自由人になれるものではありません。それらは法で規定された自由の形式であるだけです。

 自由と独立の精神は、勤労し貯蓄し分業し交換し競争し開放し通商することです。自由と独立は結局、文化です。小さな村に閉じ込められては、大国であれ小国であれ、ある国の国境内に閉じ込められては、外の世界を知らず、他の地方と他の民族と他国を排斥し、それに敵対する人間なら、真の自由人と言えません。自由は世界に向けた冒険であり、世界を舞台にした通商であり、世界と競争する学問と科学です。

 このような自由と独立の精神を韓半島で最初に悟り自由の旗をあげた人は、われわれの建国大統領の李承晩です。1904年、漢城監獄の中で、青年李承晩が『独立精神』を著し同胞に伝えた自由と独立の精神がそうでした。この国がどうして今にも息が止まる状況に至ったのか。自由と独立の精神を知らなかったためだ。数百年間、門戸を閉め、自分のものだけが一番と思い、井戸の中の蛙のように広い世界を知らなかったためだ。そのように守旧・姑息にこだわるうちに学問が停滞し、知識が退歩し、市場が萎縮し、生産が後退し、道徳が堕落し、嘘が横行して、いよいよ互い食い食われる阿修羅の世の中となってしまった。

 李承晩がかつて説いたその自由と独立の精神をまだ大多数の韓国人は分からないか、それに敵対的です。そのため、危機は潜伏した状態で連続してきたのです。崔南善先生が痛嘆しました。この民族 は滅びるにも失敗したと、です。1910年、大韓帝国が日本帝国に併合されてしまいました。全国民が団結して最後まで激しく抵抗し、ついに力が絶えて倒れたのではありません。衝撃が加わるや王室は王室なりに、両班は両班なりに、庶民は庶民なりに散らばってしまいました。つまり滅びるにも失敗したのです。抵抗した末滅びたわけでないため、なぜ滅びたのかも知り得ないのです。今日、韓国の歴史学は、朝鮮が滅びた原因は何だったのかも知りません。ひたすら強暴な倭が攻めてきて、われわれの美しい社会と文化を破壊したとばかり話すだけです。

 さらに崔南善先生の表現を借りれば、この民族は国を建てるにも失敗しました。どんな国が建てられたのかが未だ分かっていないためです。民族が割れたからこの国は誤って建てられた国と言います。韓国の国史学の主流が、われわれの建国史をそう教えてすでに一世代経ちました。民族統一が最優先だ、民族は永遠で理念は一時的にうねる波に過ぎない、そういう饒舌で建国を呪詛した政治家を高く仰いでいます。共産主義はわれわれが行くべき道でない、決して脱け出られないどん底だ、南韓だけでも先に生きてから北韓から共産勢力を追い出すべきだと主張したわれわれの建国大統領の李承晩はあらゆる悪口や罵りの対象になってきました。

 自由と独立を知らない大韓民国の精神史は依然として朝鮮時代にとどまっています。そのため滅びるにも失敗したその危機がまたやってこないという保証がどこにもないということです。ある国の政治と知性が自国の建国史を否定し批判すれば、その国はすでに滅びたも同然です。そのため危機はすでにずいぶん前発生し、成熟してきたというのです。

 いろんな国の歴史を勉強すれば、野蛮と文明の時代を区別するのが容易でなく、両者は長い間共存してきたことが分かります。文明の時代の象徴として国家が成立したというが、部族社会の特質を依然と共有します。歴史のある段階で文明のレベルが高くなって野蛮の上端、つまり部族社会の特質から完全に解放されます。人間社会が部族的象徴から脱皮し、科学と合理の世界へ進入します。そのような文明史的な経験をした国々が今日の先進国です。宗教改革以降の西欧です。幕藩体制下の近世の日本です。私は、韓国史でこのような文明史的な経験はなかったか不完全だったと思っています。

