新・浦安残日録(8)

                  

8月1Ⅹ日(再び体重低下が始まる)

6月中は52キロを維持した体重が、7月前半で51キロ、食事が通りにくくなって〝慌てた〟月末には50キロにまで下がったが、伊藤先生の手配で、CT・内視鏡検査(半年ぶり)を予約した気持ちの落ちつきで栄養摂取につとめ、8月半ばに50キロに戻り、ホッとした。

ところが、日本ジャーナリスト会議「広告支部」掲載の『文ちゃんの浦安残日録』の原稿執筆でムリをした数日、再び低下。下旬には48キロに近づいた。

 

8月2X日(植野雅子さんの〝公演〟)

知人の声楽家植野雅子さんに招待された「MJCとなかまのコンサート《時代を紡ぐ》」の公演まであと数日になった。

浦安在住50年の植野さんは東京・人形町生れで国立音楽大学卒。50年以上の音楽活動の中で、NHKテレビ「♯さん♭さん」の歌うアシスタントレギュラー/ラジオ/CM出演/オーケストラ共演など、オペラからポピュラーまでの幅広い経歴の持ち主である。

浦安市のイベントでは、浦安市文化会館落成記念のファミリーコンサート出演やオーランド市との姉妹都市提携調印式の両国国家の独唱があり、日本民話や童謡を広く多くの人々に伝える《植野雅子の歌と語りの世界》(ライフワーク)で、コンサート活動を精力的に展開している〝ガンバリ屋さん〟である。

植野さんのコンサートのいくつかを拝聴して知己を得てからは、中尾順子さん主宰の第1920回《「砂時計」コンサート》にソロ歌唱で出演した私に、立派な花束を戴いてきた。

今回のコンサート(市文化会館大ホール)の案内のお手紙に、第1部の『「歌と語り」で綴る浦安・縁(えにし)の世界~時代を超えて~』に古巣「浦安男声合唱団」(3年前まで在籍)が出演してくださるのがうれしいとあり、第2部の『未来の絆 オリジナルミュージカル〝夢のまた夢〟~こころひとつに~』と合わせ、植野さんの音楽活動の〝一大集成〟と思われた。

 

ぜひ鑑賞したかったが、案内状を受け取った6月から、体重低下が続いて当日の体調が予測できず、同封のチケット(全席指定)申込み用紙の返送をためらい、体重が下げ止まった8月半ばに、〝末期ガン宣告〟のことに触れた手紙と(『晩節の選択』ほか「松本文郎のブログ」(1~6)のファイルをレターパックでお届けした。

すぐファイルに目を通してくださった植野さんは、抗ガン剤治療を受けず〝終末〟を自宅で迎える私の選択と〝生き方〟へのお励ましの手紙に同封されたペアの招待チケットをプレゼントしてくださった。

 

8月26日(関東大震災の教訓)

今日の「天声人語」は、関東大震災さなかの朝鮮人虐殺事件(朝鮮人が暴動を起こしたとの流言飛語が飛び交い、自警団の朝鮮人検問で、数千人規模の驚くべき人びとが虐殺されたという)を取り上げた。

当時の日本人に朝鮮人への差別的ふるまいや意識があって仕返しの暴動を恐れてか、官憲もデマを打ち消すどころか火に油を注いだので、警視総監だった正力松太郎は、「当局として誠に面目なき次第」と後に述べたという。

 八千代市では、戦後の長年にわたる地元民の熱意と努力で慰霊碑を建て、慰霊祭が行われてきたが、大震災以降、このおぞましい事件は〝タブー視〟され、触れることができなかったようだ。慰霊の日のインタビューで、慰霊碑の建立推進者代表の元教師の老婦人は、「人がちゃんと生きていくために、負の遺産をふくめた歴史を知ることが大切です」と訴えていた。

