佐藤勝巳・洪熒対談(2011.05.16)

 

佐藤 ちょうど50年前の1961516日、朴正熙将軍をトップに若い 韓国軍将校たち

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が、民主党政権(「第2共和国」)をクーデターで倒しました。当時も今も、このクーデターの評価をめぐって、金日成・金正日政権は「軍事ファッショ」と激しく非難してきましたし、韓国内でも、それまでの既得権層(両班階級)をはじめ、金大中に代表される左派勢はもちろん、金泳三などいわゆる「文民政治家」の多くが過去も現在も全否定しています。

 半世紀たって、このクーデターをどう評価し、今日の韓半島の現状にどうつなげて行くのか、というテーマーで、今日は話し合ってみたいと思います。

 

 赤化統一の危機

 「516革命」は、大韓民国建国から13年目、1950年の「625南侵戦争」停戦(19537)から8年後に起きました。まず、なぜ若い将校たちだったのかということですが、当時の韓国軍はスターリンと毛沢東など共産主義者との戦争を通じて、アメリカ軍と一緒に戦う過程で、世界一流のアメリカ軍から多くのことを学び、祖国の後進性を自覚したのです。

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 当時の韓国は、歴史上初めての李承晩の自由民主主義革命にも拘らず、共産侵略による戦争の廃墟から国を再建するための資源も人材も絶対不足していました。特に、政治は前近代性や封建的体質から脱皮できず、近代国家建設へのビジョンや具体的な各論が無いのはもちろん、政治家たちの封建的体質そのものが近代化への最大の障害でした。北からは「連共統一」攻勢がなされる中、韓国軍の若い将校たちには、命をかけて護り抜いた祖国が赤化統一の危機に直面しているという認識が、決起を促したのです。彼らの危機感や行動が韓国の歴史を変え、救ったのです。(上写真は6.25戦争で破壊された国宝1号の崇礼門)

 

佐藤 当時の韓国において、軍の若き将校たちは3年間の朝鮮戦争を共産軍と戦って、観念論の世界でなく現実の脅威に立向かう覚悟や力量を身につけ、近代的なものの見方が出来るようになった唯一のエリート集団だったということですか。

 

 封建既得権力との戦い

 そうです。「516革命」は、歴史的使命への自覚も足りず腐敗した観念論の封建的既得権勢力と青年将校たちを中心とする「近代化」勢力の衝突であり、近代化を目指した軍隊が権力を掌握した韓民族史上最大の事件、と位置づけることが出来ます。封建的既得権勢力の価値観からすれば、政治(権力)とは文民(ヤンバン)のもので、軍人や労働者、農民などは支配の対象でしかありませんでした。だから国民の義務だった兵役も逃れたこの守旧勢力が手続きや名分論を振りかざして、クーデターの革命性と歴史的意義を否定してきたのです。

 

 朴政権は空腹を満たした

佐藤 「516」を金日成政権の側から見れば、李承晩政権の後を継いだ民主党政権の混乱は、北による共産化統一の絶好のチャンスだった筈です。それを阻止したのが“朴正熙という憎たらしい存在”です。既得権を失った韓国のャンバン政治家などと、北の金日成らの利害が一致し、「敵の敵は味方」という反動どもの一種の「連帯」が出来た時代があったのです。

19604月の学生デモで李承晩政権が打倒されたこともあって、日本では「北主導による統一近し」という雰囲気で溢れていました。在日朝鮮人の北朝鮮への「帰国」が盛り上がっていった大きな理由でした。当時、私もそうだったのですが、共産主義を疑わない「進歩派」は、北のプロパガンダに簡単に騙されました。雑誌『世界』がその見本です。

 

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 朴正熙は、封建的旧守勢力からの批判も、国際的進歩派からの攻撃なども意に介さず、「セマウル運動 (新しい村づくり運動)」で意識改革の農村の近代化を進め、「漢江の奇跡」と言われる産業化、近代化へと突っ走りました。何よりもまず国民の空腹を解決しました。偉大なことです。(右写真は田植え中の朴正熙大統領)

 

佐藤 私が、はじめてソウルを訪問したのが1977年春でした。誰の紹介か忘れてしまいましたが、当時60歳近い韓国の婦人に合う機会がありました。私が、「パク大統領は、国民の自由を押さえすぎると言う批判を耳にしましたが、どう思いますか」と質問したところ、 婦人は物静かに「私は、日本の植民地下、そして植民地解放後幾つかの政権の下で暮らしてきました。貧乏人が自分の娘を売らずに生活できるようになったのはパク大統領になってからです。自由でおなかは一杯になりません。そんなことを言っている韓国人に騙されないで下さい」と確信を持って私に語りかけました。

私は世界大恐慌の最中の1929年に生まれています。物心ついたときは、コメを作っている農民が、雑炊を食べざるを得ないほど貧しものでした。近所で娘が売られたという話は聞きませんでしたが、貧乏からくる飢餓感は感覚として今でも忘れていません。だから婦人の話は韓国を分析したどの論文よりも説得力があり、重く深く私の胸を衝きました。このときを以って私の朴正熙大統領評価は変わりました。

ところで、最近の韓国社会を見ていると、「516」を境に自国の社会システムや文化が構造的に変化したことが忘れられているのではないかと思うのですが…。

 

 朴政権の近代化作業

洪 世界を見渡せばクーデターなど数多くありますが、軍事クーデターで短期間に近代化に成功したのは「516革命」だけです。この成功は「近代化」という壮大なビジョンと信念をもち、それを実現させた有能で強力な司令塔(指導力)があったからに他なりません。

516」当時の韓国には、ハード面でもソフト面でも産業化へのインフラは未整備でした。例えば、自家用車などはなく、自動車の運転免許を取る教習所もありませんでした。そのころ車の運転ができたのは、軍で運転訓練を受けた人だけでした。ベトナム戦争終了後の1970年代の半ば以降、韓国企業は中東に進出しますが、初期のころは土木工事で重機など操作できたのも軍の工兵出身者だけでした。

朴正煕は近代化を推進するために、それまで韓半島に存在しなかった新しいシステム作りを始めました。法治の基礎である法令を整備し、職業公務員制度を確立します。それまで「第1共和国」(李承晩の自由党政権)と「第2共和国」(民主党政権)は、日本の植民地遺産である多くの法令をそのまま使っていましたが、朴正熙政権は、そういう法令を韓国語に翻訳し改正して、政府の行政システムを当時最も進んでいた軍のレベルに引き上げる「近代化作業」を推進したのです。

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朴正煕は戦略的に日本との国交正常化とベトナム戦争への派兵をし、近代化への経済と安保の土台を固めます。こういうことは今の韓国社会はもう忘れ、若者たちは親北左翼の「全教組」の反韓教育のため殆ど知りません。(韓日基本条約批准書に署名する朴正熙大統領)

韓国の近代化は上も下も具体的に担ったのは「文民政治家」ではなく、「516革命」勢力が主導したのです。朴正熙の後に、崔圭夏、全斗煥、盧泰宇、金泳三、金大中、盧武鉉、李明博と大統領が続くわけですが、金泳三大統領からは、朴正熙時代が築いた「近代化」の推進、進取の気性を萎えさせ、金大中・盧武鉉は、野蛮な「金氏王朝」に接近し秋波を送る「反動」の方へと動きます。

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韓国が、「6.25戦争」で日本の植民地になる前の20世紀初頭の惨状に戻った1953年からわずか35年後(日本の植民地35年間とちょうど同じ期間)1988年に、ソウル五輪を成功させてソ連や旧社会主義圏を北から切り離し、金日成王朝を追い詰められた戦略的基盤を作ったのは、李承晩の「自由民主主義革命」と「韓米同盟」、そして朴正熙に導かれた「近代化革命」であることは歴史的事実です。

 

 自主国防を決意

佐藤 アメリカの民主党をはじめ欧米のいわゆる進歩派、日本の朝日新聞や雑誌「世界」などは、欧米や日本の価値観をもって、朴政権を「軍事ファッショ」と非難しました。その一つが雑誌『世界』に連載された「韓国からの通信」です。これこそ朴政権を謀略、中傷し続けた悪名高き代表作品と言えます。

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当該国の民主主義のありようは、その国の歴史と文化、価値観を離れてはありえません。朴正熙氏はそれを「韓国的民主主義」と規定したうえで、“圧縮成長の近代化”を強力に推進しました。彼は、欧米の「進歩派」などが独善的に求める欧米式民主主義を断固拒否し、自主国防のため核武装までを覚悟した自主精神の持ち主でした。(はベトナムで作戦中の韓国軍)

 

 形は文民、中身は反動。形はクーデター、中身は近代化

  金大中や金泳三などは、朴正熙政権を「軍事ファッショ」と批判しましたが、実は彼らの器では「近代化革命」などは所詮理解の範囲を超えるから、批判し否定し続けたのが実態ではなかったかという気がします。形は文民ですが、中身は私利のための封建的「守旧反動」です。誰が進歩派でどちらが反動派なのか、歴史が明らかにしています。

516革命」に即して言うなら、形は軍事クーデターですが、中身は、「近代化革命」であったと言えます。「5.16」は民主主義を破壊したのではなく、民主主義のための土台やシステムを作ったのです。したがって、「516革命」を全否定する勢力は必然的に「近代化への反動」、つまり封建時代の政治に戻ることになります。金大中や金泳三などの言動、様態は稚拙な自己正当化であり封建ヤンバン政治そのものです。

 

 韓国に北シンパが多いのはなぜか

佐藤 あれから50年が経過し、来年は韓国大統領選挙です。最大の課題は、諸悪の根源である北の「金氏王朝」の個人独裁体制にどういう態度で臨むかです。私は、世界一の教育熱心で知られる韓国で、野蛮と独裁を容認する勢力がどうしてここまで拡大したのか不思議に思っています。

 

 前述のように、「516革命」勢力は、反共を国是とし、封建的残滓や旧悪の一掃を目標にしました。第2次世界大戦後、東西冷戦の中で多くの新生国家はソ連の輝かしい成功に魅惑され「社会主義体制」を選択しましたが、共産主義や社会主義革命は人類に災難をもたらした幻・詐欺で終わりました。反面、「516」は自由民主主義勢力を糾合し、左翼や守旧勢力と戦い近代化の礎を築きました。現在「5.16革命」の伝統を継承しているのが、愛国保守勢力です。愛国保守は今、韓国の近代化革命に抵抗する歴史の反動と戦っています。

 李明博大統領に代表されるいわゆる「中道」ハンナラ党は、金大中や盧武鉉ほど確信犯的反逆ではありませんが、封建時代よりも遥かに劣る悪の体制、金日成・金正日世襲独裁体制に対して断固戦う姿勢が欠けています。左翼の扇動・洗脳によって北にシンパシーを持つ韓国の30パーセントの有権者を覚醒させることも近代化革命の課題と言えます。

 

 諸悪の根源を根絶することだ

佐藤 50年前との最も大きな違いは、アメリカの力の衰退です。代わって台頭してきたのが中国ですが、今年に入って中東で起きたデモの嵐が中国内に波及するのか、中国共産党幹部は戦々恐々としている感じです。独裁権力は外からの攻撃には強いが、足元からの攻撃には弱い、というのが歴史の教訓です。中国が最近、勢いがないように感じるのは、そのせいでしょう。何が起きるか分かりません。

金正日政権は、事実上中国の従属国となっていますから、中国に動揺が起きたら、自動的にピョンヤンに波及します。韓国内の左翼は、所詮、朝鮮労働党の影響下にある人たちです。諸悪の根源が絶たれれば自動的に解決する問題です。「516革命」の完結は韓半島で前近代性の残滓、諸悪の根源を除去することにあります。

