「文ちゃんの浦安残日録」 (Ⅰ- 4)                  
 

                                       2011
32X(X) 

 

見明川防災本部から朗報があり、下水道復旧工事が急ピッチで進められているなかに、曜日指定で洗濯機・風呂の使用が試験的に可能との由。久しぶりで自宅の風呂に入ろうるとした矢先のさらなる連絡で、この地区の排水規制が全面解除となった。ブラボー!

夜分は零度前後となる避難所で不自由な暮らしを強いられている被災者の皆さんに、「なんだか申し訳ないみたい」と言うお千代と並んで湯船にひたった。

事故発生から十五日。福島第一原発の危機的状況打開のメドは、まだついていない。

当初からの東京電力の鈍い対応にイラついた政府の指揮ぶりもモタついて、打つ手が後手後手にまわっている感は否めない。でもそれを論っているときではなく、試行錯誤を重ねながら体制を整え、必死で取り組む外ないだろう。 

各号機の深刻な状況を伝えるテレビ報道にいらただしさを感じているのは、私だけではなかろう。東電側が把握していながら知らせず、高濃度放射能の水に足を晒した作業員が被曝するなど、危機管理体制の脆弱さを云々されてもしかたない。

こんな有様に、原発事故対応の基本“停める・冷やす・閉じ込める”での“冷やす”機能の電源が失われたと分かった時点で、いち早く海水注入を決断すべきではなかったか、と素人ながら言いたくもある。

“安全神話”を振りかざして原発設置を推進した電力会社・監督官庁と、地震・津波の想定規模を提案した学者・技術者らは、この想定外(?)の天災の数多の犠牲者の死をムダにしないよう、原発の今後を抜本的に見直す責務に、」真摯に取り組んでほしい。

 国難と称するほど未曾有の危機的状況のなかで、情報通信の重要性を再確認したい。

 原発・被災者支援の「官邸主導体制」と「セカンドオピニオン集団」を整える官邸の慌しい人事発表にも、情報処理・インフラ整備や危機管理の専門家がふくまれているが、大災害の憑き物、流言蜚語に振り回されないように、正確で分かりやすい情報を迅速に伝える体制づくりも遅れていたようだ。

原発を建設した関連メーカー・土木建築業者などの復旧現場作業を統括する東電の力不足も感じられる。メンツを捨て、会社組織の旧弊を破って危機を打開してほしい。

NTTグループは、情報通信インフラの復旧と維持に総力を挙げて取り組んでいることだろし、“電電建築”技術者の後輩たちがいるNTTファシリティーズも、情報通信施設

建物や通信鉄塔の被害調査や修復に大童と聞く。

 また、NTTBHNBasic Human Needs)組織は、人類にとって衣食住と同等に不可欠なICTによる国際援助活動をしてきたが、役割遂行の機会が国内に生じたのだ。

 ニュージーランド震災の瓦礫の下からの救助を求めるメールが日本に届いて、一命が助かった人の記憶も新しい。大きな災害時の情報通信の機能確保がいかに大切であるかは、NTTで仕事した私たちの肝に銘じている。

 千年に一回というマグニチュード9.0の体験で、情報通信インフラや建築都市の耐震設計上、かってない大幅な見直しが必要となるだろう。

 この大震災からの復興参加は、日本の電信電話サービスを独占的に担った電電公社の建築部門に身をおき、社会に役立つ志を抱きながら、全国情報通信施設の計画・設計・工事監理と建築技術開発に奮闘した私たちの後輩仲間の腕の見せどころである。




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傾いた公衆電話ボックス。奥にみえるのが新浦安駅




2011/03/30 14:24 2011/03/30 14:24

「文ちゃんの浦安残日録」 (Ⅰ―2)   

                                      
 2011
年3月2ⅹ日(ⅹ)

 

 福島原発の危機的事態は、依然として予断を許さない状況だ。関係者の必死の苦闘が

不眠不休でつづけられている。東京消防庁の福島第一原発への放水作業を指揮した隊長

らのテレビ会見の画面に、思わずねぎらいの言葉をかけた。

自衛隊・消防・警察など国の機関の隊員・署員は、国民の生命財産を守る重大な役割を担っている。この命がけの危険作業に出動した夫を、健気に励ました妻たちがいた。

その一方で、またあの知事の登場だ。官邸を訪ね、政府関係者の隊長への指示不適切と放水車が壊れたことに抗議したという。“国難”対処の総指揮官として多忙極まりない菅総理に、そんな難癖をつけに行くとは児戯にもひとしい行為である。 
 

報道陣にもアピールしたようだが、来月行われる都知事選を意識したパフォーマンスと見る都民も少なくないだろう。あの“天罰発言の直後、彼を揶揄する川柳が新聞に掲載された。己の言葉なら、”兵隊“(隊員か?忌まわしい戦時を思い出す)が命をかけてくれるとでも言いたいのだろうか。何様のつもりなのか!