 他方、小池東京都知事は、石原慎太郎など歴代の知事が踏襲してきた「追悼文」(就任した昨年は慣例で届けたという)をヤメると、歯切れの悪い理由を述べていた。

 安倍首相の取り巻きの、中国大陸での南京事件や毒ガス弾による無辜の住民殺戮と、強制された朝鮮人慰安婦や鉱山労働者の,悲惨な実態などを〝作り話〟にしたがるムキと合わせて、小池知事のスタンスのあいまいさに、新党「日本ファースト」の先行きが見え隠れするのを感じた。

 

8月27日(TBS「サンデーモーニング」)

毎日曜日の朝8時、ほとんど欠かさずにお千代と一緒に見ている《関口宏のサンデーモーニング》は、国内外に生起する重要問題の〝情報番組〟としては、BSフジ《プライムニュース》(ウイークデーの毎晩)と共に必見の内容だ。

 司会関口 宏氏の一貫した姿勢と出演者の顔ぶれ(寺島実郎、姜尚中、涌井雅之、田中優子、目加田説子、西崎文子、佐高 信、浅井慎平、田中秀征、青木 理、中西哲生、谷口真由美、大宅映子、幸田真音、岡本行夫、コメンテータ岩井成格等)の政権批判的な〝切り口〟についての感想をお千代と交わしてきた。

 

今朝のメインテーマはトランプ氏の「差別/分断」で、手厳しい批判が飛び交った。

別称〝人種の坩堝〟のアメリカはヨーロッパから移り住んだワスプ(WASP・ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)が建国して以来、連行された黒人奴隷や諸国の貧困移民の血と汗と涙で築かれたアメリカは、〝自由と民主主義〟のお題目をグローバルに押し広げるまでの大国になった。

その過程は、奴隷解放を巡る南北戦争をはじめ、第1次大戦と世界経済大恐慌、第2次大戦・太平洋戦争の筆頭戦勝国、東西冷戦と朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガン進攻、911以降のイラク侵攻等の「戦争の歴史」といえる。

産業革命のイギリスから近代的産業と工業技術を持ち込み、高度な生産・販売システムと科学技術の研究開発を成し遂げ、核開発・宇宙開発の分野でも世界をリードし続けてきた大国には、ベトナム戦争での女性・子供らの虐殺、リンカーン・ケネディー大統領・キング牧師の暗殺、白人警官による黒人の暴行・殺害、人口を超える銃社会に多発する市民の殺し合いにみる、血塗られた歴史もあるのだ。

 

世界を驚かせたトランプ大統領の出現と米国史上に類をみない〝気まぐれな言動〟は、国際社会に困惑と混迷の連鎖を巻き起こし、人種・宗教・民族を異にする移民たちのエネルギーと文化的多様性に憧れてきた世界の行手には、暗雲が垂れ込めている。

特定の「イスラム国からの移民禁止」が司法から否定され、「メキシコ国境の壁建設」も全く進まず、選挙公約の実現が危うい状況のなかで、「白人至上主義事件(812)が起きた。

 白人至上主義の反対デモに参加した女性を車でひき殺して、数十人の重軽傷者を出した若者は、ナチスドイツの敬礼をまねて「ヘイル・トランプ」を叫んで行進した「オルトライト」(トランプの熱烈な支持者)を自称しているという。

 

事件直後の記者会見でトランプ氏は、「憎悪や偏見、暴力を可能な限り強い言葉で非難する」と述べたが、白人至上主義者を名指しで非難しなかったので、批判が不十分との声が共和党内部にさえ噴出した。

 大統領選のトランプ支持層〝小さな政府〟〝宗教保守〟〝怒れる白人たち〟の「トランプ支持連合」は、迷走気味の〝トランプ・ツイット〟にも堅調を保ってきたが、この事件が〝アダ〟となって崩れ、「ロシアゲート疑惑」の調査進展と共に、トランプ政権の命運を左右するのではないか。

 