 

 韓半島の近代化は、北解放だ

洪 東西冷戦という緊張が消えた途端、また次元の違う葛藤・対立が現れ、多くの先進国がポピュリズムに陥った現象を見ています。そして中国共産党の跋扈(ばっこ)を許しています。そもそも、大衆迎合主義では未来への対処はもちろん、現在の問題も解決できません。

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近代を振り返って見ると、大衆の選択は賢かった場合も愚かだった時もありますが、その選択の優劣を決定的に左右したのは価値観や指導者の選択でした。「5.16」の朴正煕も幕末の坂本竜馬も「現状打破」を夢見た革命家でした。現状打破とは抵抗を打ち破ることです。当然容易なことではありません。守旧勢力、既得権勢力を克服する信念と勇気と智謀が必要です。今日本では坂本竜馬を英雄として評価していますが、仮に21世紀の今坂本竜馬が現れたら日本国民の多数は果たして彼を歓迎するでしょうか。

516革命」への歴史認識と評価は韓半島の未来を決定します。韓半島の現状打破、つまり韓半島においての前近代性や悪の克服と清算を、全うするのか諦めるのかです。自由と良識を愛するなら現状打破に出るべきだと思います。「北韓解放」こそ、韓半島の近代化であり、今指摘された「516革命」の完結になるはずです。

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洪熒・佐藤勝巳(201156)

 

佐藤 今回の東日本大震災は、自然が仕掛けてきた戦争と呼んでいいと思います。洪(ホン)さんは、韓国動乱(朝鮮戦争)、ベトナム戦争と2度の戦争を経験していますが、その経験から見て、 わが国政府の対処の仕方をどう思いましたか。

 

危機管理最大の問題点

 阪神・淡路大震災での最も重要な教訓を生かしていなかった、という印象を受けました。最大の問題点は、なぜ311日地震当日の夜の段階で、「緊急(非常)事態」が宣布されなかったのか、という一点につきます。

 

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大震災後政府の状況判断に関して新聞報道を調べてみましたが、例えば、地震発生以後警察庁が毎日死亡者、行方不明者などの犠牲者の数字を発表していました。地震翌日の12日には死亡者や行方不明者数の発表がありませんでした。13日の朝刊には死亡者が696名、行方不明者が641名と報道され、死亡者や行方不明者が1万名台になるのは5日後です。死亡、行方不明者の合計が27000名台になるのは地震から2週間後の325日です。ここに、危機への対処の基本になる危機の認識、判断の失敗が見られます。地震の当日は無理だったとしても、翌日の段階で日本政府はまず人命被害の規模を想定して対応すべきだったと思います。

 

佐藤 どういう方法で判断、想定ができたはずだと思いますか。

 

人命被害規模の想定は可能だった

 莫大な人命被害を出した近年の震災は阪神・淡路でしたが、あのときもインフラ破壊され、行政システムが機能しなくなったのに、現場からの報告を待つばかりで実態を掴むまでに時間がかりました。地震直後の迅速な対応の遅れが、火災による犠牲者を大勢出してしまいました。今回は広域地震と大津波、原発事故です。常識的な政府なら、あの大津波を確認した直後に、まず自衛隊に命令して偵察機を飛ばし広域の被災地の航空写真を撮って、被災地の人口などから犠牲者の規模などを推定して「非常事態」を宣布し、首相が指揮を取り救出に当ったと思います。ところが、こうした積極的な姿勢が必要なのに、それが一切見られませんでした。つまり、阪神・淡路の教訓を全く生かしていないということです。

 

地震後の総務省の発表によれば、今度の大津波による被災地域の人口は震災直前の今年2月の時点で約445000人です。被災地の被害範囲や状況は空からの写真で分かりますから、犠牲者の規模を科学的、合理的に推定することは難しいことではありません。その推定によって災害対策基本法などの法律に規定されている「緊急事態」を宣布し、人命救助や原発への対応に集中できたはずです。

 

被災者の救援活動についても、米軍だけでなく先進国の軍隊なら、夜間でも人間の体温から生存者の有無を認識出来る熱映像装備(TOD)を持っていますから、それを使用すれば孤立して救助を待っている人々や生きている人間は探知できたはずです。

 

ところが、危機管理の司令塔がやったことは、現地からの報告待ちでした。首都東京を含む国土の半分くらいが通信も交通も麻痺し、震災地域は行政システムが壊滅的打撃を受けて混乱しているのに、現場から上がってくる報告で判断、対処するなどでは話にならないでしょう。地震から2週間経過して犠牲者27000という数字が分かった後では、後の祭りです。これでは危機管理でも何でもありません。

 

「緊急事態宣言」の必要性

佐藤 なぜ「緊急事態宣言」が必要かといえば、日頃の行政が縦割りで行われていることにあります。道路の管理は国と県、市町村の三つに分かれているため、行政機関は自分の担当する道路以外は知りません。今回のような大災害が広範囲に発生したら収拾がつかなくなるシステムになっているのです。港も県が管理していますが、桟橋が地震でやられたら使用出来ませんから緊急に調査が必要です。「緊急事態宣言」に基づいて、総理大臣が自衛隊や警察などに命じて調査する以外ありません。タンカーを入港させ、避難所までの道路を整備、タンクローリーでガソリン、灯油、そしてトラックで食糧を輸送するなどということは、地域の縦割り行政でこんなことが出来るはずはありません。現に阪神・淡路では出来なかったのです。

 

民主党では対応できない

菅政権はこの貴重な経験から得た教訓を何ひとつ学ぶこともないまま、ホンさんのいうように、現場からの報告を待っていたのです。このような大災害が発生した時の「緊急事態」宣言には、地方の行政機関に規制を、国民の自由に制限を加えることも出来ますし、時として制限は必要です。菅民主党政権は「地方分権」「地方主権」を公約に掲げています。「緊急事態宣言」をそれと対立するものと捉え、発布しなかったのではないと推測されます。彼らの考えは国家よりも「地方」「地方より個人」という国家解体の思想が根底にあります。今回のような非常事態にはもともと対応できない政党です。一方、現に出荷自粛だの、計画避難区域だのなどを言っていろんな制限を加えています。自己矛盾も甚だしい。民主党政権の国家観が「人災」を加速させたと断言して言えるでしょう。

 

「報道談合」があったのでは

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他方、あれだけ自衛隊が一生懸命に活動しているのにマスメディアは、初期段階では言い合わせたように報道しませんでした。すべてのインフラが破壊され、危険な環境の中で人命を救助し被災民に物資を緊急に届けることが出来るのは、統一された命令指揮系統と航空機など各種装備を持つ軍隊しかないのです。兵力だけでなく装備も動員しなくてはならないからです。ところが報道機関は「死臭」漂う被災地で来る日も来る日も風呂にも入らず、乾パンをかじって死体収容作業に従事している自衛隊の若者の姿を、全くといってよいほど報道しませんでした。自衛隊に「市民権」を与えてはならないという「無言の合意」、「報道談合」が言わず語らずに存在していたのではないかとすら感じました。戦場を知らない記者たちであればあるほど、戦場の怖さを報道すべきであったのに、しなかった。

 

首相官邸が分かっていない

また、首相はやるべき事をやらずに、被災地の視察に執心し、内閣官房長官は、農林水産省の担当課長の仕事ではないかと思われる野菜の出荷規制地域だの、洗濯物の室内干しだのを一々記者会見で告知する。

 

そしてテレビは、かつての社会主義国のプロパガンダのような無味乾燥な中身の公益広告(AC)を流し続ける。災害による非常時にあるというのに、ただマニュアル通り貴重な電波やエネルギーを垂れ流す無神経さ。

すべては危機管理の杜撰さの反映ということです。首相官邸が自分たちの職責すら分かっていない。だから政治家がテレビに露出したいためのスタンドプレー、選挙活動という声がいたるところで聞かれたのです。

 

危機を危機として認知できない自己欺瞞

 残念ながら総理などの言動からは、国民の生命を守るという緊張感を感じ取ることができませんでした。また311日の午後から、首都東京は電車が止まり、電話は通じなくなり、完全にマヒ状態に陥りました。家族にも、仮に盗難や火事など緊急状況が発生しても110番や119番に電話しても通じない。震源地から遠い首都ですら電話がほとんど通じない状況が一週間も続いたという事実だけでも「緊急事態」なのですが、政府にも国民にも、そういう受け止め方がほとんど見られなかったことが不思議な気がしました。

 

火事に備えて家や車などに消火器を買っておきながら、いざ火事が起きたら消火器まで使う必要はない、もっと大きな火事が次に起きたら消火器を使おう、あるいは、自分は消火器を持っていることすら忘れているのではないか、と思ってしまいます。災害対策基本法や警察法などの中の「緊急事態」というくだりが、「千年に一度」の大災害に見舞われた時も適用されないなら、どういう状況を想定して作ったのか。理解できません。

 

自衛隊の動員だけでは対処しきれず、史上初めて予備自衛官まで招集しながらも「緊急事態」を宣布しないのは自己欺瞞も甚だしい。「緊急事態宣言」なしに国民の身体の自由と財産権を制限するのは、どう考えても非正常です。法律を適用・発動すべき場面で法律を適用・発動しないのも法治の破壊と言えるでしょう。支離滅裂と言われても仕方がないと思います。私は、今度の3.11大震災を忘れないためにも、救援活動に動員されて献身した(戦った)自衛隊、警察、消防隊の全員に特別記章を授与すべきではないかと思います。

 

ゲリラに攻撃されたらどうするのか

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佐藤 電車が止まり、電話が通じなくなったのは地震が原因と分かっていたことと、短期間で回復、正常化するという経験則があったからでしょう。地震国日本の特徴だと思います。しかしテロやゲリラに送電線が切断され、電車が動かなくなり、電話が通じなくなったら、情況は全く違ってきます。大混乱に陥ることは間違いないと思います。

 

私は十数年前から北の独裁政権は日本の原発を狙うだろうと想定して、知人の紹介で柏崎刈羽原発を1人で勉強に行ったことがあります。日本の政治指導者は、特に民主党政権では、わが国がテロにやられることを想定して安全保障を考えるという発想は皆無に近いと推定されます。

 

危機管理は最悪の事態を予測して対策を立て、行動すべきものです。このたびの未曾有の被害から沢山の教訓を引き出すべきではないでしょうか。

 

危機を危機として捉えられない

 危機の中で最も致命的なことは、危機を危機として捉えることができないことです。ですから危機管理システムの不在不全ということになったのです。残念ながら今度の大災害で、日本の危機管理の司令塔(司令部)がうまく機能したとは言えません。危機管理の司令塔に経験のある人や訓練を受けた人が見えませんでした。そういう側面で天災に人災が重なったという叱責はその通りだと思います。

 

佐藤 確かにご指摘の通りなのですが、なぜ「危機を危機として捉えることができなかったのか」です。洪さんも私も戦争を体験していますが、個人が戦場で判断を誤ったら命を失います。

部隊長が判断を誤ったら部隊は殲滅されます。政府が判断を間違えたら、国家は敗北没落します。民主党政権にこの認識が決定的に欠如しているからです。

 

