2010年、どうでもいい日のつぶやき
12月25日に起きたアムステルダム発デトロイト行きのデルタ航空機テロ未遂事件から三日後に、私はアメリカ行きの日航機に身を委ねた。
渡航前からESTA(電子渡航認証システム)だので、アメリカ旅行も面倒くさくなったなと思っていたところに、国際線よりも厳しい米国内線への搭乗時の保安検査である。「人間とは、己の愚かさで自らを束縛する動物である。」ことを実感させられた。
こんな時期にあえて出掛ける事はないと思われるかも知れないが「90円を割り込んだドル安」という現実に触発させられた、抑えきれない放浪癖の噴出が私をアメリカに向かわせたのである。
2010年はアメリカで迎えた。米国中部標準時間は、日本とは-14時間の時差があるために、私の2009年は平年より14時間長かったのだ。もちろん、その14時間は2010年からの前借なので、今年はその分短くなるという計算になる。加減すれば結局は同じでも、何もかも期限を極められ、特にせわしない年の瀬の事を思うと、なにもすること無く、ただ時の流れを見つめて送った14時間もの余分な時間は、私にとっては果報な贅沢だった。
日本に戻ると、打って変わって、様々な社会情勢が慌ただしい。
12日には日航(JAL)が企業再生支援機構に対し正式に支援申込を行い、支援決定を受けるとともに、東京地方裁判所に対して会社更生手続開始の申立てを行い受理された。
イランのアフマディネジャド大統領は24日、来月以降、核燃料となるウランの濃縮率を現在の3・5%から20%まで引き上げる考えを明らかにした。米欧諸国が疑う原爆開発には濃縮率90%以上のウランが必要。イランは平和利用を強調しながら実績の積み上げを狙っているのか?
北朝鮮の外務省報道官は11日、「朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に変えるための協議を始めることを協定当事国に提案する。」との声明を発表したが、核問題はどうするつもりなのか?また、混沌の日常に逆戻りだ。
<おわり>
2010年1月28日
●写真はスティーヴン・スピルバーグの映画 「War Of The World」 2005 のポスター 撮影:ヤヌス・カミンスキー 出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス、ミランダ・オットー他