もう朴槿惠大統領の最後の任務は、憲政秩序の守護のための政治的殉職だ。決して示威に屈して下野してはならない。それは民衆革命の共犯になることを意味する。

                                                       趙甲濟

 朴大統領は、憲政秩序の守護を通して贖罪せねばならない。示威に屈服する大統領になってはならない。下野すれば民衆革命を公認し韓国は56年前に戻る。示威で崩れる政府は民主国家でない。先進民主国家は示威によって倒れない。20世紀以降、米国も、フランスも、ドイツ(1945年以降)も、英国も、日本も、スペインも、イタリアもそうしたことがない。1960年の韓国、1986年のフィリピン、2000年のセルビア、2011年のエジプト、2014年のウクライナではそういうことがあった。

 今日、歴代最大規模の示威が光化門一帯で行われている。示威の雰囲気は切迫せず余裕があった。警察もあまり見えず催涙弾、撒水車、投石もない。多様な階層の参加者たちは文化祭を楽しむようでもあった。食べ物を売る屋台も多く見られた。外国人観光客たいもスローガンが書かれた紙を持って歩き回っていた。やけくそになった様子ではない。1987年の‘6月事態’、2008年の‘狂牛病乱動’のときの雰囲気とは違い、2002年のワールドカップ街頭応援のときに似ている。

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 夜になるや青瓦台方向に群衆が集まった。‘朴槿恵は退陣せよ’と叫びながら内資洞ロータリーに集結した。労組員たちが示威を導いたが一般市民が多く参加したためか過激な行動へ走るのを自制させる雰囲気だった。私も携帯電話で写真を撮ったが誰も文句を言わなかった。左右対決の現場のようではなかった。群衆の中に警察官が歩きまわってもブーイングが起きなかった。このように多くの群衆が集まったのに暴力と負傷者がいないというの奇跡と言えよう。

 これが民主国家の長点だ。硬直した権威主義政府は小さな示威にも敏感に反応する。朴正煕大統領が‘釜馬事態’のとき非常戒厳令で過剰対応したのが‘10.26事件’につながった。民主体制は弱いようだが柔軟だ。暴力示威の鎮圧も柔軟にする。自制力を発揮して死傷者を減らすのだ。

選挙で選ばれた大統領は憲法的正当性があるから示威に恐怖感を持ったり怖気づいてはならない。示威隊が青瓦台の塀を越えないようにするのを最後の阻止線として柔軟に対応する必要がある。青瓦台警備には軍人が勤務している。武装した彼らが示威隊を相手するようにしてはならない。

 朴大統領は退きたくても国体守護の責任者として退けない立場だ。憲政秩序の維持が大統領の最も重要な責務であるためだ。デモ隊の圧迫に屈して下野する形になれば、その後の朴槿恵大統領は、李承晩や全斗煥の道を歩むことになる。下野の日は第2の‘4・19’として記憶され、その後も革命的状況が起きる可能性がある。このような雰囲気の中で非正常な選挙が行われて反憲法的勢力が政権を取ることもあり得る。朴大統領は下野すれば安全になるだろうと思うかも知れないが、それは誤算だ。青瓦台にいるのが安全だ。東・西洋の王朝時代にも王が強制退位されれば死ぬ場合が多かった。

 朴大統領の前の障害物は山また山だ。検察の調査を受けなければならず、検察の捜査発表があり、メディアの追加暴露が続くだろう。検察の捜査を通じて朴大統領に、財閥の会長を圧迫して崔順実を支援するための募金責任、つまり第三者贈賄罪が適用されれば(もちろん起訴はできない)、弾劾要求が本格化する。崔順実氏が首席秘書官や長官人事に関与したことが確認されても、朴大統領自身が頻繁に使用してきた国紀紊乱の嫌疑を自ら招くことになる。国会で弾劾案が発議された場合、セヌリ党から離脱者が出れば3分の2以上の賛成で可決される可能性もある。

 11月末に検察の捜査結果が発表されれば、12月には弾劾の手続きが始まる。弾劾案が国会で可決されれば大統領の権限は停止され国務総理が代行する間で憲法裁判所の弾劾審判が始まる。2〜3ヶ月かかるかも知れない。決定が出るのは来年の3〜4月頃だろう。憲法裁判官9人中6人の賛成で大統領罷免が決定されると夏に大統領選挙が行われる。

 弾劾で退くのは合憲的だが、示威に屈して退くのは革命的だ。言論報道や国民世論は主観的可變的だ。これを根拠にして下野を要求するのは非理性的だ。検察の捜査結果という1次的事実が出てこそ、今まで言われてきた疑いの中で何が事実で何が誇張なのかが分かる。これを根拠にして弾劾をするかどうかするのが正しい。

 最大の変数はこの期間中の民心の変化だ。大統領の支持率が10%台を超えられないと下野や弾劾に弾みが付き、30%台に回復すれば残りの任期保障論が力を得る。朴槿恵大統領に対する怒りはメディアの集中報道と示威、そして大統領の対応措置によってかなり排泄される。この憤怒の一部は党利党略だけを考えて無理を通す野党へ向かう可能性が高い。その場合、軍統帥権を引渡せ、と大統領を圧迫する文在寅氏が最も大きな被害を被るだろう。

 もう朴槿惠大統領の最後の任務は憲政秩序の守護のための政治的殉職だ。決して示威に屈して下野してはならない。示威への屈服は民衆革命の共犯になることを意味する。弾劾されて退くのは民主的な手続きに従うことだから革命とは関係ない。これから大統領はあらゆる侮辱を受けるだろうが、韓国の民主主義を56年前に後退させてはならない。1960年の韓国は世界で最も貧しい国だったが、2016年の韓国は海千山千を経験した富国強兵の民主福祉国家だ。持ち堪えることが贖罪の道だ。時間を稼いでこそ国民が冷静になり、政治勢力が整備されて次の大統領選挙が正常に行われる。

 大統領に問題があっても任期を全うするように努力するのは、大統領のためのことではなく共同体の格とわれわれの名誉のためのことだ。

www.chogabje.com 2016-11-12 15:43

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  1. 新定住者 2016/11/14 15:08  コメント固定リンク  編集/削除  コメント作成

    最後は国民が勝つ。
    ちゃんとみておきなさい。2016.11.12は民主主義の発展の元となるから。
    政治 三流!
    国民 一流!