「平和憲法」から危機意識は生まれない

菅直人首相をはじめ全閣僚たちは、「平和憲法」のもとで、日本近代史を全否定した「平和と民主主義」の教育を受けただけではなく、それを推し進めることが正義と思って運動を昨日までやってきた人たちです。外交スタンスは、中国や北朝鮮に媚、日米安保を否定し、軍隊を否定してきた日本社会党の亜流です。今、洪さんが指摘した「危機を危機として」受け取る素地などあの政党には全くないのです。この点自民党も不透明なのですが、こんな民主党に多数の議席を与え、政権の座につかせたのは有権者です。文字通り「民族的(国家的)危機」なのです。しかし最近の選挙で、民主党が敗北を喫し続けていることは、有権者がようやく民主党の正体と自分たちの不勉強さに気がつき出したということかもしれません。

 

迫られている価値観の転換

今回の震災に遭遇するまで、この国では電力を贅沢に消費し、食べ物を年間2000万トン以上も捨ててきました。そして「高蛋白・高脂肪」の贅沢な食事日常化し、糖尿病、高血圧、ガンなどの生活習慣病を激増させ、医療費が国家財政破綻の主要な原因となりつつあります。生活全般の見直し、価値観の転換が迫られていることは間違いないと思います。今回の巨大地震はわれわれに、「贅沢はいい加減にしろ」という警告だったと捉えるべきではないでしょうか。これとは別に、4つものプレートが交錯する地震列島日本が、主要エネルギーを原子力発電に依存することの可否をめぐり、この際大々的に議論すべきときです。

 

原発が攻撃を受けた最初の例

 韓国も日本と似たところがありますから深刻です。責任の大きさは権限の大きさに比例するという常識から言うと、今度の人災の最大の責任は、民主党政権が「政治主導」を掲げて官僚を極力排除してきた、その独善的体質や姿勢にあると言わざるを得ません。

 

システムとしての危機管理にはマニュアルが必要ですが、今度、特に原子力()発電所の放射能漏れを通じて日本の危機管理マニュアルの弱点や限界が明らかになりました。「福島第1原発の事故」は、チェルノブイリやスリーマイル島原発事故とは原因が違います。福島原発事態は事故によるものでなく、原子力()発電所が(自然からの)攻撃を受けて起きた重大な事態です。つまり、これからのマニュアルは事故によるものだけでなく、攻撃による破壊をも想定しなければならないことが明確になったことです。

 

中東の津波はアジアにも波及する

予測・想定外に起きるのは、地震や津波だけではありません。今年に入ってからの中東の事態を誰が予測できたでしょうか。中東で起きた〝津波〟が東アジアにどう及ぶか分かりませんが、歴史的な大津波をもたらした「311地震」も震源地は日本の領土の外です。マグネチュウド9の規模になったのは複数の地震が連動して起きたためでした。

金正日独裁体制や中国の軍拡路線が東アジアの深刻な不安要因となっています。テロリストの首魁ビンラーディンがアメリカの特殊部隊に射殺されましたが、この種の要因が加わりますと、どれほどの津波が発生するか予測はむつかしいです。しかし津波は目に見えるところまで来た時はもう遅すぎます。普段から充分に想定して備えねばならないと思います。

 

 求められる行動

佐藤 菅政権は、限りなくゼロに近い落第点です。だから政治空白を覚悟で倒閣すべきなのか。しかし、緊急な復興が求められているとき、今、総選挙が妥当な選択肢なのかどうかです。選挙をやってよりましな政治家が現われる保証でもあれば別ですが、それも分らない。実に難しい局面です。

 

幕末の薩長連合が実現したときは、倒幕側に危機感、エネルギーとパワーが溢れていました。現在の日本の社会からは、菅直人、鳩山由紀夫両氏に代表されるように危機感もパワーも伝わってきません。伝わってくるのは自信のないうろうろとした表情だけです。また、いろいろ言う人は不足しませんが、しかしこの人達も肝心の行動がともないません。

当面、1000年に1度の災害の復興に集中するしか無いのかも知れません。だが、考えてみると、3.11大震災の復旧、復興だけでなく、日本の海岸、特に太平洋側はどこでも全海岸線をこれから高さ15メートルの津波を想定して災難対策を進めなければならないと思います。それは、まったく新しい生き方、文明を目指しての前進です。

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洪熒

歴史の中の「5.16革命」の位置

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50年前の19615月、ソウルで朴正熙将軍をリーダーとする若い将校たちが、合法政権を倒した。韓半島の歴史上最も劇的な変化、近代化への挑戦がこの「5.16軍事革命」から始まった。「5.16」は、李承晩大統領による建国革命(大韓民国建国)から13年後、そしてこの新生民主共和国をスターリン・毛沢東・金日成の国際共産主義勢力が抹殺しようとした「6.25南侵戦争」が停戦してから8年後のことだった。

韓半島歴史上初めての「理念戦争」だった「6.25戦争」は、南北間を徹底的に破壊し、韓半島を20世紀初頭の日本による植民地以前の状況に戻した。だが、当時の自由党政権は、廃墟から立ち直るための具体策や希望を国民に提示できず、その他後進国の政権のように、近代化へのビジョンと力量を備えていなかった。

その1年前の19604月、大学生たちによる「4.19義挙」で李承晩の自由党政権は倒れた。だが、韓国社会、特に政治においての根深い封建性や守旧性を打破することは、学生たちには無理だった。自由党の後に執権した民主党も、封建性や守旧性で自由党と変わらなかった。

後進社会や後発者が、先進社会や先発者に追い付き並ぶためには、それに必要な時間や過程を短縮するしかない。人間のそういう焦りが「革命」という形で現れる。若い将校たちは、学生たちが夢見ものの果たせなかった頑強な封建性や守旧性、つまり近代化への障害物を軍事クーデターで打破したと言える。

 

5.16」は近代化革命

5.16」は形の上では間違いなくクーデターだ。だが、その動機、その後の結果は明らかに革命である。「4.19学生義挙(革命)」を支持した国民の多数は、当初からこのクーデターを支持した。

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大統領になった朴正熙はそれまで韓半島に存在しなかったもの、以前は韓半島の誰も試みなかったことを始めた。近代化のビジョンを具体化し目標を提示し、そのための各論と方法論を作り始めた。当時の将校らは韓国で唯一科学的に思考する集団で、情熱的で有能だった。経済建設はインフラの整備から始め、法令を整備した。改革のためのシステムもできた。外国からの借款を導入し、ものを生産して輸出した。

今や韓国人の誰もが知っているセマウル運動、 韓日国交正常化、輸出第一主義、森林緑化、自主国防、海外進出などが、朴正熙を中心とした新しいエリート集団によってあみ出された。

近代以降、世界各国で数え切れないほどのクーデターがあったが、近代化への革命として成功したのは「5.16」が唯一だ。韓国の「圧縮成長」の成功は、「韓国モデル(朴正熙モデル)」として世界的に知られた。

今日の大韓民国の成就は、朝鮮王朝時代以前の朝鮮人や「5.16革命」以前の韓国人がやったものでない。「5.16」は韓国人、韓国社会を変えた。韓国人の眠っている遺伝子を目覚めさせ、システムを変え、意識を変えた。以前とはまったく違う社会や経済構造ができた。韓国人の生の質は歴史上最高水準であり、韓国は世界が羨む、あるいは警戒する国に変わった。韓国は近代化を目指す多くの開発途上国に希望を与える存在になった。

 

未完の近代化革命

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大韓民国が近代国民国家として建国されたのは1948年だ。だが、本格的な国づくりは、1953年の停戦協定の後から始まる。1953年から35年間、つまり植民地時代とちょうど同じ35年間の年月を経て、韓国はオリンピックを成功裏に開催した。ソウル・オリンピックはソ連と東欧圏の崩壊消滅を早め、韓国は韓半島から自由民主主義を抹殺しようとしたスターリンに復讐した。

もし50年前の5月、革命がソウルでなく平壌で起き、韓国は「5.16」以前の状態のままだったら、今日の南北関係はどうなっていただろうか。

20世紀の成功国家の模範となった大韓民国は、李承晩の「建国革命」と朴正熙の「5.16軍事革命」抜きには語れない。

50年前とは比較できない豊かな環境の韓国社会がビジョンを失い、不安を感じるとするなら、それは「5.16」を歴史の一事件、例外の時代として捉え、折角目覚めた韓国人の進取的遺伝子を再び眠らせたためではないか。

だから、「5.16」は未完だ。韓半島の北部を解放するまでは。

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 本質を報道しないマスメディア

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佐藤 北の延坪島侵略が起きて3週間ほどが経過しましたが、マスメディアは、第七艦隊を中心とする米韓、日米軍の合同演習や「緊張する朝鮮半島情勢」というタイトルで、延坪島が攻撃され、島民が防空壕に避難する映像を繰り返し放映しています。勿論、危機をアピールすることは必要なことですが、どうしても気になることは韓国が、日本がこの事態をどう捉え、どう対処するかという問題意識が希薄なような気がしてなりません。

 テレビで連日歌舞伎俳優の不祥事が報道していますが、北の韓国砲撃の報道と一体どちらが大切なのか。あまりにもバランスを欠いています。このアンバランスが外から狙われて尖閣諸島問題を引起した要因の一つではないのか、と思っています。

北の侵略は北方限界線(NLL)をめぐって起きたのです。そもそもあのラインは如何なる経緯で設置されたのか、全てのメディアを見ていませんから断定的なことはいいませんが、1129日の本ネツト「金正日の野蛮の賭け」で洪さんが説明したもの以外は目にしていません。メディアは国民になぜ正確な情報を提供しないのか、とんでもない怠慢としか言いようがありません。

 

 NLLを動かす侵略

 NLLは、韓国戦争(朝鮮戦争)が停戦した1953727日時点で、制海権は国連軍が完全に掌握していました。共産軍は停戦時、東・西海のどの島も支配していません。波打ち際が境界線だったのです。 ところが国連軍司令官が白翎島の北を一方的に譲歩し、北の陸地と韓国の島との中間点にNLLを決めたのです。

再び指摘しますが、今年金正日の天安艦と延坪島への攻撃は、NLLを武力で移動させようとする、つまり停戦協定(1953年体制)による「現状」の変更を狙う侵略、戦争再開の宣言なのです。この捉え方が日韓ともに十分ではないのが最大の問題です。もっと言えば金正日体制の凶暴性の捉え方が不十分だから、戦闘機が空母から発着陸する映像を放映し続ける、劇画的ニュース報道に陥るのです。なぜ金正日を糾弾しないのか。

 

領土は力関係で決まる

佐藤 砲撃があった直後、NHKの「日曜討論」で砲撃問題を専門家たちが討論していましたが、金正日政権がなぜ攻撃して来たのか、ほとんど議論をしなかったように記憶しています。この事件の最大のポイントは今なぜ、北が砲撃してきたかです。南・北は経済力をはじめ、文化、教育、科学技術、農業など何を比較しても、比較の仕様もないほどの大差があります。つまり弱者が強者を攻撃してきたのはなぜか。

これを「中・朝」対「韓・米」という枠組みで見ると、アメリカの力の低下や中国の躍進という、より大きな戦略構図の変化が起きていることです。日本に民主党政権が誕生してから、沖縄の米軍基地問題などで摩擦が生じました。まさにそのとき、金正日が韓国哨戒艦を撃沈し、中国が尖閣諸島に出てき、金正日が延坪島を攻撃して来たのです。「領土(国境)は力関係で決まる」というのが私の持論です。今ひとつは韓国を脅してモノなどを取らなければ、北の政権がもたなくなってきているからです。

 

