国連司令部は1950年7月7日、国連憲章第7章42条に基づく軍事的措置として国連安全保障理事会決議84号によって結成された。韓国戦争の休戦協定の主体でもある。ところが、1971年10月25日、自由中国(台湾)が国連安保理の常任理事国の地位を剥奪され、国連軍の交戦相手だった中共が安保理の常任理事国になる。

 1975年の国連総会で、西側陣営が提出した韓半島問題決議案と、非同盟会議が主軸になって提出した国連司令部解体決議案が同時に可決された。これで国連司令部の機能に対する限界が露呈されるや、韓米両国は1978年、韓米連合司令部を創設して、国連軍司令部が持っていた韓国軍と在韓米軍の指揮権を連合司令部へ移譲した。

 以後、国連軍司令部と韓米連合司令部は、東アジア全体の軍事的均衡の中心的役割を担ってきた。国連安保理会1993年、北側がNPTから脱退するや北側にNPT復帰を促す決議案を採択した。特に、北側が2006年、核実験と弾道ミサイル実験を本格化するや、安保理が毎回、国連憲章第7章41条に明示された非軍事的措置として決議案、議長声明、プレス声明などを通じて対北警告と制裁を実施してきた。

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 ところが、クーデターで登場した文在寅政権は、交戦相手だった北韓と中国を敵と見做さず、中国の側に立って米国のTHAAD配置の努力をサボタージュし、国連安保理の対北制裁決議を無視し、北韓産石炭まで密輸しながら南北連邦制を目指している。(在韓米軍がTHAAD配備を開始した2017年3月6日は、北側が労働ミサイル4発を同時に発射した日でもある。)

 このような状況で、米国は韓米連合司令部の無力化に備えて、戦略的な次元で国連軍司令部の機能強化に乗り出した。米国は、国連軍司令部への戦力提供国会議(UNCSS)を企画する。 6.25戦争参戦16カ国の外相緊急会議が開かれた。休戦後67年ぶりだ。

 米国、カナダが共同主催して、6.25戦争のとき、戦闘部隊を提供したイギリス、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、南アフリカ、エチオピア、トルコ、ギリシャ、フィリピン、タイ、ニュージーランド、オーストラリア、コロンビアなど16カ国に、当事者の韓国と後方基地だった日本、そして停戦協定に中立国として関与した、インドとスウェーデンの計20カ国が2018年1月16日、カナダのバンクーバーで集まった。米国はこの「韓半島安保と安定に関する外相会議」にマティス国防長官も出席した。

 この会議は、北側が2017年11月29日、米国を攻撃できるICBM級の火星-15号の打ち上げて韓半島の戦争可能性が最高潮に達したとき、トランプ大統領が12月18日、国家安全保障戦略書(NSS)を発表した翌日の12月19日、ティソン国務長官とクリスティア・プリランド、カナダ外相がオタワで共同記者会見で発表した。

 韓半島で北側が参加する平昌冬季オリンピックの熱気が高まっていたとき行われたバンクーバー参戦国会議(1月16日)は、北側に非核化対話に出るよう要求した。北側がCVIDを実行すれば終戦宣言ができていることと、対北海上遮断の強化などを決定した。米国は会議直後の1月24日、追加制裁を発表し、米国と日本、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが対北海上遮断作戦に参加する。

 この韓国戦争参戦国会議は、北側の挑発に対して集団意志の誇示にとどまらず、有事の際、国連を迂回する装置になる可能性もある。国連軍司令部の解体問題は、政治・外交の領域に属するが、国連軍司令部の強化は、軍事的領域に属する問題だ。米国は国連司令部のこの軍事的機能強化に重点を置いていると言える。

 米国は、国連軍司令部創設以来、在韓米軍副司令官兼米第7空軍司令官が兼任してきた国連軍司令部の副司令官にカナダ軍のウェイン・エア(Wayne D. Eyre)空軍中将を2018年6月に任命した。また、在韓米軍の少将が兼職してきた国連軍の参謀長も、参謀長職に専念できるよう別途に任命した。他の国連軍司令部の主要補職にも米軍以外の参戦国将校を任命するという。

 現在、イギリスとオーストラリアは自国艦艇7隻を米第7艦隊に配属させて南シナ海での「航行の自由作戦」に参加している。 2018年8月にオーストラリアで開催されたアジア太平洋地域空軍の大規模連合訓練「ピッチブラック訓練」には、米国、カナダ、オーストラリア、フランス、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポールなどが参加した。在韓米空軍の第80戦闘飛行大隊も参加したのに、韓国空軍は参加しなかった。

 文在寅は金正恩と、板門店宣言(2018年4月27日)、「9月平壌宣言」、特に「軍事分野合意書」(2018年9月19日)に署名した。南北の連邦制推進の宣言だ。特に9.19軍事分野合意書は在韓米軍と国連軍司令部の権能を無視し否定する内容だ。文在寅・金正恩合意に基づいて韓国軍は11月1日から対北敵対行動を中止しているが、「南北共同軍事委員会」が設置されれば、国連軍司令部から韓国軍が離脱するも同様と言える。

 現在、文在寅主思派政権の南北連邦制への暴走を抑えているのは国連軍司令部だ。国連軍司令部が開城工団や対北物資支援のための人員と物資の非武装地帯通過を統制しているからだ。

 米・中の冷戦が、トランプ大統領の国連演説(9月25日)とフェンス副のハードソン研究所講演(10月4日)で公式化された状況で、米国としては過去68年間維持されてきた国連軍司令部の機能強化は、中国とロシアが将来、国連を彼らの戦略に活用する可能性を事前に遮断する意味でも非常に重要と言えよう。

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