トランプの‘保守的ポピュリズム’を韓国に適用したら?左派ポピュリズムに押されて表出できないため不満が溜まって爆発性も高い。

                                                       趙甲濟

 核スパイは絞首台へ:北韓の核武装を助けた者を探し出す。軍・検察・警察合同捜査本部を作って北韓政権の核武装を支援するためお金、情報、技術を提供し利敵政策を執行した者たちを検挙して法廷に立てる。米国の法廷がソ連の核開発を助けるため技術情報を提供したローゼンバーグ夫婦を殺人よりもっと悪質な犯罪者と規定して死刑を宣告し電気椅子で処刑したことに参考にする

 クリントンの圧勝を予想した米国のメディアは、トランプが当選するや恥ずかしくも慌てる姿を現した。そしてトランプを称える態度に早変わりした。ニューヨーク・タイムズなど米国のメディアらがトランプ候補を偏向的に、集中的に誹謗したのは米国のメディア史の大きな汚点として残るだろう。これは、1930年代にフランクリン・ルーズベルト大統領時代から知識人やメディア、そして民主党が主導した進歩的ポピュリズムが米国社会を支配してきた現象の一つの反映だ。黒人、ムスリム、女性、移民者を弱者と規定して過剰保護する過程で、疎外された白人の中下層が一つになってトランプを支持した。

 トランプの戦略は保守的ポピュリズムだった。女性や黒人を卑下する発言をするだけで社会的に埋葬されてしまう雰囲気の中で、彼は女性大統領候補のクリントンの面前で“私は執権すれば司法長官が特別検査を任命するようにして、あなたのメール事件を捜査して刑務所に送る”という要旨の惡談を憚らなかった。民主党と共和党を問わずこの発言を批判したが、トランプの固定支持者たちは痛快に思ったはずだ。彼は民主党支持者たちを包摂しようとせず、共和党支持者たちの結束を固めることで、民主党支持者の中で保守性向の人々引き抜く戦略を駆使した。韓国の保守政党や政治家たちは、支持してくれる可能性のない人々に求愛して支持層を失うミスを重ねる。理念的自信感のない人間の共通の態度だ。

 トランプの保守ポピュリズムを総括したスローガンは‘もっと強い米国’だった。彼はわかり易く短い政策スローガンを通してこれを伝えた。

1.大きな壁(Great Wall)。彼はメキシコからくる不法移民者を‘強姦犯’や‘犯罪者’と規定し、執権すれば国境に壁を建設しその費用はメキシコ政府に負担させると公約した。

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2.イスラム教徒の移民受け入れを全面禁止(Muslim Ban)。イスラム過激団体の影響を受けたムスリム移民者による銃撃事件が発生するや、彼はムスリムの移民を一旦全面禁止せねばならないと主張した。この主張も民主党支持者たちやメディアから猛烈な反発があったが保守層を結束させた。

3.移民者を追放。彼は不法移民者が摘発されれば追放すると宣言した。この発言が今回の当選に最も大いに寄与したという統計がある。不法移民者たちに仕事を奪われたと思っている白人の中下層を刺激して結束させたと言われる。

4.オバマケアの廃止。トランプは就任すれば直ちにオバマ大統領が主導して作った拡張された福祉政策を廃止すると公約した。そうすれば、2000万人が恵沢から除外されるが、トランプは、彼らはどうせ自分に投票しない人々だと計算したのだ。過剰福祉のため財政が破綻している現実に不満を抱いた保守層としては胸がすっきりしたはずだ。この公約はトランプに反対する共和党議員たちからも支持された。

5.自由貿易協定を批判。NAFTAと韓米自由貿易協定、そしてTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に反対するか修正すると宣言した。米国産業の競争力を弱化させる開放政策に制動をかけて米国国民の雇用を保護するという公約だ。

6.韓国と日本に防衛負担の増額を促す。富国である韓国と日本が米軍の駐留に依存する姿勢を批判し、必要なら米軍を撤収し両国の核武装を容認するという意向を示した。

7.刑務所へ(Lock her up):トランプ候補の運動員たちは、財団募金の不正、電子メール疑惑の対象となったクリントンを処罰するという意味で‘Lock her up’と歌まで歌いながら気勢を上げた。他の政治家たちがこのような用語を使用したら非難に耐えられなかったはずなのに、トランプはこれを宣伝スローガンとして利用して既得権の腐敗に憤怒する米国の有権者たちを刺激した。