自主防衛

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 李明博大統領の行動は、暴力団が押しかけて家族に刃物を突きつけて生命を脅かしているのに、まず体当たりでもして家族を護らねばならない場面で、電話機を持って110番に電話ばかりして、早く来てくれないのが怪しからん、と言っているのと同じです。天安艦が撃沈されたときに、断固反撃をしていたら、あんなに簡単に延坪島攻撃は出来ません。今回も、空軍機が北の陣地をミサイル攻撃で打撃を与えておけば、次に容易に手が出せないのです。(*写真は北の砲撃を受けながら反撃に出る韓国海兵隊延坪部隊の砲兵隊)

 

能力と適性を欠く大統領

 佐藤 李大統領は反撃をしないで、「今後攻撃したら断固報復する」と、盛んに言っています。天安艦撃沈の時も同じことを口にしていました。 殴られてその場で殴り返さず、「今度殴ったら酷い目にあわせる」といっているのですから、金正日にとって痛くも痒くもありません。完全に足元を見透かされています。

 

 あの大統領は、原発を売り込むとか、仕事を取るなどの商売は上手ですが、国家の安保のために戦うという決断が出来ない臆病者です。天安艦撃沈の時の大統領と彼の取巻き達は、「予断するな」「北だという証拠を示せ」と軍の判断や対応を牽制したのが今年の3月、韓国民の誰もが記憶しています。北に対する制裁をあれこれ口にしたが、北に打撃を与える制裁は結局何もしなかったのです。

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延坪島が砲撃を受けたら軍がたるんでいるといって、国防長官を更迭しました。天安艦のとき、北を擁護した青瓦台(大統領府)の幹部は誰一人責任を取っていません。北は「先軍政治」を唱えて核保有を既定事実化しているのに、南は李明博大統領(*右写真)をはじめ政権の中枢に軍隊の経験のない人が多すぎます。これは致命傷ですね。危機に当って大統領が軍事を軽視し臆病では話になりません。だからこんな危機的状況に陥っているのです。

 

戦争を望む北住民

佐藤 臆病と言う点では鳩山由紀夫、菅直人両氏も、多分、日本国民も国を護るために断固と戦うという態度をとることは現状では難しいと思います。個人も国家も「失うもの」を余りにも多く持ちすぎました。

北の「強さ」は10年ほど前から、生活苦から現状脱出のため、一種の戦争待望論が国民の間に広まっているという話が伝わってきてきました。飢餓からの戦争待望論、豊饒からの戦争回避論。主観的にわれわれがなんと考えようと、飢えた狼の群れは、太った 動物に襲いかかってきます。

 

仁川空港が危ない

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佐藤 11月に、日本経済新聞の鈴置高史記者が小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞社刊)を出版しました。この小説の中で、仁川空港沖で韓国軍が誤って中国の貨物専用機を撃ち落し、仁川空港(*右写真)が全面閉鎖されたという話が出てきます。そのときウォン、株式の暴落。ハイテク部品の空輸が止まったとき、韓国経済に何が起きるのか、韓国が中国に飲み込まれていく過程が、詳細に描写されています。

私は、このくだりを読んだとき、咄嗟に1986914日、北がソウルのアジア大会阻止を狙って「金浦空港爆弾テロ」事件を思い起こしました。 金正日がこの次に韓国に仕掛けてくるのは、仁川空港テロではないか、と直感したことです。 情勢は、危険水準をはるかに超えていると現状を捉えるべきだと思っています。

 

 金正日が「西海NLLの変更」に出たのは、白翎島や延坪島など「西海5島」が、仁川空港だけでなく韓国の首都圏全体の息の根を完全に止められる急所だからです。つまり「停戦協定体制」の一部を変えることで、陸上の休戦ラインを破る全面戦争をしなくても韓国を事実上支配できる勝利を狙う戦略です。

金正日は人民を搾取し収奪して、結果的に今仰ったように戦争を肯定する状態に民を追い込んで、独裁者の野望を果そうとしています。もちろん、金正日の目論見は諸刃の剣でしょう。

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中国は、このような金正日の冒険主義を積極的に阻止せず、攻撃された韓国が憤慨すると「自重」するよう韓国、日本、アメリカに求めています。要するに客観的には金正日を擁護し、米韓日の力を削いでこの地域に覇権を拡大して行くために、中国と北は、お互いに利用し助け合っているのです。韓日米の外務大臣が、会議を開いて、中国にもっと金正日に圧力を掛けろといっていますが、見当外れもいいところです。(*写真は引揚される天安艦の艦首、20104月24日)

 

「摩擦と相互利用」

佐藤 ヤクザの子分が、親分の前で堅気の人間に向かって、大きな声で吠えて脅します。すると親分が子分を「まあまあ」と言って抑えます。これはゆすりたかりの常套手段です。中国に対して北に圧力云々など、親分に対して子分に圧力をかけろ、と言う話です。実態を知って駆け引きで言っているのならともかく、本気で口にしているのなら相手に馬鹿にされるだけです。

 ただ中国は、北京が射程圏内に入る北の核ミサイル保有は容認できないはずです。したがってこの面で両国は摩擦関係です。 反面、金正日に韓国を攻撃させ、米韓日3国を追い詰めることは両者にとって利益です。中朝の関係は「摩擦と相互利用」というヤクザの親分と子分の関係に酷似しています。

 

 限界のない我慢は奴隷

 北は、128日、白翎島の近くのNLLに大砲を打ち込んできました。限界のない我慢は「奴隷の我慢」です。 ヒットラーを増長させたのはイギリスとフランスの宥和政策であったことは広く知られた史実です。戦争を防ぐのは断固たる態度をとる以外にないことは歴史が物語っています。何よりも韓国は砲撃され、日本は尖閣諸島を中国に狙われています。ロシアも日米の合同軍事演習を公然と妨害してきました。相手()の意志が弱い、甘いと見れば、寄って集って襲いかかります。これこそ日韓米が直面している現実です。

 

現実を学習、将来に生かそう

佐藤 今東アジアで起きていることは、日韓米が、中朝にどう対処し、自由民主体制の安全を護るのか。金正日政権の「末期的自爆テロ」を未然にどう封じ込めるのか。情勢と課題は鮮明になってきました。日本の民主党政権は、合同軍事演習と言う名の戦争が始まったのに、この戦列から離脱し、党内の主導権争いにエネルギーを消耗しています。

政権が自滅するときはいつも似た現象が起こります。自民党も駄目、民主党はさらに駄目だった。選挙民はこの現実から何を学ぶのか。だが、この現実を作り出したのは他ならぬ有権者、有権者の(投票)行動です。自分のため昨今の事態を勉強して欲しい、と思います。

 

洪 金正日の挑戦やその背後の中国共産党の覇権主義、つまり大陸独裁勢力からの現状変更の圧力に立向かうためには、自由民主主義の価値観に対する確信とこれを護り抜くという意志が必要です。

金正日体制と中国共産党の戦略、攻勢の根源が軍事力、その中でも特に核ミサイルである以上、韓日は、向こうの圧力・戦略を一挙に無力化する戦略やこれを実行する意志を闡明する対応が避けられません。今のところ韓日が取るべき選択は中・朝への強力な独自の抑止力確報です。われわれの自由、われわれが享有する体制を護るための投資を今怠ると日韓は将来もっと高い代償を強いられることになります。(2010年12月12日)
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                                         対談 洪熒・佐藤勝巳(20101124) 

 

激動の2012年!

 佐藤 2012年には、米、韓国、ロシアで大統領選挙が行なわれ、中国では習近平が国家主席に就任(予定)します。北朝鮮では金正恩が後継者として現われ、2012年には「強盛大国」になると、最近連日報道されているように核ミサイルの増強に-奔走しています。東アジアでは、新しい秩序構築への模索や衝突が本格化しているなかで、特に危険極まりない独裁「金氏王朝」を支え利用している中国の膨張と覇権追求が際立ってきています。

 中国は、尖閣諸島をはじめフィリピン、ベトナム、その他陸続きの国とも領土紛争を起こしています。これが今後日本や韓国にとって何を意味するのか、対中国政策が、ますます重要な問題となって浮かび上がってきています。

 

 アメリカの覇権に挑戦  

  新しい秩序の構築においての最大の障害は中国の攻撃性です。国の戦略や政策の樹立において、韓国や日本、アメリカは民主主義国家ですから、「平和」を望む「民意」を無視できません。ところが、中国は一党独裁体制ですから国民の意思など関係なく、いや世論を操作しながら戦略や政策を推進するのが容易です。中国は深刻な矛盾を抱えながらも、経済力をつけてきました。中国共産党は膨れ上がった経済力を最優先的に軍事力に転換させつつ、韓国戦争(朝鮮戦争)停戦以降のアジアの現状、そしてアメリカの覇権に公然と挑戦し出したというのが現実です。

 

尖閣の地下資源

佐藤 また中国側は、資源の確保のためなら軍事力の使用も躊躇しないという攻撃姿勢を露骨にしています。今回の尖閣問題も、日本のメディアは報道を自粛していますが、相当量の石油が埋蔵されているといわれる尖閣諸島周辺を狙っての行動であると思います。中国は1993年から石油の輸入国になり、2000年代に入り穀物も輸入するようになりました。13億の人達を食わせていくのになりふりかまっておれない、という背景もあると思います。

 

「社会帝国主義」の帝国主義への復讐

 中国の行動には、イギリスとのアヘン戦争(18401842)以来、列強の貪欲の対象にされてきた屈辱の歴史を、国力が強くなった今こそ晴らすべし、つまり、かつての帝国主義国に対する報復という感情が根底にあると言われています。

それで、中国は現状打破を目指し、自己中心に歴史の書き替えに出ました。中国の次期指導者と言われる習近平副主席は、1025日、韓国戦争を「平和を守り、侵略に立ち向かった正義の戦争」だったと言いました。もっとも、中国側は2008年李明博大統領の訪中に際し、「韓米同盟は冷戦の遺物だ」とまで言ったのです。

 

 憲法の不備が侵略に道開く

佐藤 本ネット「情報の陰蔽はビデオ流出より何百倍も悪質だ」(2010118)で書いたように、「支配・被支配」は言うまでもなく、国家関係は力関係によって決まっていくのです。そういう問題意識から言うと、超観念論である日本国憲法の前文並びに9条が改正されない限り、中国は日本から反撃される心配はありません。安心して尖閣諸島に侵入する可能性が高いです。非武装の漁船が武装した巡視船に安心して体当たりしていた今回の映像が証明しています。金正日もまた、余裕を持って「日本人拉致は解決済み」とうそぶくのです。日本にとってこれほどの屈辱はないのですが、その自覚が、政権担当者にも国民にあるかどうかが一番問題なところです。

 

 メディアの自主規制?

