向こう見ずに平壌側が主張する‘低い段階の連邦制’で統一するということを初めて言った人は、金大中でも盧武鉉でもない文在寅だ。
趙甲済
民主統合党の文在寅氏は、大統領になったら大韓民国の法院が共産化統一方案であると規定した北韓式の連邦制統一方案の第1段階を推進すると言い放っている。
2000年10月6日、平壌の中央労働者会館で行われた‘高麗民主連邦共和国創立方案’提示20周年記念式典で、祖国平和統一委員会書記局長の安京浩(仮名:安炳洙)は以下のように報告した。ちょっと長いが重要な内容であるため引用する。文在寅氏が大統領になったら推進すると言い放った‘低い段階の連邦制’が果たしてどういうものかが分かる。
<高麗民主連邦共和国創立方案は、北と南が互いに相手の方に存在している思想と制度を認め容認する基礎の上で、北と南が同等に参加する民族統一政府を樹立し、その下に北と南が同じ権利と義務を持つ地方政府を置き、それぞれの地域の自治体を実施する連邦共和国を創立して、国の統一をなすことを基本内容としています。偉大な首領は、連邦国家の統一政府は最高民族連邦会議でその常任機構は連邦常設委員会であり、統一政府は北と南の両地域政府を指導し、政治問題と祖国防衛問題、対外関係の問題を討議、決定し、国と民族の統一的発展のための事業と北と南の間の団結と協力の実現を推進することになると仰いました。連邦を構成する地域政府らは、連邦政府の指導の下で全民族の利益と要求に合う範囲内で独自の政策を実施し、あらゆる分野で北と南の間の差を減らし、国と民族の統一的発展のために努力する義務を持つことについて明示されました。
連邦国家が実施すべき10大施政方針には、国家活動の全分野において自主性を確固として堅持し、北と南の間で多面的な交流と協力を実施する問題、中立的でかつ平和愛好的な対外政策を実施する問題など、統一国家の内外政策の基本方向らが具体的に明示されています。
しかし、わが国の統一を望まない外勢の操縦の下で南朝鮮当局者らが合理的な統一案を受け入れない実状のため、偉大な首領は1991年の新年辞で、連邦共和国創立方案に対する民族的合意をより容易にするために、暫定的には連邦共和国の地域自治政府にもっと多くの権限を付与し、将来には中央政府の機能をもっと高めていく方向で連邦制統一を漸進的に完成することに対する方案も闡明されました。この方案は結局‘低い形態の連邦制案’です。(中略)
北と南が互いの統一方案において、我々の低い段階の連邦制案と南側の連合制案が互いに共通性があると認め、今後この方向で統一を志向していくことに合意したことは、国と民族が分かれた以来、初めて統一方案と関連して北と南の間で達成された重要な成果の一つです。我々の低い段階の連邦制案は、一民族、一国家、二つの政府の原則に基づいて北と南に存在する2つの政府に政治、軍事、外交権をはじめ現在の機能と権限をそのまま持たせて、その上に民族統一機構を設ける方法によって、北南関係を民族共同の利益に合うように統一的に操縦していくことを基本内容としています。
北と南に二つの制度、二つの政府の共存に基づく連邦統一国家を創立するためには、それに抵触するあらゆる政治的、物理的障壁を除去する必要があります。(中略)。北南共同宣言を履行して新しい世紀の早い数年内に必ず祖国統一の偉業を達成しようとする民族の強い進軍の道は誰も止められず、戻すことも出来ません。(中略)。親の首領の遺訓を奉じて国の自主的統一をなし、主体の革命偉業を完成していく途上に、わが共和国北半部の人民の前には重くて栄誉のある課業があります。(下略)>。
文在寅が実現しようとする‘低い段階の連邦制’は、大韓民国の統一方案でなく北韓政権の統一方案だ。北韓政権は、<我々の低い段階の連邦制案は、一民族、一国家、二つの政府の原則に基づいて北と南に存在する2つの政府に政治、軍事、外交権をはじめ現在の機能と権限をそのまま持たせて、その上に民族統一機構を設ける方法によって、北南関係を民族共同の利益に合うように統一的に操縦していくことを基本内容と>しているため、この方式通りにやれば、大韓民国は‘南側地方政府’に格下げされる。地方政府が“政治・軍事・外交権をはじめ現在の機能と権限をそのまま持つように”なっても、国家でないことは否めない。反国家団体である北韓政権は、北韓地方政府の役割をする筈だ。低い段階の連邦制は、大韓民国を反国家団体のレベルに格下げさせることだ。南北韓の地域政府の上に存在する‘民族統一機構’が中央政府、つまり国家の役割をするが、その核心は北韓共産党と文在寅類の韓国内従北左派が占めるようになる筈だ。それでは、中央政府は事実上の共産党政権になるしかない。
連邦制統一案の目的は、北韓政権の最高規範である労働党規約に書かれた通り韓半島全体の共産化だ。
<朝鮮労働党の当面の目的は、共和国北半部で社会主義強盛大国を建設し、全国的範囲で民族解放と人民民主主義革命の課題を遂行することにあり、最終目的は全社会を主体思想化して人民大衆の自主性を完全に実現することにある。>
連邦制案は、この目的を達成するために作った‘1国家2体制’という偽装戦術で、赤化統一の妨げになる在韓米軍-韓米同盟-国家保安法を無くすための論理として利用している。
大韓民国憲法は、北韓を反国家団体と、北韓地域を大韓民国の領土と規定し、その北韓地域を平和的に自由統一することを国の義務として規定しているため、‘低い段階の連邦制’は、憲法1条(民主共和国)、3条(領土条項)、4条(平和的自由統一)に違反する。文在寅は大統領になったら北韓式の統一方案で憲法を踏みにじって、大韓民国を消滅させた後、共産化の初の段階を開くと公言している訳だ。
彼が思想的に盧武鉉よりもはるかに左傾的で危険である点を知らない人々が多い。向こう見ずに北韓式の‘低い段階の連邦制’で統一するという言葉を初めて言った人は、金大中でも盧武鉉でもない文在寅だ。大法院が何度も共産化統一方案だと規定した北韓式の連邦制の第1段階を推進すると言っている文在寅を大統領に選ぶことは、反逆の道を選択することだ。こういうことを国家的自殺行為と呼ぶ。
www.chogabje.com 2012-11-15 16:59