 ‘沈黙している多数’の怒りを爆発させたトランプの保守ポピュリズムが、韓国政界にも適用できる潜在的な要因は多い。李承晩の反共自由民主主義路線、朴正煕の祖国近代化路線を最後に1980年代以降、民主主義と民族主義を標榜した左派的ポピュリズムが韓国社会を圧倒してきた。民族、民主、民衆、平和、平等、福祉、和解、二極化、1対99、ヘル(Hell)朝鮮などの扇動的の用語らが‘反共’を事実上の禁止語にし‘愛国’を嘲笑の対象に、‘国家’や‘建国’を忌避語にして韓国人の精神世界を支配した。左派が掲げた民族主義は、その内容上‘人種主義’に近く、民主主義は社会主義に類似するが、‘民族’と‘民主’という言葉を偶像崇拝する雰囲気を利用して常識的な国民たちを沈黙させた。この‘沈黙している多数’も、米国の白人のように不満が澎湃としている。表出できないため不満は蓄積されその分爆発性も高い。

 問題は朴正煕の後、このような不満と欲望と希望を刺激した政治家が一人もいなかったことだ。左派の既得権勢力と左派ポピュリズムを無力化させる保守ポピュリズムは、理念と論理が必要だ。募兵制を言い出した南景弼式の日和見主義、朴槿恵ファンクラブ式の封建的な盲従や江南左派(リムジンリベラル)式の偽善者は駄目だ。もし韓国版トランプが現れたら、彼は世の中を既得権腐敗勢力と沈黙している多数に兩分し、こういう政策代案を打つ出してこう説明するだろう。

1.死刑執行を再開:1998年、金大中政府以来、死刑執行が行われていない。57人の殺人犯が死刑判決が確定された後も国家予算で国立ホテルで暮らしている。ほとんどが1人以上の罪のない市民を殺した極悪非道な者だ。20人以上を殺した者もいる。この57人を殺した人命を合わせると200人に迫る。この被害者たちの命は尊くなく殺人者たちの命だけが尊いか。刑法で定めた死刑を死文化させた歴代の大統領と法務長官たちを糾弾する。私が大統領になれば、犯罪の悪質度に基づいて死刑を執行して正義を立てる。

2.元大統領の秘密資金調査:何度も調査を受けて財産を没収された全斗煥、盧泰愚元大統領を除外した元大統領たちの財産状態を調査して違法性があれば還収する。全斗煥と盧泰愚の二人に適用した法規を準用する。

3.核スパイは絞首台へ:北韓の核武装を助けた者らを探し出す。軍・検察・警察合同捜査本部を作って北韓政権の核武装を支援するためお金、情報、技術を提供し利敵政策を執行した者たちを検挙して法廷に立てる。米国の法廷がソ連の核開発を助けるため技術情報を提供したローゼンバーグ夫婦を殺人よりもっと悪質な犯罪者と規定して死刑を宣告し電気椅子で処刑したことに参考にする。

4.国家保安法違反者、兵役忌避者、腐敗前歴者は永久に公職就任を禁止する法を作る。

5.小さな政府、少ない税金、多くの働き口。公務員と国家機構および規制を縮小し、税金を下げれば雇用が増える。このような改革を妨害する‘貴族労組’を潰す。

6.世宗市を改編。国家指揮機能を分割して混乱させ、予算ばかり浪費させて死んだ都市になりつつある世宗市を教育・科学中心都市に変える。

7.検察を改革。権力の侍女になって政治的道具に転落し、お金もなく権力背景のない庶民たちを無視して悔しい市民を量産する検察の捜査機能を監視、牽制する装置を作り検査の権力乱用は加重処罰する。

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8.光化門に李承晩建国大統領を銅像を建立し、貨幣に朴正煕の顔を入れる。8月15日を建国と解放記念日として記念する。

9.無差別的な福祉を中断。財閥会長の息子まで国家予算で給食する、普遍的福祉と偽装した画一的な福祉や浪費的な福祉を改革する。

10.公務員たちに自由民主主義に反する行動に加担できないようにし、反憲法的事態を発見するときはこれに対応する義務を強制して、公務員集団が国体を守護する堡塁であることを明確にする。

11.米国が北韓の核保有を認めれば、韓国は直ちにNPTから脱退、自衛の核武装に突入することを公開的に予告する。

12.疑似記者と扇動メディアを取り締まる。記者資格証試験制度を作って正確な韓国語を使うように強制する。扇動メディアによる被害救済策を講じる。軍事秘密報道に対しては平時にも軍の検閲を受けるようにする(イスラエル式)。

13.既得権の本山である国会を破っ壊そう。国会議員の給料を出席日数を基準にして日当に転換する。会期中のみ官用車を使用できる。秘書(補佐官)は2人だけ雇える。特権を制限する。

14.腐敗の温床である地方自治団体を改革する。地方議会の議員たちは無給に戻す。地方自治団体長の専横を牽制するため、監査院に1つの局を増設する。<継続>

www.chogabje.com 2016-11-10 10:23

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