洪 日本はアジアでー番先進社会ですが、安保問題に関する意識面では果たして大丈夫なのかという気がします。というのは、国力動員において最も重要な要素である国民意識の結集が難しそうだからです。普通の人々にとって、身のまわりの生活が大切なのは当然ですが、大衆への情報を牛耳るメディアのニュースの中身が、いくら商業主義と言っても、殺人とか放火など犯罪や事件が中心のような気がします。日常の些細な問題や知らなくても構わないような事件などで、結果的に、安全保障と関係のあるニュースを隅に追いやっています。どう考えてもバランスを欠いています。

中国に対して遠慮するのは、政府だけでなくマスコミにもあるのでは、という印象を受けます。もしかしたら、見えない自主規制でもあるのかな、と思われるほどです。政府であれメディアであれ、市民の健全な自覚を育てるのが彼らの仕事ではないのでしょうか。

       

 卑屈な菅内閣

佐藤 65年間も「平和」が続くと、こんなことになるのでしょう。尖閣問題の国会論議を聞いていても、尖閣事件は「第二の黒船」というより、中国が日本の領土を奪いに来たと捉えるべきもので、日本が直面している安保問題の核心です。ところが安保問題であるという認識を欠如しているから、手続き問題に終始し、刑事訴訟法何条に当たるがどうかなど、ずれた論議が見られます。与野党とも尖閣事件の本質を理解していないのではないか、という印象を強く受けました。

 また、恥ずかしいと思ったのは菅首相の態度です。 1114日横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に胡錦濤が参加することが分かるや、菅首相は胡錦濤に会いたいと申し入れ、中国側は直前まで返答を保留しました。そのときの菅首相の慌てふためいている様子が刻一刻報道されました。抗議と謝罪を求めるのならともかく、日本の領土を侵略しようとしている国のトップに、辞を低くして会わなければならない理由はない。会談しなくて困るのは胡錦濤のはずです。そうした見識とプライドがあれば、あのような卑屈な態度にはならなかったはずです。首脳会談のときメモを見ながらおどおどした菅首相の態度は正視できませんでした。あれが恥ずかしいと思わない菅直人なる政治家は駄目です。

会談は、たった22分間(通訳が入るので実質11)でした。具体的に何が話し合われたのかさえ不明です。菅内閣は、中国漁船が巡視船に体当たりをしたビデオも未だに公表せず、胡錦濤との会談の中身も国民に教えません。加えて閣僚の失言、辞任、そして妄言。政権担当能力の欠如が日々明らかになっています。それにしも国民はなぜこんな政党に投票したのか。深刻な反省が求められています。

 

 予測可能なのだが

 天気予報は過去のデータを活かして予報します。外交や政治においても、革命的な場合でさえも、科学的な予測や判断を可能にする多くのデータがあります。このような科学的な姿勢が危機管理の出発点でしょう。

私は今度の尖閣諸島での衝突映像をなぜ公開しないのか理解し難いです。そもそも、そういうものを秘密にすべきなのか、一体何時まで隠せたのかが疑問です。映像を公開せず得られる、あるいは期待する利益と、堂々と公開して得られる政府への信頼を比較して見たのでしょうか。

 

 佐藤 民主党政権の外交は普天間も、尖閣も話になりません。中国の攻撃にどう対処するのかは、日本の将来、国民の意識や士気に影響する焦眉の課題となっています。日本の製品の輸出・投資先などを中国から、戦略的に転換すべきときです。日本の領土が直接脅かされても人質のため反撃し難くなります。 安保環境を急遽整備すべきです。

日米安保条約第5条でアメリカが日本を守ってくるかのような幻想がありますが、自分の領土を護る自覚も覚悟もない国を、同盟国アメリカが護ってくれるはずがありません。甘い幻想は早く捨てるべきです。この一点だけでも、民主党に政権担当させておくことは危険です。

 

 洪 中国は軍事力で直接周辺を脅かすだけでなく、帝国主義中国の尖兵として失敗国家の「金氏王朝」も利用しています。「金氏王朝」も、中国を背景にして核の暴走を止めようとしません。いや、2006年の北の核実験からの歴史を見れば分かるように止められません。

中国の覇権主義に加えて、金正日の核の脅威にさらされている日本と韓国は、賢く勇敢な対応が求められています。平壌側は、金正恩への世襲を含め、今の暴圧体制が続く限り、哨戒艦撃沈、延坪島攻撃など凶暴な独裁政権の本性を露わにしています。中国が金正日の核武装暴走を許し彼らの尖兵として利用する以上、北の核問題への対応も、結局中国共産党の覇権に対応する課題に帰結します。韓国と日本は、自由と法治、人権という価値を中心に、米国との同盟を強化しながら、アジア・太平洋地域の国々と連帯するしかありません。

また、韓日両国の政治指導者たちは、新しい連帯・同盟の強化の前に、まず、「南北首脳会談」のような平壌側の撹乱戦略・戦術に騙されてはなりません。
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北韓側が遂に韓半島の現状変更への最終的実力行使に出た。北側は1123日の午後、延坪島に不意打ちの無差別砲撃を浴びせた。平壌がウランの高濃縮施設を国際社会に公開した直後だった。

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 北側は、今までも57年前調印された停戦協定を破棄すると何度も闡明したが、いよいよNLL(海上北方限界線)を消すための決定的な攻勢、つまり休戦体制の変更に挑んできた。これは世界の注目を引くための単純な性格の挑発でない。南・北の一方が消滅することで終わる戦いが始まったのだ。李明博政権と韓国民はこのことが果して分かっているのか。

 

今年の始め、私はソウルである脱北者から衝撃的な話を聞いた。この脱北者は自分の北韓内の人脈から最近聞いた話としながら、西海岸に駐屯する軍団に白翎島奪還方針が下されたと言った。ただ、実行指示はまだ降りていない状態と言った。半信半疑したが、間もなく北側が西海のNLL水域に海上制圧砲撃をするのを見て、信じるようになった。何しろ、この砲撃はTOT射撃だったと伝えられた。実際にTOT砲撃だったら、これは海上目標に対する訓練ではなく、明確に白翎島など西海5島への攻撃訓練、威嚇と判断するのが常識だった。

 

それで韓半島情勢の説明の時は、白翎島への上陸挑発まで想定せねばならないと何度も警告した。この警告は「天安艦事態」という形で現実化した。実は、こういう予測(判断)には、それほど多くの情報は必要ない。金正日体制の属性や危機管理に対する常識があれば可能なことだ。

 

「延坪島事態」を伝える報道を見て、西海5島住民たちは、天安艦事態の後も防毒マスクどころか、安全な待避所も整っていないことが分かった。天安艦事態の後も何もしなかったのだ。危機管理の出発点は、自らを客観化し、何より危機の存在を認めることだ。危機の存在も認めないのに、どうして危機に対処することができるのか?

 

そもそも、李明博大統領は天安艦を撃沈させて大韓民国に恥辱を与えた敵と、自分を歴史的な笑い者にした親北補佐陣に全く怒らなかった。大統領の判断と行動を誤った方向に導いた補佐陣が問責どころか栄転した。失敗に対して総括や反省がなかったから問責があるはずがない。 外国から見ると、李明博大統領は理念とか義憤、公憤心の以前に、概念と責任意識がない人だ。人間の考えは言葉で表現される。李大統領は今回も北側の攻撃の報告を受けて「戦闘が拡大しないように」と言って、全国民の腸えくりるようにさせ、敵の嘲弄を買い、またも国際社会の笑い者になった。

 

この左翼補佐陣らが相変らず南北首脳会談にこだわって来た模様だ。恐らく、G-20まで終わった今、李明博-金正日会談だけがレームダックを遅らせられると大統領を説得中なのかも知れない。大統領の国民統合特報(金徳龍)は、外国にまで出て在外同胞に南北関係改善の必要性を説破(?)して廻り、在外住韓国人たちの軽蔑や顰蹙を買っている。

 

青瓦台内の左派と従北勢力は、南北首脳会談実現のための「天安艦出口戦略」を摸索する過程で、北核問題や金剛山観光客射殺事件などは最初から除外し、「天安艦攻撃への謝罪」だけを言っている。ここで「延坪島事態」が起きたから、親北(従北)勢力らは、今度は天安艦まで延坪島で塗り潰そうと出るはずだ。突破(克服)し難い難関は、新しい難題を作って掏りかえる、平壌側が難しい局面ごとに駆使してきた最も古典的で効果満点の手口に、南韓内の従北勢力と日和見主義の中道勢力が積極的に呼応する構図だ。

 

平壌側は恐喝すれば南側が屈服すると確信している。金正日がなぜ偵察総局というものを作ったと思うのか? 天安艦事態の後も韓国の来年度予算案に国防費がどのように編成されているのか? 韓国は、当面の北核への対応どころか、2015年の連合司令部解体後に備える戦力増強も到底望めない状況ではないか? GDP対比の国防費支出比率で、李明博政府は世界平均値も支出するつもりがないことが明確だ。これは平壌側に、南韓を挑発し恐喝し続けても良いというサインを送るも同然だ。

 

大勢の韓国人は安保を無料と考える。間違った生活習慣が健康を致命的に破壊するように、安保を無料と考える国は致命的、破滅的危機を招く。金正日は中国を後ろ盾にして韓半島の現状変更の宣戦布告をやった。韓国が今の絶体絶命の危機を乗り越えるためには、考えや行動を変えねばならない。韓国は直ちに核武装の宣言、あるいは核武装権利を闡明し、国防費を画期的に増やさねばならない。

その前に、韓国内の親北勢力を粛清せねばならない。敵に内応する反逆勢力を放置して戦争はできない。戦争を避けたければ戦争を準備しなければならない。(20101123)

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対談 洪熒・佐藤勝巳(20101013

  佐藤 注目された朝鮮労働党代表者会(928)を通じて「党指導機関」の人事が公表されました。まず、今度の会議を朝鮮労働党の歴史の中で、どう位置づけるか、ということが重要かと思いますが……

  党を破壊した「唯一指導体系」

   そもそも金正日は、父から絶対権力を承継しながら、「唯一指導体系」(注1)と称して党の規約などを完全に無視し、党大会も中央委員会総会も開かないまま、党組織をただ個人神格化独裁の道具にしてきました。その結果、1980年の第6回党大会では145名いた党中央委員が、死亡や失脚等で77名になくなり、68名しか残っていませんでした。5名いた政治局常務委員も1名だけだった。政治局委員、同候補、書記局員も、党大会などを開かないのですから、死亡しても補充すら出来ません。結局、党組織全体をガタガタにしてしまったのです。

  多分、金正日やその一族は、ここに至って、金氏王朝3代目への世襲を決めながら、これを自分が決めたのではなく労働党が決めたものだ、と逃げようとしています。

 (注1)唯一指導体系 革命の党は首領に指導されねばならないという「革命的首領観」に基づく北の鉄の個人独裁システム。1960年代から金日成は、自らの「抗日闘争」だけを党の唯一の抗日革命伝統として打ち出し個人崇拝体制を確立し、朝鮮労働党の金日成党化を図ってきた。金正日もまた、後継者としての自分の地位を構築する過程で、父・金日成を神格化する「党の唯一思想体系確立の10大原則」(1974)と共に完成させた。今回の金正恩への権力世襲の試みにおいても、「党の唯一領導体系」の確立が強調されている。

 

  党破壊の「先軍政治」

  佐藤 北は韓国を赤化するため、スターリンと毛沢東の全面支援を得て南侵戦争(1950~53年朝鮮戦争)までやったのに失敗しました。そこで金父子政権は、核ミサイルなどによる軍事力強化に、ヒト、モノ、カネなど北の全資源を投入してきたが、間違った目標と戦略で国の体制そのものが崩れ出してきました。すると金正日は父の死後、「先軍政治」(注2)と称して暴圧体制一層強化し、昨年はとうとう自分が委員長である国防委員会を「最高権力機関」と憲法に規定しました。

 (注2)先軍政治 この言葉が朝鮮労働党に最初に現われたのは1997年、金正日が「総書記」に推戴されたときからである。金正日は朝鮮人民軍を社会主義建設の主力とみなし、「先軍政治は私の基本的な政治方式であり、我々の革命を勝利に導くための、万能の宝剣です」と述べている。マルクス・レーニン主義は、間違っているが、社会主義建設の主要勢力を労働者、農民と規定している。先軍政治は、これとも異質のものである。

 