 午後は、招待された植野さんの〝公演〟(浦安市文化会館大ホール、2時半開場で3時開演)を拝見しようと、お千代と一緒に出かけた。

 会場に着いて、入口ロビーでノロノロと進む長蛇の列の末尾に並ぶ。戴いた指定席から全体を見回すと、7割くらいが埋まり、引きも切らず人びとが席につくのが見えた。わが浦安男声合唱団の定期公演では多くても千人をやっと超えるくらいで、文字通りの満席(千3百8十席)は初めての光景。植野さんの50年に亘る多彩な音楽活動が浦安市民に多くのファンを生んだ証を見る想いだ。

 

幕が上がり、明るくカラフルな背景の前に立った植野さんの「語り」に添いながら〝なかま〟たちのコーラスで、〝大イベント〟のステージが始まった。 

 中尾順子指揮・女声コーラス「フローラ・コールプーレ」は『URAYASU~海辺の街に~』『歌が生まれる』(なかにしあかね作詞・作曲)、『思い出すために』(寺山修司作詞・信長貴富作曲/関口直仁指揮・「浦安男声合唱団」は『喜びも悲しみも幾年月』(木下忠司作詞作曲)『長崎の鐘』(サトウハチロウ作詞・古関裕而作曲)/指揮洋一郎・「いるか合唱団」は『気球に乗ってどこまでも』(東 龍男作詞・平吉毅州作曲)『浦安の猫実の三毛』(洋一郎作詞・作曲)。つづく、歌唱指導植野雅子・「MJC合唱団」)は、『童謡唱歌メドレー』(5曲)『翼をください』(山上路夫作詞・村井邦彦作曲)、指揮植野雅子「MMC合唱団」は、『さとうきび畑』(寺島尚彦作詞作曲)。

 

コーラスグループの曲目と演奏は、それぞれ個性ある熱唱だったが、植野さんの「語り」との脈絡がよくわからないのが惜しまれた。民話的な「語り」に、浦安男声合唱団々長・海宝守一さんや長い歌の〝なかま〟の中尾順子さんとの出会いを編みこまれたら、なおよかったと思った。

 植野さんが長年育んでこられた「MJC」の『翼をください』の子どもたちの弾む歌声は、詩の想いをよく伝えてホール一杯に拡がり、素晴らしかった。「MJC」は毎年春の浦安市合唱祭のトップに出演して、客席からさかんな拍手が湧く貴重な存在。

 

コーラスのトリ・「MMC合唱団」(MJCリトル・シニア)の『さとうきび畑』(寺島尚彦作詞・作曲)と『鈴木重夫作品集』も、とても素晴らしかった。

植野さんが、森山良子の美しい歌唱で知られるこの反戦歌を選ばれたわけが、扮装や戦争で親を失ったり、学校で学ぶことができなくなった世界の子どもたちへの想いを述べられた「語り」でよく分かった。

 浦安男声合唱団・『長崎の鐘』の選曲は、それとは関係のない偶然にしても、72回目の敗戦日から間もない日のこの2曲は、キナ臭い方向に進んでいる安倍一強政権への警鐘のごとく、ホールに響き渡った。

 

そして、第1部を締める『植野雅子コンサート~愛の贈り物~』のステージへ。

 このステージでは、植野さんの多彩な音楽活動で関わられた音楽〝なかま〟の器楽(三浦高広・ピアノ、伊藤耕司・チェロ、黒田育子・フルート、大串聡覧・ピアノ、小野坂栄駿・トロンボーン)と声楽(河村徳子・ソプラノ、関口すなお・テノール)のコラボレーションで素敵なパフーマンスを堪能した。

器楽伴奏『乾杯の歌』の明るく楽しいデュエットにつづく植野さんのソロでは、本場イタリアで学ばれたカンツオーネの『アルディラ』と『ボラーレ』(私の大好きな歌)が、やさしく伸びやかな歌声に乗った〝愛の贈り物〟として私のこころに響いて、痩せたからだでも、やって来てよかったと思った。

 