彼には、“愛国心”や“自由”の言葉を振りかざして、アメリカの“良心たち”を蹂躙・抹殺した、あのマッカーシー議員に重なるイメージをぬぐいきれない。

東日本大震災の陰で最近まで報じられなかった浦安の被災を知った学友・元職場仲間・友人・知人から、つぎつぎと見舞いの電話やメールが届くようになった。ありがたい。

 481戸のわが住宅団地内の水・ガス供給が、二、三日前から相次いで復活したが、

広い範囲の下水道の復旧見込みは立たず、トイレの“大”以外の生活排水は庭の雨水桝に流すよう指示され、風呂・洗濯は厳禁だ。

断水で高層マンションから避難した娘一家の街区では下水道が使えるので、給水再開でトイレ・風呂・洗濯が可能となり、戻った娘から入浴と洗濯にくるよう言ってきた。

その日、ディズニーリゾートのホテル群が浦安市民に入浴サビースを始めたとの報。早速出掛けて12日ぶりに入浴した。立派な大浴場で手足をのばして湯に浸っていると、天国に湯浴みする心地だったが、寒さのなかで震えている被災地のお年寄り、災害の爪痕と闘っている関係者らに申し訳ないとも想った。

32年同期入社「三二会」の仲間数人から届いた見舞いメールに、仲間の一人K君宅が液状化現象で傾いて困惑しているとあった。訪ねると、ゴルフボールが容易に転がる床の傾斜だ。生活インフラのダウンで不自由している私には、メールを遠慮したと言う。やさしい人柄の彼ならでは。

 住友林業に勤める息子に連絡し、修復工事の相談にのる手配を頼む。リフォーム専門の子会社では震災の被害住宅の調査依頼・復旧工事が山積しているそうだ。上屋を建替えず、沈下した基礎だけを作り直す「建屋横引き工法」のスペースがとれるかどうか。費用も決して安くはないというが、建替えるほどに掛かるのなら意味がない。

K君のご近所・市内各所で同種被害が少なくないようだから、新しい工法を考案してはどうか。注文が多ければ、傾斜修復の新機械化システムも十分にペイするだろう。

復興への迅速で経済的な創意工夫が、さなざまな分野で生まれることを期待したい。

それにしても、喫緊の問題は福島原発の危機的状況の沈静化で、関係者の尽力成功を祈るばかり。被災地の日々を報じるテレビ像を、世界の目が見守り、励ましている。



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2011/03/26 16:07 2011/03/26 16:07

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30回「市美術展」のご案内 

         

見明川住宅内のケヤキ・クヌギ・サクラなどの紅葉が、眼を楽しませてくれています。

暦の上では立冬を過ぎましたので、まさに“冬紅葉です。

今夏の長い猛暑の余韻が先ごろまで残っていたのが、急に、冷え込んできましたので、紅葉の発色はとても鮮やかで、住まいの周り、川沿いの桜並木、「ふれあいの森公園」の木々の“錦秋”に、絵心を誘われている日々です。
 冬紅葉眺むベンチに陽の温し  ふみを 

さて、「市美術展」のご案内が、諸事多忙にまぎれ、たいへん遅まきとなりました。

あしからずご寛容くださり、ご高覧くだされば幸いに存じます。

 この公募展には、平成7年に初入選してから毎年出品してきました。

初めて応募した頃、2千人を越える来場者があると聞き、個展・グループ展に比べて大勢の人びに見てもらえるのがうれしくて、今日に至りました。

今年の応募作品は『原初の光』(墨彩・20号)と題した、心象的な絵です。

ビッグバンで始まったとされるこの宇宙に光が生じ、太陽系で46億年経った地球にも、光が絶え間なくそそがれてきました。

数百万年前に猿類から分化した人類は、ながい年月のなかで、知恵と富を蓄積して

文明を築いてきましたが、初めは平和だった人類社会に、富と統治権力をめぐる争いや戦争が生じ、折々に聖人が現れてその非を教えました。釈迦、キリスト、ムハンマドらです。

 それらの教えにもかかわらず、いまだに争いや戦争が絶えません。

『原初の光』は、人類出現以前の朝の光のイメージを作品化したものですが、この宇宙の地球という星に生を享けた私なりの、人類融和への祈りのメッセージです。

自己流の墨彩・水彩の作品は「日本画」部門に応募・展示されてきましたが、伝統的画法の技術も不勉強で未熟な、“想い”ばかりの拙画です。

 ご高覧くださり、ご感想を伺うことができれば、望外の喜びに存じます。

「松本文郎のブログ」に長期連載中の『アラブと私』も(38)となり、数日後の原稿締切り前の執筆に集中したいところですが、“錦秋”の彩りが褪せるのが気がかりです。

 執筆の合間の散歩にスケッチブックを携え、移りゆく秋色を描きとめたいと存じます。

 末筆ながら、ご健勝をこころからお祈り申しあげます。

 

 平成22年 神無月 吉日.                

                             松本文郎 拝  

 



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2010/11/17 18:15 2010/11/17 18:15