  特権維持を狙った党代表者会議

  佐藤 2008年夏、金正日は病気で倒れ、昨年春も体調を崩したといわれています。見た目にも最近は老いが目立っています。党組織が機能しない上、カナメの独裁者が亡くなったら、収拾のつかない混乱が容易に予測されます。金正日の死後、金氏王朝が全面否定されたら金氏一族はもちろん、残された幹部たちは真っ先に特権的地位を失ってしまいます。だから幹部たちがポスト金正日体制作りを急いだのでしょう。
 今ひとつは中国です。本欄でも繰り返し指摘してきたことですが、北が混乱して自由民主主義が中国国境まであがってきたら大変だ、と彼らは考えています。だから、現状維持の一点で中国と北の支配層との間で意見が一致したことで党代表者会議になったということでしょう。

 

  無茶苦茶な混乱

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   党規約に「朝鮮人民軍は……朝鮮労働党の革命的武力である」(7章)と明記されています。当然のこととして軍は党中央軍事委員会の指導下にあるはずです。ところが先ほど触れたように、国防委員会を憲法で「最高権力機関」と規定しました。金正日のいう「先軍政治」は、前述のように軍が社会主義建設の「万能の宝剣」と主張していす。
 ここで興味深いのが、国防委員会が党中央委員会の指導下にあるのかどうかです。今は党の総書記も国防委員長も同じ金正日で、また「唯一指導」で、独裁者金正日の言葉が絶対法ですから、本人は矛盾しないのかも知れません。常識的には、わざわざ新しく構成した中央軍事委員会が機能すべきですが、どうでしょうか。それにしても滅茶苦茶な混乱で、金正日独裁の実態をよく反映していると思います。

  佐藤 そもそも党大会も党中央委員会総会も開催されていないのに、国防委員会が「最高権力機関」と位置づけられたのは、言うまでもなく金正日が決めたことです。だったら、党代表者会など開く必要はないわけです。金正日が「俺の後継者は正恩だ」と宣言すれば、幹部も党員も国民も全部従います。ここに来て、なぜこんな党人事を行なったのか。金正日自身が自らの限界、余命を自覚したということなのか……

 

  金正日独裁に変化なし

   「党指導機関」のメンバーは当然親族、側近、軍の忠臣たちです。そして政治局員の平均年齢は約78歳ぐらいですが、「政治局員」という「勲章」を与えたという感じです。困難を打開するパワーを全く感じとることが出来ません。独裁者金正日が亡くなったら、政治局が権力の果たして受け皿になり得るのかも分かりませんが、仮にそうなったにしても、また、金正恩を支える権力機関になったとしても、平均年齢78歳の老幹部たちに耐え得るはずがありません。

  いわゆる「党指導機関」が構成はされましたが、金正日が生存している限り最後まで権力を手放すなどあり得ない話です。現に独裁者の手足や目や耳となって動いている実働部隊・縁の下の力持ちら(書記室)は、政治局員、書記局員などに顔を出していませんが、「唯一指導体系」は健在、機能しています。

  佐藤 金正日の日課・行動日程、随行者の決定、警備、体調の管理など具体的に仕切っている手下らが本当の権力を持っています。現時点では政治局員、政治局常務委員などは、後期高齢者に贈られた「称号」のようなものと考えるべきものでしょう。金正恩は、父の正日だけが動かせた「唯一指導体系」の引継ぎに成功するだろうか。

 

  封建反動クーデター

   正恩への権力世襲とは「独裁システム」を継ぐことですが、それは無理でしょう。それにしても、平壌の金正日体制や一族の状況認識や対処能力はお寒いものです。飢餓の国で、どうしようもなく硬直したシステムを、肥満型の餓鬼に大将の階級を与え、暴力で国民を抑えさえすれば、権力継承や体制の維持が可能だと思っているようですね。それとも、そう期待するしかなかったのかも知れません。

  21世紀のこの世の中で、「人民共和国」を「王国」に変えると宣言したのだから、これこそ「封建反動クーデター」です。金正恩への世襲は金正日の最後かつ最大の失敗作、自殺策だったことが遠からず判明するはずです。

 

  数々の疑問人事

  佐藤 金正恩が、なぜ国防委員会の副委員長でなく、党中央委員会軍事委員会副委員長(新設)なのか、です。また、国防委員会副委員長の呉克烈はただの中央委員で、政治局員候補にすらなりませんでした。同じく副委員長の張成沢は、金正恩の後見人と目されていたのに政治局員候補です。国防委員会内部で何かが起きていたのか。また、張成沢の妻、金敬姫は大将で政治局員、発表された序列が夫より上なのは何を意味するのか。今指摘した数々の疑問は、そう遠くない将来解明されると思います。金正日が死亡したら、諸々の矛盾が、路線対立と絡んで表面化します。27歳の正恩ではとても手に負えません。

   今までの北に関する認識は、発表された肩書きや序列で権力の大きさと捉えてきましたが、今回の党人事はボロボロの状態です。金正日や金正恩を擁立する勢力が今のところできたのが上記の宮廷内人事です。つまり今回の人事を、金正恩後継への始まりと見るべきか、それとも終わりの始まりと見るべきかですが、本当の権力闘争や粛清はこれからです。

 

  水面下で巨大な潮流

   これまでの対談で何度も言及してきましたが、暴圧体制の下で人民の暮らしを支えてきたのは「市場」です。住民の80%近くが、金正日らとは関係なく、市場からモノを買って生きています。需要と供給によって商品の価格が決定されているのが、すでに15年間も続いています。この過程で、金正日らに頼らなくても生きてきたという自信が、人民の意識を変えたのです。

  金正日体制や労働党は、人民という水の上に浮いている油に過ぎません。暴圧体制と「市場勢力」の対決は、北の情勢を見ていく上で見落とすことの出来ない重要なファクトです。

  佐藤 昨年末の「通貨改革」が失敗した理由は、市場を武力で弾圧できなかったことです。軍、公安機関、党機関なども独自に商社を持って資金稼ぎをしていますが、彼らは中国などから仕入れた商品を、市場を通じて販売していたので、肝腎の市場を潰したら、自分たちの資金稼ぎが出来なくなってしまいます。つまり、住民だけではなく、党、公安、軍も市場にがっちりと組み込まれていたことが明らかになったのです。

  他方、水面下では韓国から、モノ、カネ、映画など資本主義文化がDVDなどを通じて流入してくる。空からは独裁体制批判のビラとドル紙幣が降ってくる。確実に独裁体制を脅かす「攻撃」が進行しています。これが効果を発揮しているから、軍は風船打ち上げ場所を「武力攻撃する」と悲鳴をあげています。これらの動きがどういう形で政治と結合、顕在化するのか現時点では分かりませんが、極めて注目すべき動向です。

 

  金正日を支える中国

   この暴圧政権を倒れないように援助しているのが中国です。結果としてではあるが、判断ミスによって独裁政権を助けてきたのが、韓国の親北左翼政権、アメリカ、日本の歴代政権です。思惑はそれぞれ違いますが、各国とも現状の固定化で利益を見出していることです。それで核を破棄させることが出来たのならまだしも、逆に核開発は進み、北韓の住民の人権侵害などは全く改善されていません。

  天安艦を撃沈した金正日政権を恥知らずにも庇護し続けている中国の対応は、明らかに犯罪者への共犯です。だが、これに対してようやく世界の厳しい目が向けられるようになりました。

 

  暴かれた中国の正体

  佐藤 尖閣諸島で起きた中国「漁船」の海上保安庁巡視船への衝突事件は、第二次世界大戦後、日本国民が「中国の正体」を知らされた劇的な事件でした。身近の国民の健全な反応を見て、「太平の夢」から覚める可能性がある、と思いました。

  オバマ政権は、7月から日本海と黄海で韓国軍と合同軍事演習、11月からは日米の合同軍事演習が東シナ海で行ないます。情勢が急展開をしていることは歓迎すべきことで、「6者協議」など話題にも上らなくなりました。

   そこに中国の民主化活動家にノーベル平和賞が授与され、中国共産党の報道規制が全世界に明らかになり、ノーベル平和賞の授与が的を射たものとなりました。中国は逆に、北京オリンピック、上海万博の「成果」が吹き飛んでしまった感じです。韓国でも天安艦撃沈を契機に、中国への警戒心は、中国が60年前韓半島を侵略した「韓国動乱」以来最も高くなっています。国際政治は一寸先が闇です。

 

  独裁政権との闘い放棄は自殺行為

  佐藤 雲霞(うんか)のごとく尖閣諸島に中国人が押しかけて、日本の領土が中国に奪われるかもしれません。時代に対応できない金正日政権や菅直人政権が、半年後に存在しているのかどうか予測できない時代に入った感じです。

   恥ずべき親子3代にわたる権力世襲、国民のあらゆる人権を蹂躙し、核ミサイルを開発し続けている独裁政権を、関係国の目先の思惑や指導者たちの無能・卑怯さで生かし続けるのは民主主義の自殺行為であり、歴史の前進を止めたと裁かれて当然かと思います。(2010年10月)

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 対談 洪熒・佐藤勝巳(2010916)

 

添付画像
佐藤 9月上旬に「朝鮮労働党代表者会議」(直訳すれば「党代表者会」ですが、日本語になじまないので「会議」とする)を開催すると既報のごとく朝鮮労働党政治局の名義で623日公表しました。914日現在、いまだ開催されていません。15日までが上旬などと言うばかばかしい話が韓国で言われていますが、独裁者の気分で、会議のドタキャンなどは珍しいことではありません。問題は理由です。

 

 金正日の体調に問題はないのか?

洪 ソウルでは、金正日の体調が悪いため党代表者会の開催が遅れているという見方が多いですが、912日付朝鮮中央通信は、金正日が中国との境の慈江道満浦市にある「満浦運貨工場」(*軍需工場)を現地指導したと報道しました。恐らく、平壌側は金正日が不調で慈江道内の別荘で休養している、という内外の観測を払拭するため、満浦市の軍需工場などを「現地指導」の写真を公開したのではないかと思われます。

 

佐藤 ソウルなどでは党代表者会議がいつ開かれるか、幽霊の息子たちの一人が「後継者」として登場するのかと、息を潜めて見つめ、あれこれ推測しているとき、当の「将軍様」は国境のどこかの別荘で休養。慈江道満浦市で現地指導している。思わず笑いたくなる現象です。北らしい、地球は「将軍様」を中心に回っているという、「主観的で楽天的」な非常に興味ある行動です。

 

訪中、隠れた目的

洪 北は、いつもお祝いの日には、国民に何か特別にモノを下賜(かし、身分の高いものが低いものにモノなどを与えること)してきました。今回予告通りに党代表者会議が開催されないのは、党代表者会に参加する代表や人民に下賜すべき「お祝い品」が用意できなかったため、ということも考えられるのではないか。金正日の8月訪中の目的は、本ネットで二人の対談「金正日訪中“6者協議”再開の謀略、上・下(989)」で触れたように、オバマ政権の抑止力行使にどう対処するか、と言う緊急課題のほか、党代表者会議の際、金正日がお土産として人民に下賜するモノを中国に無心に行ったという、今ひとつの課題もあったと思います。

 

唯一指導体制で党組織が麻痺

佐藤 国民に物を配ることが指導者の重要な「権威」付けは金日成時代から、あの国の政治文化です。それが出来ないから、代表者会議を延期、または中止と言うことは大いにあり得る話です。

ただ、金正日はそうかも知れませんが、他の幹部達は金正日の体調に急変が起きたら、後、どうなるか(あるいはどうするか)と言う深刻な問題を抱えています。

党代表者会議で党中央委員が選出されると、同中央委が書記局員、政治局員、政治局常務委員を選出することになる。世の中は、ポストに座る人によって政治が大きく変わります。共産党組織は事前に党組織が候補を決めて会議に臨みます。「大会」とか「会議」は単なる承認のセレモニーに過ぎません。