添付画像
 そのための精神文化の遅滞が、20世紀の韓国史を貫通してきました。20世紀に展開された韓国の近代化の歴史は、大多数の韓国人には無賃乗車の歴史でした。国が滅びるにも自分の責任をもって滅びず、国を建てるのも自力で建てなかったからです。近代文明の法、制度、機構は日本の支配と共にこの地に移植されました。そのような歴史であるにも、韓国が去る70年間、この程度の大きな成就を成し遂げたのは、李承晩と朴正煕大統領に続く創造的少数が、彼らの権威主義の政治が国を正しく建て、正しく基礎を築いたためです。自由と独立の精神をもって国を建て経営してきたのです。にもかかわらず、韓国人が歴史から受け継いだ遅滞され歪曲された精神史に大きな変化がありませんでした。

 ここで結論を言います。昨今、われわれを憂鬱にする危機の根源には、歴史以来古い、野蛮の上端に根ざした種族主義がそのまま位置します。種族主義は近代科学の合理的な精神世界と遠いです。種族主義の精神はシャーマニズムとトーテミズムに基づいています。種族主義の社会は、一挙手一投足が迷信と嘘でできています。何が真実で何が嘘なのかが区別できません。種族主義の政治は嘘の扇動です。種族主義の政治は、敵対種族の存在を前提とする呪いと警戒の連続です。

 私は今日、韓国の民族主義はこのような種族主義の特質を強く持っていると思います。人間は感情の動物です。どの国でも民族主義や国家主義の感情から完全に自由ではありません。民族の神話を生み出し象徴を操作します。そのように前近代の地方民を近代の国民として統合したのが民族主義の役割です。神話と象徴の操作が度が過ぎて、民族主義は他民族を侵略する帝国主義の論理となってしまいました。今日の米国、西ヨーロッパ、日本のような先進国では民族主義は昔の話になってしまいました。

 しかしながら、民族主義は歴史的に前近代の身分制や王政を否定し、民主主義と共和主義を高揚する肯定的な役割を果たしました。残念ながら、韓国の民族主義は、それに付与された歴史的な責務に失敗しました。国民を統合するよりも国民を分裂させました。国家の正統性を高揚するより、それを貶めることに没頭しました。韓国の民族主義は、先進国の民族主義が遂行した国民の統合という最小限の役割を果たしていません。それは韓国民族主義のもとをなす種族主義の特質のためでした。

 韓国の種族主義は、その国際感覚において不均衡です。日本に対しては無期に敵対的である反面、中国に対しては理解できないほど寛大です。中国政府が、中国に進出した韓国企業に不当な措置を取っても怒らないです。中国の指導者が、韓国はもともと中国の一部だったと言っても問題とせず過ごします。後進の中国を恰も世界をリードする強大国と錯覚します。500年間、中国を父の国として仕えた朝鮮王朝が残した文化的遺伝子であると思います。韓国の種族主義は反日種族主義と親中事大主義でできています。

 李承晩TVは、これから約40回のシリーズの講義を通じて反日種族主義を告発し批判します。韓国人たちが知っている日本が支配した時期の歴史が、それに対して憤怒する感情が、どれほど非科学的なのか、シャーマニズムとトーテミズムに基づいたものかをくまなく解剖し批判します。目下、司法府波動を招いた日本の労務者動員問題を取り扱います。数多くの朝鮮の青年たちが日本軍に志願入隊したその時代の実像をありのままに伝えます。日帝が食糧と土地の無限に収奪したという歴史学の通説がどれほど荒唐な主張なのかを暴露します。去る26年間、日本との外交を跛行させてきた日本軍慰安婦問題が、当時の公娼制度とどれほど密接な関連を持つかを隠さず究明します。独島が果たして朝鮮王朝の領土だったのか、その客観的な証拠があるのはあるかを果敢に分析します。

 私たちは、私たちが取り上げるテーマにいかなるタブーも認めません。この国は自由民主の国としての思想と学問の自由を保障しています。私たちはそれを信じて進みます。私たちは、大衆の憤怒を恐れません。真に恐ろしいのは、この民族の種族主義が結局、この国を失敗へと追い込んでしまう、その蓋然性が多い危機そのものです。視聴者の皆さんの積極的な批判と建設的な議論は遠慮しません。むしろそれは願ってもないことです。李承晩TVは開かれた心で対応します。視聴者の皆さんの積極的な声援を願ってやみません。

http://syngmanrhee.kr/

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  1. 金 国鎮 2018/12/31 11:33  コメント固定リンク  編集/削除  コメント作成

    2019年に向けて日本の朝鮮人が注意しなければいけない朝鮮半島の情勢は何だろうか?

