補欠選挙の大統領当選者の任期については実定法には規定がない。明確な立法不備だ。つまり立法上のミス・過誤だ。

                                  金平祐(弁護士・元大韓弁護士協会会長)

添付画像
 2017年5月9日に実施された大統領選挙で当選した文在寅の大統領任期は何年か。正常な大統領選挙の当選者と同様に5年かだろうか。それとも補欠選挙の当選者としての前任者(朴槿恵大統領)の残余任期だろうか。

  2017年3月10日、朴槿恵大統領を罷免する憲法裁判所の弾劾決定によって、大韓民国の大統領職が欠位状態になった事実、黄教安職務代行者が後任者の選出のための大統領選挙の手続きを公表し、選挙管理委員会が公職者選挙法上の補欠選挙を施行した事実は、その補欠選挙(大統領の地位の空白を埋める中間、緊急選挙)で「共に民主党」の候補者である文在寅が41.1%を得票して最高得票者として当選者となったことなどは明確だ。

  このように補欠選挙によって当選した大統領の任期は、当選日(文在寅の場合、2017年5月10日)から始まるのは公職者選挙法に明文規定があるため疑問の余地がない。ところで、任期の終了時点に対しては何の規定がないため問題だ。公職選挙法には国会議員や地方議員選挙の当選者の任期は前任者の残余任期という規定がありだけ、大統領選挙の当選者に対しては何の規定がない。韓国実定法には、大統領の任期に関しては憲法第70条に‘大統領の任期は5年とし重任することができない’という条項があるだけだ。

  ところで、この条項は大統領の任期に関する一般条項で、補欠選挙での大統領当選者の任期に関する条項ではない。もちろん、特別条項がないから一般条項が適用されるのではないかという反対解釈論もあり得る。しかし、補欠選挙は前任者が任期を全うするのができなかった場合、その任期の途中に行われる特別な選挙であるため、前任者が任期を全うした状態で行われる一般的選挙とはその選挙の性格が違う。それで、立法例としては補欠選挙の場合は当選者が前任者の残余任期を持つのが一般的だ。結局、補欠選挙の大統領当選者の任期に関しては実定法で何ら規定がない。明白な立法不備だ。つまり、立法上のミス・過誤だ。

  憲法や立法の不備があれば、憲法裁判所や最高裁で補充解釈して解決するのが一般的だ。ところが、大統領の欠位で行う補欠選挙で選出された大統領の任期について憲法と法律に何の規定がないからといって、大統領の任期を法官や学者が解釈して決定するのは話にならない。大統領や国会議員の任期は、法官や学者が勝手に解釈できる事項でない。特に、大統領の任期はそうだ。なぜなら大統領は国家の元首であり、国家の最高統治者であるためだ。もちろん、文在寅が自分の任期を自ら決めるのは言語道断だ。

  ではどうすれば良いのか。大統領の選出権者である国民が任期を決めるしかない。つまり国民投票で決定するしかない。参考に、国民投票をするなら私は、国民の一人として残余任期説を支持する。その理由はこうだ。

  まず、1972年の憲法に補欠選挙で当選した大統領の任期を残余任期と規定した。つまり立法的な先例がある。第二に、公職者選挙法に国会議員など他の公職者たちの補欠選挙の当選者は残余任期と規定している。同じ選出職であるため、同じ原理が適用されるのが普遍性の原理に符合する。

  第三に、米国など他の国の場合、大統領の欠位のときは副大統領が大統領の残りの任期を務める。韓国で大統領補欠選挙は、副大統領制度がないため生じた問題だ。したがって、外国の副大統領のような任期を持つのが、同じ事案は同じく取り扱うという法の原理に符合する。

  第四に、残余任期として解釈しないと補欠選挙のたびに大統領選挙の日付が変わって憲政に混乱がもたらされる。これは可能な限り国家に被害が少ない方を選択するという経済性の原理に符合する。最後に、補欠選挙は予定された定期的選挙ではなく、緊急に行われる臨時の選挙であるため、通常の選挙とは任期に差を置くのが公平だ。これは公平性の原則に符合する。

  私は主張する。文在寅は国民投票を実施して国民に自分の任期を問わねばならない。それとも朴槿恵大統領の残余任期である2018年2月24日に退陣せよ。

  2018年2月、弁護士・金平祐

www.chogabje.com 2018-02-18 20:29

この記事にはトラックバックの転送ができません。
YOUR COMMENT IS THE CRITICAL SUCCESS FACTOR FOR THE QUALITY OF BLOG POST