朝鮮労働党は、党大会が30年間も開かれなかったし、中央委員会の全員会議も17年間開かれていません。当然のことながら、道()単位、市や郡単位の党組織の大会も開かれていません。末端の細胞の総会も開かれていないはずです。

党規約では、各級党組織の指導機関は民主的に選挙することになっているから、各級地域党の最高指導機関は、該当党委員会の総会で選出させます。だが、「唯一指導体系」の下で、党規約上のこういう「民主的」手続きは完全に停止(事実上廃止)され、すべてを中央党の組織指導部が一方的に指導してきたことは周知の通りです。

つまり、金正日が党権力を掌握してから4半世紀、世襲独裁体制の下、2百数十万の党員は独裁者の走り使いになり下ったのです。党規約でいう党の機能は完全に麻痺・退化しました。今回各地域で党代表者会議に出席する「代表者」を選出したという話も伝えられましたが、党代表者会議に参加する最低数百人と推定される代表者リスとを組織指導部が作成したのでしょうか。国防委員会が最高の権力機関と決定したのは昨年の11月です。このリスと作成は国防委員会ということになります。この関係も全く不明です。

 

誰が、誰に金正日の命令を伝えるのか

佐藤 北では、金正日の命令と言えばなんでも通りますが、その場合党幹部の誰が、例えば張成沢、呉克烈か、組織指導部、国防委員会か、誰がリスとを作成し、金正日の承認を得るかによって、中央委員、政治局員などの顔ぶれが変わってきます。ここが重要なポイントです。自分の息のかかった人間を中心に集めることも可能だからです。その辺がどうなっているのか、全く不明です。仮に、反対派からクレームがついて「代表者の構成」が混乱して、党代表者会議が延びている可能性は否定できません。

 

党人事の特別な意味

 金正日が生きている限り、政治局がどう構成され、誰が「後継者」にされても、金正日独裁は変わりません。だが、これからの党代表者会が決める党指導機関は、やはり特別な意味と役割を持ちます。それは、金正日が死ぬと、政治局と政治局常務委員会が党の最高権力機関として機能し始めるからです。

まずは、「唯一指導」という一人独裁から、次の体制が定着されるまでのその移行過程を管理するのが政治局の仕事になるでしょう。例えば、大統領中心制の国で政権が交代する時の「政権引継ぎ委員会」のような存在です。朝鮮労働党独裁の持続を願う勢力にとって、この新しい「政権引継ぎ委員会」を押さえることは彼らの死活の問題だと思っているはずです。

もちろん、労働党内部の権力闘争の結果がすべてを決めるわけではありません。朝鮮労働党そのものが内外からの挑戦に直面するからです。この話は長くなりますから別に機会にしますが、とにかく、ポスト金正日時代の労働党は、まずは政治局が中心的存在になるしかないでしょう。

 

胡錦濤、改革開放促す

佐藤 そこでたちどころに問題になるのが経済です。中国の胡錦濤が827日、金正日との会談で、経済の発展は自力更生でなければならないが、対外合作も切り離すことはできない。これは時代の潮流であり、急速な国家発展の必須の道である。中国側は、朝鮮側の安定維持のための経済発展、民生改善への積極的な措置を尊重し支持する」(92日新華社通信)と、明確に「潮流」であり、「必須の道」だと言い切っています。労働党幹部の中に、この主張に同調する幹部が無視できない程いると、前から伝わってきていました。この考えは金正日を中心とする朝鮮人民軍の「先軍政治」とは真っ向から対立する考え方です。

ポスト金正日を念頭に置いたら、今回の代表者会議での党人事は、最初から路線対立を内包したものです。ですから、代表者会議の党人事は党幹部らにとって自分の運命を左右する重大なものであり、人事の意見調整に手間取っている可能性があります。

金正日は自分の死後のことなど考えていませんが、党幹部や中国はそんなわけには行きません。いま一つ張成沢などの党幹部達と金正日との間に、この代表者会をめぐり十分な意思統一がなされていないのではないか、との疑念も湧いてきます。

いくらなんでも今回の党代表者会議は「ポスト金正日体制確立を目指すもの」と言うことはできません。形式論理で言うなら、党規約に基づく党代表者会の招集事態は「唯一指導体制」の否定です。このへんが金正日と幹部達の間でも、どの程度の意思疎通があったのか。いずれにしても鋭い矛盾が顕在化したことは間違いありません。

 

なぜ、同じ手口を見抜けないのか

佐藤 ところで金正日は、先月の満州訪問後、韓国に対して拿捕した漁船を「無償で」釈放し、秋夕を期して代償を求めず離散家族の再会を提案しました。これは、中国側が、金正日が望むような援助を約束しなかったためです。生かさず殺さずの中国の姿勢は変わっていない。だから、金正日はモノが取れそうな李明博政権を揺さぶるわけでしょうが、李明博大統領は情けなくも金正日に甘く見られたものです。

 

洪 李明博政権は、天安艦事件で46名もの犠牲者まで出たのに、金正日への膺懲・報復を実行しませんでした。逆に、中・朝が、欺瞞的な「6者協議」を口にすると、水害に対する人道援助と反応しています。

平壌が(アメリカの傀儡と罵ってきた)ソウルに対して柔軟な態度を取るときは、アメリカとの接触が駄目な時だけです。

今回の離散家族の再会提案などは、アメリカの断固たる姿勢でどうしようもない北側が、南北首脳会談に未練を持つ李明博大統領を引きずり込み、援助を引き出し、国連や国際的な制裁を無力化するための「撒き餌」です。彼らが数十年間駆使してきた古典的戦術・手口そのものです。

だから、こういう時平壌側に呼応する行為は、(韓米)同盟関係を裏切る行為と言われても当然です。

 

 全体主義と共産独裁を終らせなければ

 韓国の愛国保守勢力から見れば、この30年間、金正日は皮肉なことに「唯一独裁体制」で朝鮮労働党の機能を麻痺させました。だから金正日の死こそ、彼が築いた野蛮的暴圧体制と朝鮮労働党を解体して、奴隷状態の北住民を解放し、北の非核化を実現するまたと無いチャンスです。

「朝鮮労働党」特権層の既得権や、失敗国家()を利用する中国共産党の覇権主義のため、100年間植民地の北韓の現状維持を認めるわけにはいきません。「党代表者会」が開催されても、されなくても、失敗した封建世襲独裁、人権地獄、テロ基地など悪と不義は終焉させねばなりません。

 

佐藤 繰り返し言及してきたことですが、民主党政権の間違った自虐史観などから早く目覚めて、東アジアの現状変更への動きに積極的に対応すべきです。日本の安全と繁栄のためにも、北の人民の解放の好機を逃してはなりません。それが拉致奪還と非核化に繋がるのです。何より政治家たちの自覚、メディアの現実認識の正常化が望まれます。

 

 

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破防法上の監視団体

佐藤 総連は「民族学校」の学生たちを、「朝青」、「留学同」などに組織し、政治的行事に動員します。「民族的」対立を煽り立て、暴力と無理押しを正当化する行動を先頭に立てています。総連とその構成員は数多くの違法活動を繰り返していますが、この学校はそれが問題になると決まって生徒に「民族」弾圧だと「教育」し、実践させています。

総連が自慢する「朝鮮大学校」は、海外では唯一の「首領様(金正日)の革命戦士」を養成する教育機関ですが、朝鮮高校生はこの朝鮮大学校への進学を準備する下部の教育機関です。「首領様の革命戦士」(朝鮮大学校出身者)が、高校生の指導に当たっていることは言うまでもありません。

「首領様の革命戦士」を養成する教育機関を、日本はどうして国内に存在させているのか。いや、なぜ国内に朝鮮労働党の存在を許しているのか。総連も朝鮮学校も破防法の監視対象なのですが、政府には、国家主権が侵害されているという自覚が全くありません。雑誌「現代コリア」は1980年代後半から朝銀信用組合の実態を暴露し、「朝銀」への公的資金投入に反対し続けてきました。しかし、自民党政権は耳を貸しませんでした。耳を貸したのは、20006年に出現した安倍晋三政権からです。

 

 朝総連側は、いわゆる「民族教育権」についての根拠として、世界人権宣言(2条、26)、国際人権規約(A規約第13)、甚だしくは日本国憲法(26)や教育基本法(3)まで動員しています。自分たちが拒否し、戦い、破壊しようとする「敵」の価値や法的体系に保護を求める自己矛盾や欺瞞を平然と行っています。

北の人権状況、脱北者、特に数万円で中国各地へ人身売買される朝鮮の女性や拉致被害者の問題からは目を向けず、なぜ「世界人権宣言」とか「日本国憲法」など云々出来るのか。朝総連は日本に対して「権利」を要求する前に、北の同族の人権、北へ帰還した身内の人権のために金正日に立向かうべきではないでしょうか。

佐藤 彼らは「敵の武器を奪って敵を倒す」というパルチザン(ゲリラ)戦法のつもりで「世界人権宣言」などと言っているのでしょうが、いくらなんでも民主党は北の核開発を容認するとか、拉致問題をいい加減に取扱うことは、もう出来ません。一番大きな変化は、金正日政権が貧乏になって、日本の政治家を買収できなくなったことです。金正日政権に対する経済制裁の効果はこの面からも評価できます。

 それにしても日本には言論の自由があるのに、どうして朝鮮労働党が日本国内で活動している事実を報道しないのか、日本社会の常識と自由民主主義の質が気になります。

 

思考能力、対応能力の劣化

佐藤 労働党の活動を云々する以前に、報道側に大きな問題があります。それは各種学校への授業料支援についてです。総聯の学校は「各種学校」です。しかも、法的に教員資格の無い教師がほとんどです。201051日現在、各種学校数は1467校あります(文部科学省専修学校教育振興室を取材)が、朝鮮学校以外の各種学校で授業料支援が問題になっているところは皆無です。もし政府が支援を決定したら、法の前の平等が崩れてしまいます。ところが取材記者たちは、逆差別が生まれることを政府が率先してやろうとしているのはなぜなのかという疑問・問題意識も持っていません。この国はあらゆる分野に劣化が起きています。

 

観念的な歴史認識

佐藤 金正日政権が日本人を拉致したことは、2002年金正日自身が認めた以来世界中が知っています。また金正日は2006年と2009年に原爆実験を行い、これも全世界が知っています。核・ミサイルの向く先が韓国と日本であることを金正日は隠していません。この事実を民主党政権が知らなかった、いや知ろうとしていなかったから、米軍基地を沖縄県外に移設するという、とんでもないことを鳩山前首相が言い出したのです。

沖縄の米軍基地は金正日政権と中国共産党政権などへの抑止力として存在するものです。菅直人氏は鳩山内閣の副総理、官房長官の仙谷氏は閣僚でした。鳩山氏と思想的に違うはずがありません。普天間基地移設問題、今回の菅首相談話、朝鮮高校生への授業料支援問題は、民主党政権の「贖罪意識」に基づく、観念的歴史認識から出てきた誤った政策なのです。

あの「談話」の中で日韓の未来志向に言及した箇所がありますが、金正日は今年の3月韓国の哨戒艦撃を撃沈し、さらに韓国に戦争しかける、724日には核兵器の使用まで口にしています。それに菅談話は一言も触れていません。なぜか。植民地支配に対して「贖罪」し、金正日に「謝罪」しているから言及することすら出来ないのです。あの談話は本当に国を滅ぼす歴史認識に裏付けされている危険極まりないものです。