つづく、『約束』(藤田敏雄作詞・前田憲男作曲)の選曲と歌唱にも、いたく感動した。

 というのは、前田さんとはNTT社歌『日々新しく』(松本文郎作詞、岩谷時子補作詞・前田憲男作曲)のご縁があり、電電公社民営化(昭和60年6月)の新社歌発表会の打ち上げの宴席にお千代同伴で招かれたとき、若気の至りで岩谷さんの煽てにのって、前田さんの伴奏で『サン・トワ・マミー』(サルバトゥール・アダモ作詞作曲、岩谷時子訳詞)を唄わせていただいた、一生忘れない思い出があるからだ。

 

第2部の『未来への絆 オリジナルミュージカル〝夢のまた夢~心ひとつに~〟』(原案・四季乃花恵、脚本・マーシャル・クレア・風見、演出台本・星野利晴、音楽監督作曲編曲・金子貢、振付・小川こういち他)は全8場に20曲のミュージカルナンバーが矢継ぎ早に展開する〝一大ページェント〟に圧倒された。

 美しい自然と純朴な人たちが暮らす島の〝お話〟。都会の子供たちが夏休みにおばあちゃんに会いにきて、島の子どもたちと「妖精の森」で妖精と出会い、島の〝再開発〟を巡る大人らの対立を知ったりする。

 さまざまな人間模様が交錯する中で妖精と中高生が一緒になって、対立を解いてこころを一つにしようと立上がるという、どことなく、小さな一漁村からディズニーリゾートと呼ばれる日本有数の〝住んでみたい街〟になった浦安を思わせる〝お話〟だ。

 

舞台を縦横に動き踊る子供たちとおばあちゃんたちの歌と演技の出来栄えに、植野さんの想いがこめられた並々ならぬ指導の厚みを感じた。

 第1/2部全出演者による「グランドフィナーレ」の幕が閉じて時計を見ると7時前。3時間半の舞台に集中して、家を出てから4時間も「カロリー摂取」をしなかった〝ガス欠〟で、「からだ」はどっと疲れを感じたが「こころ」は、あたたかいもので満たされ、植野さんがこの〝公演〟に注いだ熱い想いと物凄いエネルギーの大きな「力」を戴いた。

 家に戻って、興奮さめやらぬままに、一気に書き下ろした詩を記す。

  

からだとこころ     松本文郎

  今年3月、末期ガンの宣告を受け、晩年の

選択をした。4月、ふれあいの森公園の桜を

描き、彩友会春季研究会へ妻が持参した。

  ニンゲンのからだとこころは、60兆個の

細胞で構成され機能するいのちの動的平衡。

突然変異のガン細胞とそれに抗う免疫細胞は

共に私自身であり、自然の摂理の力と働きを

与えられている。

からだは自然の一部だが、こころには進化

で得た知識と智慧がそなわり、近代医療では、

高度科学技術の抗ガン治療が重用されている。 

ニンゲンのからだとこころをめぐっては、

自然の摂理から学んだ智慧の集積が古今東西

にある。ニンゲンの万病克服には知識と知恵

を両輪とする取り組みが大切ではないか。

  いのちの生老病死の終末を自宅で迎えたい

私は、生活の質を損なう抗ガン剤治療よりも、

自然の摂理に添う生活習慣と生き方で活性化

する自己免疫の力の方を選択した。        

 

9月1日(永六輔の『夫と妻』を読む)

「ブックオフ」で手に入れた新書版数冊(各108円)のうち、永六輔著『妻と夫』(岩波新書)に目を通し、〝さすがは永さん!〟と感心させられた。

カバーに、「夫婦関係・男女関係の不思議さ、おもしろさをテーマに、ご存知、永六輔辻説法が冴えわたる。辛俊玉さん・中山千夏さんとの対談や、淡谷のり子さんの追悼講演は著者ならではの世界」とあり、まえがきに、「浪花節の『壷坂霊験記』の一節、〝妻は夫をいたわりつ、夫は妻をしたいつつ〟は妻と夫が逆のようにみえるが、夫が霊験記のような盲目でなくてもこうあるべきだという一冊なのだ。夫婦円満、家内安全は。これにしくはない!」を読んで入手した、期待通りの好著。本文の感想は省略し、あとがきにかこつけて、お千代とのことを記す。