    シリアでアメリカ・イギリス・フランスが撤退しました。
    アメリカはともかくイギリス・フランスは中東で初めて敗北しました。
    勝利はロシアの軍事支援を受けたシリア政府軍です。
    海外に逃れた数百万のシリア難民の帰還に向けてプーチンはメルケルに協力を要請しました。
    多くのシリア難民が無事帰還すれば世界は本当の事実を知ることになるでしょう。

    ロシアが来年新型の超高速ロケットの実戦配備に動くそうです。
    我々が日本の大手メディアによって喧伝されてきたアメリカの核戦力が無力化されるということです。
    トランプの言う中距離核ミサイル交渉の離脱はもはや無意味です。
    アメリカの誇る大型空母機動部隊はロシアに向けたいかなる軍事行動も取れません。

    中東で敗北したイギリス・フランスは東アジアで巻き返しを図ろうとしています。
    既にイギリスは今年自衛隊と共同軍事訓練を始めました。
    又、瀬取りを監視するという目的で東アジア近海に軍艦を派遣するようになってきました
    フランスはゴ―ンを通じて東アジアの利権に関与しようと必死であることが明になってきました。
    幕末に起こった武力による日本の内政干渉と酷似しています。
    彼らは利権に群がるハゲタカですがそれを隠しているのは日本の大手メディアです。

    朝鮮半島は来年正念場を迎えるかもしれませんが主役はどこまでいっても朝鮮人です。
    韓国人はそろそろムンジェインの正体に気付かなければなりません。
    北朝鮮軍と韓国軍を無視した南北の話し合いは政治ショーでしかありません。
    韓国は幸いにしてムンジェインのような無能な政治家が出てきても飢え死にすることはありませんが北はそういう状況ではありません。

    朝鮮同胞のために何ができるのかを日本の朝鮮人は考えなければなりません。

    中国の朝鮮族・ロシアの高麗人の協力が必要かもしれません。
    何よりも北朝鮮軍の反金正恩勢力の動向を正確に知ることが必要です。
    彼らが動ける条件は何かが問われています。
    韓国軍とロシア軍が合意すればロシアの北朝鮮の軍事侵攻も可能です。
    これがシリアで本当に起こったことです。

    プーチンと金正恩の間で話し合いは始まらない理由は金正恩がトランプを利用して
    朝鮮半島からロシアの影響力を排除しようとしていると思って間違いない。

    シリア難民の救出に動いているプーチンが北に今も残る多くの収容所を容認をしいる筈はない。
    これはトランプも同様です。
    日本の朝鮮人は北送された多くの在日朝鮮人の帰還に向けて努力が必要です。

  2. 金 国鎮 2019/01/25 17:23  コメント固定リンク  編集/削除  コメント作成

    最近NHKBSをよく見る。
    オリバーストーンのプ^-チンのドキュメンタリー。
    ウラジオストックの街の放送、アルマトイの街の放送、
    北海道のアイヌ人の放送、
    北朝鮮労働者の海外の実態の放送。
    韓国の脱北者の放送、
    そして戦後カラフトに残された日本人女性のドキュメンタリーを見ている。

    日本の敗戦後、カラフトで多くの日本人女性と朝鮮人男性が一緒になったようだ。
    彼女たちから出てくるカラフトの朝鮮人の話に耳を傾けている。
    彼女たちの話はすべて本当の話だ。
    彼女たちから聞こえてくる朝鮮人の話は私が戦後の日本の街で見てきた朝鮮人と重なってくる。
    懐かしい風景が蘇ってくる。
    私は何も言えない。

    彼女たちの話には政治はないが南北朝鮮・日本から聞こえてくるいかなる話より心に届いてくる。
    朝鮮人の思い出が次から次に頭から蘇ってくる。
    それは彼女たちが朝鮮人と運命を共有してきたからだ。
    彼女たちは日本の朝鮮人が戦後本当に必要としていた人たちなのかもしれない。
    素朴で愛情にあふれた言葉が身にしみる。
    彼女たち同胞の努力が報われる時がくることを切に祈っている。

    NHKBSの関係者の努力に敬意を表したい。