助言・励ましに感謝!
「前立腺がん検査」の顛末を書いた前2回の「残日録」のブログ掲載直後から、多くの方々から助言・励ましを戴いた。ありがたいことである。
手術、放射線、抗がん剤、ホルモン療法などを受けられた御当人・夫人からのメールが相次ぎ、この病気の仲間がいかに多いかを知らされた。
MR検査の映像に白く写っている前立腺・リンパ・骨に、がんの疑いがあると云われてすぐ受けた全身の「骨シンチ」で、明らかな骨転移を疑う異常集積はないと診断され、まだ、深刻な病状に至ってはいなかろうと思った。
だが、泌尿器科では、MR・骨シンチ検査の診断結果を口頭で伝えられただけなので、セカンド・オピニオンを聞こうと、19年前の食道がん手術の執刀外科医を受診した。いのちの恩人であり、以来、なにかと相談相手になってくださっている。
医師は、二つの検査の画面データ・コピーを私に渡して、相談に応じてくださった。
その概要は以下である。
1)最近のMR検査は精巧でCTよりも精度が高いから、“がんの疑い”は妥当だろう。
2)骨シンチでは、MR検査で指摘された左臼蓋・両側恥骨結節部もふくめ、明らかな
骨転移はないようだが、頚椎などに転移すると、あなたの知人のように首の神経を
侵されて大変なことになる。
3)骨盤へ転移したがんはそんなに早く進行することはなく、ホルモン療法で天寿(?)
を全うできるだろう。
4)高齢者には、手術より、ホルモンなどの薬治療法を施すのが普通で、ホルモン療法
の説明書に書いてある副作用は、めった起きるものではない。
5)どんな治療方法にも患者の同意が必要で、患者自身の生き方に医師は立ち入れない。
6)喜寿を迎えた松本さんが、享受している生活の質 ( QOL)を低下させない生き方を
選ぼうとされているのは、いかにもあなたらしい。
7)天寿には、かなり時間があるでしょうから、いつでも相談においでください。
食道がん手術で得た再びのいのちに感謝し、定年退職後、<唄い><描き><詩文を書く>ことで元気な日々を過ごし、成果をボランティア活動にも生かしていることや、
19年続けている「文ちゃんの全身ストレッチ」・栄養バランスのよい食事・適度な運動にもかかわらず、またがんになって死を迎えるのなら、それが寿命というものだろう。
折りしも、「がんペプチドワクチン」というものを、NHK“あさイチ”で知った。
人間のがんに対する自己免疫の仕組みは、樹状細胞ががん細胞表面のペプチドを見分け、キラーT細胞にがん細胞攻撃を指令するとされるが、攻撃力よりもがん細胞の増殖力が上回ると負けてしまう。
「ペプチドワクチン」には、いろいろながんに対応する“テーラーメイド”があり、
それを定期的に注射したケースでは、余命2ヶ月と診断された小細胞肺がんの治療で、がんが小さくなったり進行が抑制され、一年半経過したいま、抗がん剤治療で失われていた味覚・食欲が戻り、元気に日常生活を送っているなどの事例が紹介された。
わが国でも保険診療認定手続きが進行中で、米国医薬食品局は、前立腺がん対象の
ワクチンの市販を許可したそうだ。なんというタイムリーな朗報だろう!