 

刊行の2000年の永さん(全業績に対し「菊池寛賞」を受賞)夫妻は金婚(結婚45周年)を迎えている。2002年、妻昌子さんが胃ガンで亡くなられたので、来年は結婚60周年(ダイアモンド婚式)の私たちは、永さん夫妻より13年も長い間、〝千代子は文郎をいたわりつ、文郎は千代子をしたいつつ〟で暮らしてきたことになる。

 永さん夫妻の出会いの場は日本テレビで、就職の相談に来ていた昌子さんを見かけたとき、六輔さんが学生時代に憧れていたジェームズ・スチュアートジューン・アリスンのコンビのジューン・アリスンを見つけて、その場で結婚することを決めたという。

中学時代の私が、福山の映画館で上映しなかった映画『風と共に去りぬ』を汽車(1時間半)で岡山へ見に行き、スカーレット・オハラのヴィヴィアン・リーに一目ぼれし、瀬戸内海・北木島の臨海学校で千代子(一つ下級)の水着の肢体を見て眩惑を覚えた出会いとかさなるエピソードではある。

 

中学時代からのスタジオ育ちでテレビ作家として売れっ子、生意気と無鉄砲がブルージーンズをはいていたような永さんは、結婚資金の4万円を借りた三木トリロー氏、それを届けてくれた野坂昭如さんを恩人だと書いていが、私はといえば、クラーク・ゲーブルのレット・バトラーどころか、レスリー・ハワード演ずるアシュリーのような引っ込み思案の少年は、広大付属福山(郷土の偉大な教育者・森戸辰男が昭和22年に創立)の音楽部(先輩のいない私たち1回生が創設)管弦楽部(文郎クラリネット・千代子ピアノ)で一緒に練習してドキドキする時間を過ごした片想いのまま、中高一貫校を卒業した。

 

私が京大建築学科に入った年(昭和28年)の夏、なぜか突然、千代子から暑中見舞いがきたキッカケで、正月に帰郷したときに初デイト。その翌年に、千代子が同志社女子大の英文科へ入学し、私が卒業するまでの3年間親しく付き合い、互いを知ることができた。

私が電電公社建築局へ入社した翌年(昭和33年)、福山出身の電電公社幹部のお世話で国際部門・海外連絡室の「特別施設課」(在日米軍の電気通信施設担当)に入れていただき、共働きの新婚生活が始ったのである。

 

「わがままで旅暮らしを売り物にする男」の永さんを、2人の娘の母、4人の孫の祖母をこなしながら愚痴ひとつ言わずにひたすら支えてきた昌子さんを亡くした14年後、ベストセラーの自著〝大往生〟を遂げた六輔さんは、「六、八、九トリオ」(永六輔・中村八大・坂本九)の浄土再会で、長年筆を絶っていた作詞を再開し、新しい曲づくりを楽しんでいるような気がする。

 

私は〝末期ガン〟の終末を穏やかに過ごせるようにお千代に支えられてまだ生かされているが、3年余のきびしいアラブ在勤の日々の戦友と2児(健・アメリカン・スクール2年、晶子・同1年)の母の役割をこなしたお千代と、毎夏の骨休み休暇に、地中海(エジプト、レバノン、ギリシャ、イタリア)・バルカン半島(ユーゴスラビア、ブルガリア、トルコ)諸国やイギリス、オーストリア、ドイツ」への「旅」で、さまざまな得難い体験を親子でしたのも、45年(永夫妻の金婚と同年)も昔になった。

 

