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  1. 2013/04/25 靖国参拝問題


  靖国参拝問題  
                
                                                        2013年4月25日(木)

                             松 本 文 郎

 

新緑の彩りが日ごとに移ろう「ふれあいの森公園」でスケッチを楽しんで、昼過ぎに帰宅した。東海大付属中学の生徒たちも三三五五のグループに分かれ、思い思いのスポットで写生していたので、その3か所で一緒に描いた。彼らはスケッチブック(6号)で私はハガキ画仙紙だから、アッと言う間に描いてみせると、「ホー!」「へー!」などと声を上げてくれた。

 昼食をはさんで3時までに彩色もするというので、昼食のあとにでも、グリーンハウス内の壁に掛けられた「ビオトープ」の画・詩の額(小生の寄贈)をみてくださいと告げ、公園を出た。

 いつものように、第3種ビール「のどごし」と「麦とホップ」(黒)のハーフ・アンド・ハーフをアペタイザーにして遅い昼飯を食べながら、「日中韓必見“靖国神社”徹底解剖・なぜ参拝が問題なのか」をテレビでみた。

 見慣れたキャスターがしたり顔で言う。「家族を守るために命をささげた英霊が祀られる場所にお参りするのは、遺族や国民のごく自然な気持ちではないでしょうか」

 タカ派を自認していた中曽根元首相が公式参拝をして、中国の猛反発で参拝を中止した頃から、靖国参拝問題の論議はかなり深められてきたはずなのに、いまさら、徹底解剖のキャプションの下でこのコメントとは……。

 A級戦犯合祀・分祀/極東国際軍事裁判(東京裁判)/歴史認識・植民地支配/戦死・戦没者慰霊/反日運動と内政・外交問題などについて、さまざまな角度から論議されてきたが、中國や韓国が反発するのは“A級戦犯合祀”と時の首相の客観性を欠く特異な“歴史認識”である。

 A級戦犯合祀は、かなりの日本人にも疑問視されてきたし、沖縄や大陸で戦死した岳父や従兄の家族もそうだ。あの無謀な戦争を始め、負け戦を長引かせた挙句に3百万人もの軍人・国民の無辜の犠牲を生じせしめた戦争責任者と一緒に祀られたい英霊が、一体どれだけあるだろうか。

 靖国神社には吉田松陰や坂本竜馬も祀られているが、国際社会にはばたく近代日本の未来を夢見た彼らは、明治維新後の富国強兵政策により、日清・日露戦争から日中・太平洋戦争に至った軍国主義的な道のりをどう見ていたのだろうか。

 帰り咲いた(?)安倍政権の代議士168名が、春季大祭の靖国神社の渡り廊下に大列をなして進む姿と殊勝な顔は、なんとも胡散臭いものに見えた。

 99歳で逝った叔母(戦死した従兄の母親)が、出征するたった一人の跡取り息子に、「死んだらいけんよ!」と言ったことが、ある年の終戦記念日の中国新聞に書かれたが、それこそが人間として自然な願いの言葉ではないか。

戦後の軍人恩給支給を自分らの手柄のようにして日本遺族会の票を当てにしてきた“族議員”は、自国民のみならずアジア諸国の人びとに非条理で多大な犠牲を強いた戦争をいかに認識しているのか。北朝鮮の“先軍政治”同様に軍部に追従したままの戦時下の政治を反省しているのか。

安倍首相がつい“本音”を漏らさないように手綱をにぎっているという菅官房長官が、アジア諸国に及ぼした戦禍と犠牲を認識していると談話で述べても、通り一遍の決まり文句でしかない。

だが私たち国民も、戦争責任をA級戦犯や天皇に押し付けて事足れりとしてなならないのだ。

ナチスドイツが犯した戦争責任についてドイツ国民が一丸となって懺悔し、同じ過ちをしないことを真摯に取り組んだ延長線上に,人類社会の実験とでも呼びたい“EU”があると想う。

 経済制裁で末期的な様相の北朝鮮がみせる米国への強硬な敵対姿勢に、国内消費石油の80%を占めた米国からの輸入禁止で始めた太平洋戦争開始の暴挙が重なるのである。

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