深刻なのはこの亡国の歴史観は民主党だけのものではなく、朝日新聞、岩波書店、社民党、共産党、連合などの労働組合、高級公務員、自民党の一部にも存在していることです。治らない病気を宿痾(しゅくあ)と呼びますが、正しくそれです。亡国を回避するために、非科学的な「贖罪意識」は目的意識的に戦う必要があります。

 

義憤も公憤もビジョンもない日本社会

佐藤 また、菅総理は「談話」の中で日本人が拉致されたことに一言も触れていません。主権や人権を侵害されているのに、民主党政権には侵害されたと自覚も憤りもなく、侵害している集団に国民の税金で援助するというのだから呆れます。今回の政権交代によって朝鮮問題の質は、19909月、20年前の金丸訪朝時代に戻ったという印象は拭いきれません。

「菅談話」は、核武装に狂奔している北の独裁体制に対し、日本の安全、民主主義による統一、非核化を断固求めるべきでした。拉致の奪還にも触れず、「贖罪」などの繰り言を続ける日本政府は、世界中から馬鹿にされるのが落ちです。

 

北を植民地から解放

  「菅談話」が植民地支配を本当に「反省」するなら、反省の上で未来に向けて何をなすべきかを表明されたらよかったという気がします。現に、北は100年前日本の植民地になり、65年前(1945)恐怖のスターリン主義が移植され、南北が分断された。北の人民は今100年前よりも悲惨な状況に置かれています。つまり北はこの100年間ずっと植民地状態が継続されてきたのです。

これは事実です。「民主主義や自由、市場経済といった価値を共有する最も重要な緊密な隣国同士」(管談話)と本当に思うなら、北を植民地から解放することが談話の中心課題にならなければ、論理的にも現実的にも「緊密な関係」の中身が虚しく聞こえます。

韓日両国の指導者に求められるものは、未来に向けて安全と希望へのビジョンです。

 

アジアに自由と民主主義の実現を

佐藤 この100年間、日本も韓国も自由民主主義国家に生まれ変わりました。日韓はもうそれ以前の体制に戻ることは不可能です。日韓両国の前に自由と民主主義を脅かす勢力が現われれば、「東アジア共同体」などという観念論ではなく、両国はその脅威と具体的に戦い、北だけでなく、自由を望む大勢のアジアの人々に自由を保障するために、力を合わせねばならないと思います。

 

菅首相は、827日朝鮮高校授業料支援問題を先送りし、党の政調会に検討しなおすよう指示したという(産経新聞828日付)

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  1. 2010/09/06 04:08  コメント固定リンク  編集/削除  コメント作成

    この議論を見ていていつも思うのは、なぜ韓国政府はこのことを座視しているのかということです。韓国籍が半分もいるのにあまりにも無責任だ。自国民にスパイ教育を施す機関をなぜ放置するのか?また文世光事件など起こされては日本にとってもいい迷惑です。自国民の教育に責任を持たないなど、棄民政策どころか反韓国政策もいいところです。韓国政府は朝鮮学校の教育課程に介入するべきでしょう。韓国が「同じ民族」として介入する方がやりやすいし(まさか民族教育への介入とは言わないでしょう)、日本が下手に教育課程に介入すると韓国前政権の人脈が跋扈する国連機関を使って人種差別と非難されますからね。それに、朝鮮学校を「正常化」することは韓国人にとっても韓国政府がお墨付きを与える教育機関が増えることは子弟教育上メリットが大きいと思います。日本としても韓国が「品質保証」してくれるのなら援助もしやすい。韓国政府は座視していないでこの件に積極的に介入するべきでしょう。

  2. 2010/09/06 23:13  コメント固定リンク  編集/削除  コメント作成

    まず、在外韓国人にも住民登録番号を義務付けるべきですね。



 

                          対談;佐藤勝巳 洪熒 

 

佐藤 民主党菅政権が、高校授業料無償化の一環として総聯の朝鮮高校生へ授業料を支援するという動きを続けていますが、ホンさんどう見ていますか。

 

 洪 民主党政権がなぜそういう発想をするのか私のほうが逆に聞きたいです。

 

自虐歴史観

佐藤 時代によって違いますが、高校授業料補助問題の背後には、「戦後の民主主義教育」が日本近代史を悪だと規定し、全否定してきた経緯があります。そういう歴史観を持つ仙谷由人氏が官房長官ですから、朝鮮高校生の授業料を支援すべし、という発想は当然生まれます。植民地統治に対する「贖罪意識」は、一見「良心的」のように見えますが、歴史の評価は当時の国際関係とその時の価値観で判断すべきものです。現在の価値観で過去を振り返り「謝罪」など非科学的で、ナンセンスな歴史認識です。従って朝総連高校生への授業料援助など100%誤りの政策です。

 

 朝鮮高校の授業料補助問題に対して産経新聞以外のメディアはほとんど報道しませんが、第一線で取材している記者達もその「贖罪意識」に影響されているのでしょうか。

 

胡散臭いから触らない

佐藤 仙谷氏は1970年の「安保闘争」のとき、東大の学生で、安田講堂籠城組です。「贖罪意識」はあの世代が最初で最後でしょう。若い記者と付き合いがないから分かりませんが、「贖罪意識」とは無縁ではないかと思われます。記者たちが、朝鮮高校の授業料支援問題に関心を持たないのは、そもそもメディア各社の社内で韓半島問題がマイナーで、在日朝鮮人高校生の授業料支援問題はさらにマイナーで、そのうえ胡散臭い。触らないほうがよい、というのが現実に近いのではないかと思います。

 

「民族主義の扇動と欺瞞」

洪 総連は彼らが持っている学校を「民族学校」と呼んでいますが、私は「民族」・「民族学校」という言葉に拒否感を覚えます。民族主義は非常に注意をし、管理すべき劇薬のようなものだと思っています。民族と種族の区別が難しいこともあり、民族を強調するたっめに、決まって他者を侮蔑・差別することになります。だから民族主義が望ましい方向に機能した例は稀です。全体主義暴君や独裁世力が民族主義を打ち出す時は周辺国には破滅的な災いを及ぼします。

20世紀の歴史の中で、ヒットラー、スターリン、毛沢東、金日成などが全体主義・独裁体制の確立や侵略・支配などに民族主義を利用した代表的事例です。

韓国でも「民族」や「民族主義」という言葉がよく使われていますが、金正日暴圧体制を助けるためにこの言葉を使う者が多いです。金日成・金正日王朝は、韓半島の赤化工作に「民族」・「民族主義」という用語を巧みに使ってきました。ところが、金正日は1990年代半ば以降300万人以上の住民を餓死させています。自分が治める民を大量虐殺する奴が民族を云々するのは厚顔・無知以外の何ものでもありません。この一事を持っても暴君たちのいう民族主義の欺瞞が分かります。

しかし、根本的問題は、全体主義や暴圧勢力の「民族主義」を利用した悪のプロパガンダに多くの人々が簡単に騙されることです。果たして「民族」とは最高の価値になり得るのか。「韓民族」は、同じ民族なのに、価値観・イデオロギーが異なったため「6.25南侵戦争」を闘ったし、今も自由と独裁、真実と嘘、善と悪の理念的戦いが続いています。

この熾烈な現実を無視、否定して観念的な民族・民族主義を扇動するのは悪魔的欺瞞であり自由民主主義の敵です。騙す者はもちろん悪いが騙される側にも自己学習不足の責任があります。

朝総聯は平壌の指令によって金日成・金正日一族の暴政を神格化して「民族学校」と名で子供たちを洗脳しています。これは幼い魂に精神的な青酸カリを飲ませるのと同じです。

 

佐藤 日本人で朝鮮半島問題の専門家たちも総聯の学校について知っている人は非常に少ない。総聯なる組織が何をやっているのか、極端に秘密主義の団体ですから、取材も容易ではなく、殆んどの日本人が知りませんね。

 

朝総連という閉鎖的生態系

 洪 そもそもあの学校はなぜ存在するのか。確か、朝総連側は1960年代や70年代の中頃まで学生数を36000とか、4万とか発表したことがあります。実は、あの数字は、総聯の組織員30万人を維持するために必要な生徒数なのです。

 朝総連は根本的に自給自足の閉鎖的組織を目指してきました。自ら築き上げた一種のゲットー(ghetto)の中に引き籠っているようなものと言えるでしょう。そして「民族教育」こそ朝総連組織員を「民族の檻」の中に閉じ込めておくための基本装置でした。

30万人以上の組織を維持するためには後継勢力を育成せねばならず、そのため4万人前後の子どもを教育するためには、約2000人の教師が必要です。教師を養成するためには、何百名の朝鮮大学生が必要で、どれくらいの資金が必要だから、商工人教育と税金対策が必要というような生態系が出来上がったのです。

ただ、元々無理だったこの閉鎖的生態系は生存環境の激変によってこれ以上存続できなくなった。もっとも、朝総連は日々減少する組織衰退のため組織員数も学生数も発表しなくなりました。

 

労働党支配下の「民族学校」

佐藤 この生態系が自然発生的に生まれたものかといえば、そんなことはありません。総聯の中に朝鮮労働党の非合法組織「学習組」(がくしゅうぐみ)が出来たのは帰国運動が始まった1958年です(総聯の大幹部から直接聞いている)。当時「学習組」の責任者は議長の故・韓徳銖です。平壌の朝鮮労働党が、学習組の責任者に闘争目標、獲得目標などなどを指示して来ます。

総聯組織は大衆団体ですから、色々な考えを持った人がいます。それを裏で指導してきたのが、党員(「学習組」)です。学校を運営する理事の中にも教師の中にも党員がいます。彼らは、上部から与えられる教科書を使い、党組織の命令で動いています。あの学校は正真正銘朝鮮労働党の指導下にある学校です。総連は総連組織とは「直接関係が無い」と強弁するが、毎年総連の最も重要な課題は、朝鮮学校への「学生の引き込み事業」でした。第一金日成も金正日も毎年朝鮮学校に「教育援助金」を送金してきています。

 

反逆者を「偉大な指導者」と教える

 日本が問題にすべきは、朝鮮労働党があの学校をどう位置づけているのか、です。誰もあまり触れようとしませんが、朝総連学校は要するに金日成・金正日を偉大な指導者と教えています。

そもそも教育とは科学的真実や良い分別力などを教え培うものでしょう。金日成・金正日王朝の「首領論」は、民は思考能力を持ってはならない、首領の手足に過ぎないことを信じるように強いています。文明社会ではあり得ない、とんでもないことを教えている洗脳教育機関です。

総連は「民族教育」を主張するが、教科書や辞書までが金日成・金正日の「偉大性」を教育しています。20世紀最大の失敗国家、工作国家、テロ国家を作り上げたのか金日成と金正日です。「民族」への反逆者・虐殺者を偉大な指導者と教えるところが朝総連学校です。誰もが分かる歴史的事実を捏造して教え、犯罪と不義を正しいと教える。善と悪の区別能力を麻痺させる「教育」を行っています。

朝総連の幹部や特に教育関係者は、50年前に北を楽園だと騙して同族を生き地獄へ送ったのと同じ犯罪を裁かれる日が遠くないと思います。虐殺者や反逆者を偉大な指導者と教えている学校の生徒の授業料を日本政府が援助する事態は、想像もしたくありません。
駐韓国連軍の後方基地である「普天間基地」問題に加えて、民主党政権が韓国の破壊を誓っている朝総連や朝総連学校をj支援すれば、韓国の愛国保守としては民主党政権を反韓政権と断定せざるを得ません。(つづく)

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