『夫と妻』の発想の多くは昌子さんに刺激されたと、「あとがき」ふうの献辞(テレ屋の六輔さんらしい)に書いているが、物書きではない私にできるのは、『文ちゃんの浦安残日録』の折に触れて、お千代との来し方と今を記録することで、それが自己免疫力の活性化にもつながり、「一日でも長く一緒にいたい!」との彼女の想いに叶えばと、願うばかりだ。

 

9月8日(日ロ首脳会談)

ロシア政府主催「東方経済フォーラム」に出席した安倍首相は、プーチン大統領との首脳会談で北朝鮮問題を話し合ったが、安倍首相が日米韓で合意した最大限の圧力をかけるように要請したのに対して、プーチン氏は、「国際的にもこの地域にも、平和と安全に大きな脅威をあたえている」とした上で、「核問題をはじめ、朝鮮半島の情勢を打開するためには、政治的、外交的な手段しかない。その対話をつづけるには、ロシアと中国のロードマップがよい基盤になる」と述べ、北朝鮮の核・ミサイル開発の停止と同時に、米韓に対しても軍事演習の停止を求めた。

 

北朝鮮を挑発に対して、日本海の空母「カールビンソン」やアメリカ戦略爆撃機との日米共同訓練を行った安倍首相は、トランプ大統領との3回に及ぶ電話首脳会談で、〝異次元の圧力(?)〟の必要を強調していた。

最近行われたトランプ・習米中首脳の電話会談では、北朝鮮への中国の影響力行使を強く求めていたトランプ大統領が、習近平氏に歩み寄るかの発言をしたという。

米朝単独交渉の実現に向けたICBM・核爆弾の開発を遮二無二押進めた金正恩氏の軍事・外交戦略の一貫性に比べて、トランプ氏(政権中枢を軍出身者が占め、北朝鮮問題のベテラン外交官僚との連携なし)の〝気まぐれツイット〟の乱発は、アメリカ・ナンバーワンを自負する大統領として、甚だ心もとないかぎりだ。

 

安倍首相はかつて〝中国包囲網〟をめざすような外交的言動をしていただけに、トランプ氏の衝動的なツイッター発言の片棒を担ぐことにならなければよいが、北朝鮮(「東方経済フォーラム」へキム・ヨンジェ対外経済相を団長とする代表団を派遣)の高官は、「日本が米国の手先の役割を担うなら、核攻撃の標的にせざるを得ない」と警告している。

 中ソによる北朝鮮問題協議の「ロードマップ」は「核の放棄」でなく「ミサイル・核実験の中止」を求めるもので、国連安保理へのトランプ政権提出の「新制裁決議案」より低い圧力レベルが予想される。

 

金正恩流のしたたかな軍事・外交戦略(トランプ氏も認めた)のEU諸国の〝読み方〟には、「国家の存亡を左右する経済圧力(日本を太平洋戦争に追いやった石油全面禁輸)を加えないかぎり、米国への先制核攻撃を衝動的に行うことはしないとの論調が少なくない。

強い制裁圧力を目指す「日米韓」の韓国は、基本的に北と対話路線の文在寅韓国大統領が、米国からの要求に従ってか、THAADの追加配備に踏み切り、日本では、迎撃ミサイルシステムのイージス艦関連地上施設(8百億円)の米国調達に合意した。自民党内では、「非核3原則」の見直し論や核武装を探る論議が出るほど、〝危機感〟をエスカレートさせている。

 

北朝鮮と米国の突発的な衝突回避と朝鮮半島の「非核化」をめざす国連安保理の論戦、北朝鮮問題関係5ケ国(米・日・韓・中・ロ)の合意形成で、安倍政権の外交センスと実行力が問われることになるが、権力の私物化の〝モリ・カケ〟スキャンダルと都議選で失った首相自身と自民党への信頼回復に向けて、ご自慢の外交実績を積む思惑が実現するかどうか。

                                  (続く)


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2017/09/20 14:02 2017/09/20 14:02
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